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★ep10.『夢千夜』聖母と道化、その支配人 第七夜

「……水森が……事故に遭った」


俺がやっとそう絞り出すと、真っ先に反応したのは佐々木だった。


「……!」


それは、と眼光鋭く俺に問いただす様子は既に“探偵モード”に入っている。


「どういうこと!?」


上野は意味がわからないといった様子で声を荒げた。


「……上から照明が落下したんだ」


今は救急車を呼んでるところだ、と俺が言い終わらないうちに佐々木は勢いよく楽屋を飛び出した。


「“事故”かどうかなんてまだわからないでしょう!?」


もしかして佐々木は以前から何かを感じ取っていたのかもしれない。


駆け出していく佐々木の背中を見ながらなんとなく俺はそう思った。


「……は?」


上野は呆然とした様子だったが、すぐに佐々木の後を追うように楽屋を飛び出した。


「それってもしかしてさ……前にあーし達の衣装を切った犯人と同じって意味じゃないよね!?」


廊下の向こうで上野の叫び声が聞こえる。


おそらく、先頭を走っている佐々木に向かって言ってるんだろう。


「……は?……え……!?ちょっと意味わかんないんだけど!?」


諸星キクコも二人の後を追って楽屋を飛び出していく。


諸星キクコの青いステージ衣装がひらひらと上下に揺れている。


本来なら黄色の“フレッシュ☆レモネイド”の衣装を着たセンターの筈だったんだ。


どんな気持ちでセンターを水森唯に譲ったんだろうか。


それは俺が思うよりもっと大きく─────────メンバー間の信頼や葛藤があったんだろう。


そのセンターである水森唯がステージ前に事故に遭ったんだ。


皆、半狂乱になるよな。





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