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ep10.『聖母と道化、その支配人』スピーカー

「…!!」


スピーカー越しにも夢野が動揺しているのが伝わる。


「もう本番まで時間がないの────────!!」


上野の悲痛な声が部屋に響く。


「くぅちゃんも忙しいってわかってる。だけど」


なんとか助けてもらえないかしら、と水森唯は冷静に─────────だけど切羽詰まった声で懇願した。


「うん……ちょっとその衣装の様子を動画か画像で送って貰える?あたしの方はちょっと今は出先でビデオ通話できなくて……」


一旦通話を切り、水森唯が動画と画像を撮って夢野に送った。


しばらく経った後、再度夢野くるみから折り返しが掛かってくる。


「パパにも見て貰ったけど────────────今回ウチではどうにも出来そうもないの……」


力になれなくて本当にごめんね、という声が室内に響き、誰かが息を呑む様子だけが伝わってきた。


「……っ!」


「せめてもう少し時間があればなんとか出来たかもしれないけど───────────パパとあたしもカタログ撮影で国内ロケに同行することが決まってて」


夢野くるみは心底申し訳なさそうにそう告げる。


スケジュール的な問題か。


恐らく、ジャンル違いとはいえ─────────────技術面だけで考えると夢野くるみは申し分ないクオリティのものを作ることが出来るんだろう。


友人である水森唯の為に協力しようという気持ちもあるのだろうが、スケジュール面だけが調整がつかないということか。


水森唯は丁寧に夢野に礼を言って通話を終えた。


しかし、本番までの時間は刻一刻と近づいている。


俺は───────────この状況をどうするべきだろう。







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