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ep10.『聖母と道化、その支配人』MC

いよいよ大詰め─────────────ステージ本番まであと5日という時のことだった。


いつものボーリング場で俺達は最後の仕上げと調整を行っていた。


細かな立ち位置の調整と振り付けの再確認、それから軽いMCの練習だ。


せーの、という合図と共に場内に元気な声が響く。


「「「「「皆さんこんにちは!わたし達、“新生スタア☆レモネイド”です!!!!!」」」」」


「えーとですねっ☆わたし達はかつて一世を風靡したアイドルグループを再始動させたものなんですけどっ☆」


まずはセンターの諸星キクコが威勢よくMCを始める。


「会場の中で、あーし達のこと知ってるっつー人がいたらちょっと手を上げてみてくんないかなぁ?」


上野はいつも通りだな。まあそれが持ち味になってるからまあいいんじゃねぇのか?


「はい、1人2人……全部で10人ほどの方が手を挙手して下さってるんですけれども」


佐々木はなんか漫才師みたいなトーク回しだな。まあ、ムードメーカーっていう設定のポジションだからいいのか。


「こんなに沢山の方に見て頂けるなんて感無量ですね♣︎」


小泉はどういうキャラなんだ。キャラ作り失敗してね?そもそもミステリアスキャラってどういう設定なんだよ?


「……それでは聞いてください。わたし達にとって大切な曲、『恋するサマー☆カフェ』です」


水森唯が曲に繋げる台詞で締める。


MCとしては結構いいセン行ってるんじゃねぇか?


「いいじゃねぇか!これならすぐにでも本番行けるんじゃねぇの?」


俺がそう声を掛けるとメンバー全員が満更でもなさそうな表情を浮かべているのが見てとれた。


なんやかんやで皆、自信あるんじゃねぇの?


すると。


諸星キクコが少し真剣な面持ちでこう切り出した。


「ねぇ、みんなにちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど☆───────────────────」


なんだよ、と答えようとした瞬間───────────どこかで電話が鳴った。


俺のスマホだ。


滅多に掛かってくることは無いんだが─────────────────誰だ?

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