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ep10.『聖母と道化、その支配人』お披露目②

「……どうかしら」


いつものように不適な様子で、でも────────────少し照れた様子で佐々木が俺の目の前に立つ。


緑のフリルの付いたステージ衣装。


「すごいな佐々木。見違えたよ。いつもの佐々木じゃないみたいだ」


俺がそう言うと佐々木はふふ、と小さく笑った。


そして。


後ろの方で隠れるようにモジモジしている小泉が視界に入る。


カウンターの中の方で目立たないように気配を消してんだからな。なんか笑えるよ。いつもだったらこんなの絶対ないシチュだろ。


「なんで隠れてんだよセンセェ。ちょっと衣装だけでも見せてよ」


俺がそう言うと、小泉はおずおずとカウンターの中から出てくる。


そこには────────────まるで別人のようなアイドルが立っていた。


紫のストレートロングウィッグはパーティ用の安物ではない。『旧スタアレモネイドのグレープゼリー』の髪の質感や髪留めに至るまで細部も完璧に再現された特注品だった。


(結構、費用が掛かっただろうがそれも水森唯の祖父がなんとかしてくれたんだろう)


ウィッグと紫のステージ衣装を身に付けた小泉は──────────俺の知っているいつもの姿とはまるで違って見えた。


「すごいなセンセェ。本物のアイドルに見えるぜ。なかなか可愛いじゃねぇか」


「……っ!」


俺がそう言うと小泉は恥ずかしくなったのかまたカウンターの中に戻ってしまった。おいおい、そこは堂々としてろよ。


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