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ep10.『聖母と道化、その支配人』公開処刑

4人の稽古は順調に思えた。


前列3人の息ピッタリのダンス、そしてそれに引けを取らない佐々木の動き。


一曲目の『恋する☆サマーカフェ』はほぼ出来上がったと言っても過言ではなかった。


ここまでくれば残りの二曲も上手くいくだろう。


そんな雰囲気が流れているのを全員が実感していた。


しかし。


ここで問題が起こる。


そう。小泉だ。


俺達生徒はHRの後にすぐこのボーリング場に来ることが出来る。


練習時間もたっぷりあるしな。


だけど小泉はそうじゃない。


放課後も業務があるし、美術部が使った後の美術室を掃除して鍵を閉める役割もある。


持ち帰りの仕事だってあるからそう長くレッスンをすることも出来ない。


その上、ダンス経験がある他のメンバーとのスキルの差もある。


そしてとうとう恐れていた事態が訪れた。





5人で通し稽古をやった際に──────────────小泉だけが取り残されているかのような状況になっていた。

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