表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1053/1123

ep10.『聖母と道化、その支配人』約束

なんだよ、なんでこんなポジション発表で一喜一憂してんだよコイツらは。


そんなに大袈裟にリアクションするようなものなのか?


やや面食らいながらも俺は発表を続けた。


「ええと……次。青のポジション、“クール・ブルーハワイ”だが───────────」


水森唯、と名前を告げるとまたしても場内に歓声が響く。静かにリアクションできないものなのか?


「えー!!!水森っちがブルーハワイ!???」


イメージピッタリじゃん!?クールだし!!と上野がオーバーに反応してみせる。


まあ確かに。


水森ってショートカットで長身だし、クールで青系のポジションと言われたら納得するんだよな。イメージに合うし。


「……はい」


当の水森唯本人は静かに答える。


まあな。


イメージにピッタリとは言え─────────────このポジションは不本意だろうな。


複雑な思いを抱えながらも凛とした様子で受け答えする水森唯の様子に俺の心はチクリと痛んだ。


そうだよな。


手放しで喜べる状況なんかじゃない。


その気持ちは痛いほどわかるんだ。


俺は言いたいことは山ほどある。


だけど、その気持ちを飲み込みながら俺は発表を続けた。


「……最後に────────“フレッシュ・レモネイド“。このポジションに───────────」


諸星キクコ、と名を呼んだ瞬間、場内は静まり返った。


「はーい⭐︎」


軽めの返事が場内に響く。


残り三週間と少し。


俺達は無事にステージの幕を開けることが出来るのだろうか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ