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ep10.『聖母と道化、その支配人』始動と指導

「小泉先生が……!?」


水森唯は唖然とした様子でこちらを見つめる。


「小泉っちが入んの!?ウケる(爆笑)(爆笑)(爆笑)」


上野はこの状況を面白がっているようだ。


「ふーん?学校の先生?高校生くらいかと思ったわ」


諸星キクコは最後の加入メンバーである小泉に対しそこまで関心はないように見えた。(あくまでも自分がセンターであることが重要なんだろう)


「……へぇ。なかなか面白い人選ね」


佐々木はやや冷めた視線で小泉を見つめる。佐々木も最後のメンバーが誰であるかはあまり関心がないんだろう。情報収集や人脈作りが佐々木の目的だからな。


「まあとにかく!今から本格的にポジション決めとレッスンに入るぜ!整列!」


俺がパンと手を叩くと場内に音が大きく響いた。


ボウリング場だからな。そういう構造になってるんだろう。


ダラダラとした様子でメンバーが整列する。


なんか全体的にモタモタしてんな。烏合の衆だから仕方ないんだけどさ。


「えー。じゃあ今から俺の一存でメンバーのボジションを発表する────────────」


俺は軽く咳払いしながら皆の前に立ち、勿体ぶったようにこう続けた。(てか、なんかホントにプロデューサーっぽいじゃねぇか)


「まずは……紫。“グレープゼリー”のポジションは─────────小泉センセェにやって貰う」


きゃあ!と場内に歓声が上がる。


「えー(笑)小泉っちがグレープ(笑)なんかかわいー(笑)」


真っ先に反応したのは上野だった。小泉の肩に抱きつきケラケラと笑う。


「……先生が……グレープゼリー……」


水森唯は複雑そうな表情で小泉を見る。


まあそうだよな。


水森唯とその母親とは浅からぬ因縁があるんだ。


そのポジションを小泉が演じ、水森唯もまた同じグループメンバーとして舞台に立つんだ。複雑な感情を抱くのも当然だろう。






メンバーそれぞれの思惑を胸に──────────戦いの火蓋は切って落とされた。




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