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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㊽

悩んだ末に俺と小泉は例のボーリング場に向かった。


恐る恐るドアを開ける。


「遅かったじゃん佐藤っち!!」


上野が満面の笑みで手を振っている。


どうやら、併設されていたカラオケの機械を使って盛り上がっていたようだ。


天井ではミラーボールが回転し、ネオンの照明も点灯してすっかりクラブかパーティのような有様だった。


場内の両壁面には鏡が貼られ、実際より広い空間のように感じられた。まるで貸切のダンスホールみたいだ。


自販機には飲み物がセットされ、コインを入れなくても飲み物が出てくる設定にしてあるようだ。


テーブルの上にはそれぞれの飲み物が置いてあった。エンジョイしてんじゃねぇか。


お前らさてはレッスンする気とかねぇな?


一瞬そう思ったが─────────────冷静に考えたらポジションも何も発表されてない状況で練習もクソもないよな。


「あ、小泉先生。もしかして様子を見に来てくださったんですか」


水森唯が小泉に気付き声を掛ける。


「……え?ああ、それは─────────」


小泉が口を開いた瞬間、佐々木がこちらを刺すような視線で見つめているのに気付く。


マズい。


人手不足過ぎで最終手段で小泉を連れて来たことを見抜かれた!?


水森唯の晴れの舞台なのに────────────俺が真剣にプロデューサー業をやってないとでも思われたんだろうか。(二人はけっこう仲良いからな)


「あ!いや!これはその!!」


小泉の言葉を遮り、俺はこう宣言した。


「センセェは新生スタア☆レモネイドの最後のメンバーだから!!!俺が説得して入って貰うことになったから!!!」













──────────────ボウリング場内に悲鳴と歓声が一斉に響いた。

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