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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㊶

素晴らしい女性─────────────!?


居たっけ、そんな女子?


もう誰も残ってないじゃないか。


俺が困惑していると、ご令嬢は微笑みを絶やさないままこう続けた。


「わたくしは事故の後遺症で激しい運動をすることも、身体を露出するようなお洋服を着ることも出来ませんわ」


「……!!」


そうだった。


どうして忘れていたんだろう。


そうじゃないか。


花園リセは──────────────かつて事故に巻き込まれて怪我を負って──────────────婚約破棄までされてたんだ。


俺はなんてことを言ってしまったんだろう。


しかし。


ご令嬢は俺の後悔を見透かしたかのように穏やかにこう言った。


「小泉先生……でしたかしら。まるで学生のようにお若くて溌剌とした方でしたわね」


彼女でしたらアイドルグループの最後のメンバーとしてふさわしい活躍をして下さるのではないでしょうか、というご令嬢の言葉に俺は衝撃を受けた。


小泉!?


小泉だって!?


そんな馬鹿な。


小泉がそんなことを引き受けてくれる訳ないじゃないか。


確かに、小泉なら巫女やらメイドやらをやってんだから出来なくもなさそうではあるが────────────────


自分の受け持ちのクラスの女子生徒に混ざってアイドル活動をやる教師なんて正気の沙汰じゃない。


無理無理無理!!!!


小泉は絶対にやらないだろう。


そもそも、保護者も居るかもしれない市のイベントのステージに立つなんてどう考えてもマズ過ぎる。


「いやいやいや─────────────」


流石にそれは無理ですよ、と俺がやんわりと言うとご令嬢は満面の笑みを浮かべた。


「……ご心配には及びませんわ。小泉先生は絶対にこのオファーを受けてくださるって、わたくしには解りますの」



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