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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㊳

お手伝いさんに案内されて中庭に行く。


そこにはいつも通りに微笑む花園リセの姿があった。


「……あら、佐藤さん」


どうされましたの、と俺の顔を見て微笑む花園リセはいつもと変わりない。


そうだよな。


いつもと違う時間にここに来たってことは何かあるってことなんだから。


花園リセはそれを解ってるんだ。


「……その、えっと」


花園リセは黙って俺が話し始めるのを待ってくれている。


俺の目の前にティーカップが置かれた。


「今日はフレーバーティーにしてみましたのよ」


お口に合うと良いのですけれど、と花園リセは優雅に微笑んだ。


甘い香りが鼻をくすぐる。


「……あの、えっと……いただきます」


話の切り出し方に悩んだ俺は紅茶を一口飲んだ。


そうでもしないと間が持たないからさ。


口の中にとろけるような甘さが広がる。


「……え!?めっちゃ甘い……!??」


思わずそう口にすると花園リセは楽しそうに微笑みんだ。


「……“チェリーパフェ”って言うんですのよ。このお紅茶」


チェリーパフェ。


確かに、口の中に広がった味は何処かで口にした味に似ていた。


そうだ。


俺はこれを何処かで……


そう。水森唯と一緒に食べた────────────あのパフェだ。


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