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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㊲


「なーんかここ!すっごく楽しいよねっ!!ねっ?佐藤っち!」


上野はテンションMAXを維持したまま、あちこちの写真を撮っている。


まあ、映える写真が貸切状態で撮れるんだ。


こんなに面白いことはないだろうぜ。


「ここ、誰かメンテしてくれてたんだ?冷えたドリンクとかあるし☆」


諸星キクコもハイテンションで瓶のコーラを手に取っている。


ボーリング場が稼働していた時の自販機だろうか。


レトロな佇まいの瓶のドリンクの自動販売機。


水森唯の祖父の部下みたいな人がメンテに来てくれてたんんだろうな。


飲み物は冷えててコインを入れなくても飲み物が出る設定にしてある。


至れり尽くせりといったところなんだろうな。


そう。


これは本当に────────────用意された最上級のレッスン環境なんだろうな。


そういえば、佐々木が追加メンバーになったことを告げていなかったということに気付いた俺は改めて佐々木を紹介した。


「てかさ!佐々木っちもメンバーなの!?ばりテンション上がるし!」


「えー☆この子、メイクしがいがあるー☆素材めっちゃよくない??」


「……まさか佐々木さんが引き受けてくれるなんて───────────」


佐々木の加入を告げたところ、メンバー内で特に反発はない様子だった。(ただ単に佐々木が応援に来てくれたものと思っていたらしい)


まあこれなら大丈夫だろうな。佐々木は上手くやれるタイプだろうし。


俺は特に深く考えず────────────佐々木を置いてその場を後にした。


最後のメンバーを見つけなきゃいけなかったからな。


そう。


スタァ☆レモネイドは五人じゃなきゃ意味ないんだ。


だけど。


他に頼める女子なんて居るか?


撫子もダメだし、八宇さんも人妻だし。天宮烈奈もダメだったし─────────────


ある程度の協調性も無いとダメだよな。集団での行動になるし。


とは言え、俺に女子の知り合いなんてもう残っていないんだ。


かくなる上は最後の手段しかない。


腹を括った俺は──────────花園邸の方角に向かって歩いていた。


意を決してチャイムを鳴らす。


「……どなたでしょうか」


いつものお手伝いさんの声が響く。


「佐藤です」


俺がそう告げると───────────門の扉がガチャリと開いた。




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