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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㊱

俺達が廃ボーリング場に到着すると─────────上野綾と諸星キクコが早速ショート動画を撮影していたところだった。


「ねぇねぇ!公式アカウントまだ作ってないんでしょ?やろーよ☆」


諸星キクコはノリノリな様子だ。


まあ、こういうの好きそうだもんな。


「てか佐藤っち!アイドルってなによ!あーし聞いてないんだけど!」


しまった。上野には言ってなかったよな。


「イベントのステージって言うからさ!カラオケ大会的なやつかと思ってたらアイドルになれだなんて反則っしょ!」


上野は俺の頭を小突く。


しかし、言葉とは裏腹に表情はイキイキとしている。


まあ無理もない。


廃業したボーリング場が丸々自分たちの自由に使える上にアイドルとしてデビューなんてあまりにも非日常過ぎるんだ。


こんな面白いイベント、人生においてそうそう起こるようなもんじゃない。


諸星キクコもテンション爆上がりな様子でボーリング場内をあれこれ撮影している。


「てか、なによこれ!この中の設備って全部使えるワケ?やば☆」


天井には盛り上げ用のミラーボールも付いている。


「……設備のあれこれはまだ生きているようね」


いつの間にか佐々木がフロントにある機器類を弄っていた。


「「「「わっ!!!」」」」


場内の照明が消え、ミラーボールが回り出す。


ムード満点な場内の様子に俺達のテンションはMAXになっていた。


「やばぁ☆☆☆☆めっちゃすごくない?☆」


「あーし、こういうのめっちゃ好き!!エモくない!??」


「……ふふ。機器類も使い放題なんてわくわくするわね。弄りがいがあるわ」


「やべぇな!!!俺、こういうとこで遊んだことねぇし!」


女子三人と俺はこの廃ボーリング場の秘密基地にすっかり夢中になっていた。


「……」


その時の俺達はまだ気付かなかったんだ。








───────────────────肝心の水森唯の表情が暗いことに。










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