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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜㉓

まあその、と概史が申し訳なさそうにこう付け加える。


「えっと……ご当地アイドルプロジェクトっスか?……が、その……もし半年後や1年後にもまだ活動する予定とかあるんだったら話は別ですけど────────」


途中参加の追加メンバー的なポジションならどうにかならなくもないかもしれないっスけどね、という概史の言葉に対し──────────水森唯が一瞬、動揺したたような様子を見せたのを俺は見逃さなかった。


そうか、追加メンバー枠か。


なるほど。物はいいようだな。


なんとなく理解出来た俺はそれ以上は何も言えなかった。


1ヶ月後のステージに立つメンバーすら集められていない現状では先のことなど到底考えられる余地もない。


「いや、悪かったな。急に邪魔してさ」


なんかアイドルになってくれそうな女子がいたら紹介してくれよな、と言い残して俺と水森唯は概史宅を後にした。


さて、撫子を勧誘することが出来なかった以上は次に行かなきゃなんねぇよな。


どうする?


俺だってアイドルをやってくれそうな女子に心当たりなんて全くない。


何しろ、女子の知り合い自体が少なくないか?


彼女もいねぇしモテないんだぜ?


そう都合よく行かんだろう。


「ねぇ。佐藤君──────────」


他に心当たりとかある?と不安げに尋ねる水森唯の声は何処か曇っているように思えた。


そうだよな。


せっかく伝説のご当地アイドルグループを復活させることが出来るかもっていう瀬戸際にきてるんだ。


しかもそれは──────────志半ばで諦めざるを得なかった水森唯の母親の夢でもある。


俺がしっかりしなきゃどうにもならねぇじゃねぇか。


けど。


俺ばっかりが気合いを入れたところでメンバーが集まんなきゃどうにも先に進むことは出来ない。


少し途方に暮れかけていたその時だった。


「……あら?もしかして佐藤君じゃないですか?」


不意に背後から声を掛けられる。


それは─────────────確かに聞き覚えのある声だった。





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