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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜⑱

「……キクコ?お前、何を言って─────────」


流石の御月も狼狽えているように見えた。


「あら!水森さんはいいって言ってくれたわよ?」


どうやら諸星キクコは本気で自分がセンターをやるつもりでいるらしい。


「おい水森。本当にいいのか?」


俺がそう尋ねると水森唯はコクンと頷いた。


「いいわ。メンバーが集まらない限り、ステージの幕は上がらないでしょう?」


少なくともダンススクールの生徒達が[スタァ☆レモネイド]を独占するって事は阻止出来てる訳だし、と水森唯は淡々と言ってのける。


「私がメンバーに入ることが確約しているのであれば───────────誰がセンターであるかはさほど重要じゃないの」


そうなのか?


俺にはその理屈はよくわからないが───────────


本当にこれでいいんだろうか。


「じゃあキマリね☆残りのメンバーはいつ決まるのよ?」


ウキウキしている諸星キクコの横で御月はオロオロしっぱなしだ。


御月は俺に助けを求めるような視線を送ってきている。


いや、俺だって大混乱だよ。どうすんだこれ。


「まあアタシがセンターをやるんだから最高のステージになるわよ☆楽しみにしてなさいよ☆」


諸星キクコは既にアイドルになったかのような表情でこちらに笑顔を見せる。ファンサのつもりか?気が早すぎる。


いや、ファンサなら真横にいる御月にしてやってくれないか?


なんかさっきから顔が真っ青なんだが。


「……そうね」


水森唯はそう言いながら頷くとおもむろに立ち上がった。


「どこ行くんだよ水森?」


俺がそう尋ねると水森唯はこう言い放つ。


「さあ、時間が惜しいわ。三人目のメンバーまで決定したんだからこの調子であと二人を探さないと」


は?


「…って、何も今からじゃなくてもさ……!?」


まるで俺の言葉が耳に入らないかのように水森はスタスタと歩き出した。


おいおいおいおい、最悪に最悪を重ねてないか?










────────────────てか、本当にこの方向性でいいのか?










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