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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜⑮

「どうしたのよ」


珍しいわね、と怪訝そうな表情を浮かべながら諸星キクコが御月の部屋に入って来たのはそれから二十分くらい経ってからだった。


すまんな、と言いながら御月は自分の隣に座布団を敷き諸星キクコを座らせた。


御月はイケメンだからな。ちょっとした所作も全部スマートに見えてしまう。


「あら、アンタ……」


俺の横に居る水森唯に気付いた諸星キクコはこう口にした。


「確か、秋祭りの時に居たわよね。二人ともいつから付き合ってたの?」


あ、いや……と俺はやんわりと否定する。


てかさ、諸星キクコも上野もなんで俺と水森唯が付き合ってることにしたいんだよ?


そもそも本題はそこじゃないからな。まずはどう切り出すか───────────────


そこまで考えて俺は思考を止める。


いや、どうやったって無理があり過ぎる。


急にご当地アイドルのメンバーになってくれだなんてさ。


しかもステージ本番は1ヶ月後と来てる。


正気の沙汰じゃないじゃないか。


俺はチラリと諸星キクコの顔を伺う。


テレビからはDVDのライブ映像がずっと流れていた。


「あら、レイジがアイドルのライブ観てるだなんてどうしたの?」


普段こういうの滅多に観ないでしょ、と諸星キクコが不思議そうな表情を浮かべると────────────御月はいきなりこう宣言する。


「おれは……この[スタァ☆レモネイド]を推すことにしたんだ……!」


箱推しだ、と御月はそう強調した後、大きく首を横に振った。


「いや、違うな……」


御月は諸星キクコの手を取り、ギュッと握るとこう言い放つ。


「キクコがおれの推しだ」


……は?と諸星キクコはポカンとした様子で固まっている。


当然じゃないか。


おいおいおいおい。いくらなんでもこれはナシだろう。


キクコ、と御月は一呼吸置いてこう力強く言った。












「新生[スタァ☆レモネイド]のメンバーの一人に……なってくれないか」


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