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ep10.『聖母と道化、その支配人』スタァ誕生前夜⑪


「佐藤君、誰か心当たりとかある?」


やっぱり来たか、と俺は思った。


まあそうだよな。


話の流れから考えればそうなるよな。


「う〜ん……難くね?」


廃墟のボーリング場にアイドルの卵が集まってステージの稽古ってシチュはエモくはあるんだろうが────────────────


そもそも、こんなクソ田舎でご当地アイドルだのに参加したところでさ、ポジティブな反応よりネガティブな反応の方が多いんじゃないか?


よっぽど自分に自信があるか、周囲を黙らせるくらいのルックスがあるかとかじゃないと厳しいような気がする。


そんなリスクを負ってまでアイドルのメンバーになることを引き受けてくれる人物なんているのか?


しかも複数人、だぜ?


そもそも───────────既に人数にカウントされちまってる上野綾だって怪しいもんだ。


本当のことを知れば辞退するって可能性の方が高いんじゃないか?


前途多難過ぎる状況に俺は頭を抱えた。


「誰か……いないかしらね」


人前に出ることを厭わないような子だとなお良いんだけど、と水森唯は呟く。


「うーん……全く心当たりが無いって訳じゃないけど────────」


俺がそう切り出すと水森唯は目の色を変える。


「……え!?それは本当なの、佐藤君!?」


まあ、あんま期待しないで欲しいんだけど、となんとなく濁しながらも俺は水森唯にこう尋ねた。


「それよりさ、水森の母ちゃんの現役時代のDVD、持って来てくれたか?」


ええ、勿論、と水森唯はスクールバッグからいくつかのケースを取り出してみせた。


ふむ、と俺は勿体ぶって頷く。


「じゃあ今からちょっとついて来て欲しい場所があるんだけど」


俺と水森が向かった場所。










そこは───────────御月レイジの住む水子供養寺だった。






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