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始まりは果実をかじってから  作者: 木森林檎
3/3

お祭りは目を覚ましてから

どうも木森林檎です。

今回の話はなかなかごっちゃになって読みずらい、よくわかんないという方が多く出られると思います。しかしそこは主人公の幸歳が1番そうなので広い心で読んでもらえると嬉しいです。

花神幸歳、17歳。身長166cm、体重57kg。

あ?身長が低いですね?うっせー死ね。死んでしまえ。うぅ……

……んで、現在の俺の状況、屈強なおっちゃんにおぶられてる。

そいじゃあ、本編スタート




「本当に感謝してもしきれないぜ、幸歳」

「全くだ。もう少しでうちの村が全滅するところだったよ」

ガッハッハッと大声で笑うおっちゃん方

「はぁ……」


近づいてきていたあの足音はこのムキムキなおっちゃん達のものだったみたい(前回のラストのあれ)で聞こえていた金属の音はおっちゃんが持っていた猟銃の音だった

おっちゃん達は俺が森の中で華美ちゃんの太ももを堪能していた頃、村におりてきた熊を撃退したらしいんだけど、森に華美ちゃんが1人でいると知って慌てて追ってきたらしい。


そいで華美ちゃんの知り合いと知った俺は安心したのかガタがきたのかぶっ倒れちまって。今はごついおっちゃん、紹介しよう。モヒカンの厳鉄(がんてつ)おじさん。の方におぶってもらっている。ちなみに猟銃を持っているぶっといおっちゃんが松永のおっちゃん。ガタイの割に軽快な動きを見せてくれる(さっき謎の踊りを見せてもらった)。

まあ、ここまでは状況説明って感じだろう。


「あのー、これ今どこに向かってるんですか?」

「うちの村だよ」

「村……」

「あ、幸歳幸歳、帰る場所、ないでしょう?うちの村で暮らしませんか?」

「おぉ!そりゃあいいぜ。今やうちの村の守護神だよしな!うちの御神体のない神社に祀られてくれよ!」

「え、俺神社暮しですか?」

撫子(なでこ)、神様になっちゃったよ。……いや、ちゃうちゃう


「ていうか、村の守護神って……。神様になれるほどのことはしてませんよ」

華美ちゃんが倒れてる俺に構ってなければ熊と遭遇することもなかっただろうし。

「いや、してんだよ」

「私には兄がいるんですが、その兄が重度のシスコンで」

「ちょうど昨日旅に出たんだが、出発際に『華美に何かあったらお前らぶっ殺すからな』って言って行ってな。ほんとにしかねん男だから。あいつは」

恐ろしい兄貴だな。

「この森は結構今みたいに結構な数の野生動物がいてな。そもそも華美ちゃん1人で実を取りに行かせてしまったのが悪かったんだ」

「大変ですね……」

華美ちゃんもだけど


「うちの村の男は指1本華美ちゃんに触れちゃいけないんだよ。触ったら最後。もう二度とお天道様をお目にかかることはできなくなっちまう」

「だから俺が握手を求めた時一瞬戸惑ったのか」

「はい、でもまああの鬱陶しい馬鹿兄はもういませんでしたので」

「おぉ、知らなかったとはいえ華美ちゃんと握手だなんてすげーよ。兄貴の信人(のぶと)ですらもう数年触れてないからな」

「あの人女の人に耐性ありませんからね。こっちからも触らせませんでしたし」

なんか凄い人だな信人お兄さん。てか、妹相手にも耐性ないなんですね。


「まあ、御神体と馬鹿兄の件は置いておいて。うちの村で暮らしませんか?幸歳」

「確かに帰るところどころか寝るとこすら確保できる自信ないからなー。魅力的な提案ではあるが俺が暮らしても大丈夫なのか?」

それに俺なかなか人見知りなんだし。なかなかと言っても人並みだとは思うけども……。


「その件なら、今日の宴会で頼めんだらどうだい」

「宴会?」

「あぁ、今日はこっちの暦で1月1日だからな。新年の祭りだ」

「へー、今日が正月なんですね」

俺がいた世界は多分11月の下旬だったから大体1ヶ月の誤差だな。あ、だから俺の年齢が前回の自己紹介から1歳上がってるわけね。誕生日12月8日。


「そういえば。私、木の実、持ってくるの忘れました」

「あ」

俺が食ったんだ……


「あぁ、そういえば幸歳が食ったんだけか」

「はい、すみません……」

「謝ることはないさ。元々あの実は神社に祀るつもりだったんだし。神様が降臨なさったと思えばいいんだよ」

「それじゃあ俺本当に御神体なわけなんですね……」

嫌だな……。プロローグ入れて第3話で神様なんて。どこのなろう系主人公だよ。


「まあ、いいさ。取り敢えずもうすぐ村に着くぜ。ほらあそこ」


話をしているうちに大きな漁村が見えてきた。海岸には木造の船が10数隻、家屋はパッと見数十軒。男性人口の方が多く見えた。あれ、子供はいないな……。


「幸歳?」

「おお、すまん。実の能力で村の様子見てた」

「あぁ、なるほど。気分の方は大丈夫ですか?」

「うん、だいぶ慣れてきたみたい」

「でもまだあまり乱用しないでくださいね。視力だとかは脳にも負荷がかかってくると思うので」

「うん。ありがとう」


「ただいま帰りましたー」

華美ちゃんが挨拶をして関所の門をくぐり村に入ると

「おぉ!華美ちゃん無事だったのかい!」

「心配したんだよ!」

「よかったよかった。助かったよ」

「いやいや、よかったよかった」

「いやー、これで一安心やな!」

と、一瞬で華美ちゃん御一行は囲まれた。


村人達は別に全員がガチムチのおっちゃん達とという訳ではないみたいだった。確かにほとんどの人がおれよりも年は30、40は離れてそうだったけど。痩せ型の人もいたし小柄な人もいた。


「この花神幸歳が華美ちゃんの命を救ったんだぜ」

厳鉄のおっちゃんがざっくりと、ごく簡単に説明とも言えないような説明、むしろ紹介をしてくれた。すると歓声が上がる上がる

「助かったぜ幸歳君!」

「華美ちゃんを助けてくれてありがとう!」

「ありがとう!」

「どうかうちの守護神に!」

「よかったわね華美ちゃん!いい人見つけれて!」

「本当にありがとう!」

割れんばかりの歓声。悪くない。が、恥ずい。てか本当、多分俺のせいで巻き込まれてたと思うからそんなにおだてないでください……。マッチポンプですよ。


「く、草澤のおばちゃん!今どさくさに紛れてなんて言いました!?」

「ごめんなさいね、いやー、無事で良かったわ」

「はぐらかさないでください!」

声を荒らげる華美ちゃん。一体なんと言われたのだろう、顔が真っ赤やぜ。


「あ、えっと花神幸歳です。よろしくお願いします」

上手くできたかは分からんが笑顔で挨拶をした。オンザおっちゃんず背中で。

『よろしく!幸歳君』

また歓声がドッと上がると一安心だ、と思ったのであろうか。俺は厳鉄のおっちゃんに背負われたまま意識を失った。







まあ、別にこの優しそうな村人達が実は悪い人達でおれに毒を盛ったとか、殴って気絶させられたとか、そういうのではなく。

なんの前触れもなく俺は気絶した。なんでだろう。いや、てかあんだけ体を酷使したのに意識が保ってた方がおかしかったのかもしれん。それに視力を使ったのもあるのかも。脳に負担がかかってたんでしょう。


で、気づけばまた俺の頭は太ももの上にあった。

「あ、幸歳。おはようございます。気分はどうですか?」

「おはよう、華美ちゃん。気分は最高だよ」

「それは良かった」

笑顔で答える華美ちゃん。

「だいぶ暗いね……もう夜?」

「はい、幸歳が気を失ってもう4時間も経ったんですよ。ほんとは村の案内をしようと思ったんですが。そ、その、2人で……」

「そんなにきー失ってたんかー。それに惜しいことしたな。村の案内してもらいたかったよ」

まあ、確かにあんな大勢に囲まれた状態で案内されても困るからな。そこに関してはナイス気絶、ビバ失神。と言ったところであろう。

「それじゃあ、行きましょう。村のみんなも待っていますよ」

「ん?どこに?」

「会場ですよ。お祭りの」

「あぁ、お祭りのか」


「今日は村人全員が揃う大切な日ですからね。幸歳も……その、今日からその大切……のひとつですよ」

「それはいいな。大切って響き。あ、村長さんに挨拶しないとだな」

「そうですね」

「そっか、じゃあ案内お願いするわ」

と俺は名残惜しくも愛しの太ももを離れた。



華美ちゃんに連れられた俺は巨大な木造建築物に入った。

ここまで連れてこられるまでの間極力下を向いて歩かされた。明日しっかり案内するからお楽しみを取っておいてほしとのことだ。まあ他ならぬ華美ちゃんの頼みだ。聞かねぇ訳にはいかねぇ。


中に入ると再び歓声

「おぉ、おせぇぞ幸歳。どんだけ寝てんだよ」

「すみません、厳鉄のおっちゃん」


「来たぜ、今回の主役!」

「おぉ、彼があの……」

「体の方はどうだ!」

「やっと来たぜ」

「華美ちゃん、ほんと……いい男貰ったわね」

「おう!こっち来いよ」

「大丈夫だったか小僧!」

ともうしっちゃかめっちゃか声を浴びせられた。

だがまあ全員が歓迎してるようにも感じられたので取り敢えず気まずいながらも流されるまま宴会の席に着いた。うん。やっぱ恥ずい。

「草澤のおばちゃん、本当にやめてください」

隣に座った華美ちゃんはまたしても俺の聞こえていない声(cv:草澤のおばあちゃん)に反応していた。いやー、なんだろ気になる。

「あら、嫌だった?」

「いえ、そういう訳では……」


「あれ、お父さんはまだ来てないんですか?」

「お父さん?」

「えぇ、あ、村長のことです。と言っても実の父では無いんですよ。この村の子供は全員村長の子供みたいなものなんです。と言ってもうちには兄を入れても4人しかいませんでしたけど」

「あぁ、お頭ならもう少しで帰ってくるぜ。さっき忘れもんしたって言って出てったからよ」

えー、なんか緊張すんな。お父さんに挨拶って。もう少し後のイベントじゃねーかそれ。


いやー、にしてもここ凄い広いな。村人が全員集まる、みたいなこと言ってたけど村の中にも人は全然いなかったし、多分ほんとに村の人全員で飯を食うのか。んー、パッと見男女比が海と陸だな。

と、思っていたりすると


バァンッ!


「すまねぇ、待たせた」

襖を開けた男性。に、対してガチムチのスキンヘッドの集団がいっせいに立ち上がり

「お疲れ様です、お頭!」

と頭を下げた

「よせよせお前ら、さっきもしただろう。俺は忘れもん取りに行っただけだからよ」

といい男達を座るよう促した。


その男性は俺の真ん前までやってきてあぐらではなく正座をして

「この度はうちの大切な家族を守ってくれたことを心より感謝致す」

と深々と頭を下げた。つまり、そう。土下座をされたわけだ。

「あ、あぇ、いえ」

「お父さん、いきなり頭なんか下げたら幸歳驚いちゃいますよ」

「そうだな。すまない」

と言って顔を上げた。サンキュー華美ちゃん、超助かった。

男性の来ている甚平(じんべい)?というか(はかま)というか。着ている服には見た事のある家紋が描かれていた。いや、似た家紋を知っているというか。蝶の家紋。蝶の背景には(いかり)が描かれている。


「俺の名は平知盛(たいらのとももり)だ。」


「た、平……知盛……」

突然のカミングアウト。頭真っ白さ。

平知盛って……あの壇ノ浦で錨を抱えて沈んだって言う、あの平知盛?

「いきなり頭を下げてすまんかったな」

「い、いえ、大丈夫ですよ。でもその平知盛って」

正直頭が回らないな。平知盛……。え、生きてたの?

「お前の知っている平知盛であってるがなんで生きてるのか気になるだろう、まあ、俺もよく分からんが俺もお前のようにこっちに転生してきたうちの一人って訳だ。もうそれこそ1000年くらい前だがよ。それに転生って言い方は最近知った」

「は、はぁ」

「今はここで漁船の船長と村長を任されている」

「は、はぁ」

流石知盛公。理解をこえてやがる。


「お父さん、幸歳、今住む家がないんです。それで、この村で暮らしてもらいと思っているのですが」

フリーズしかけた俺の横から華美ちゃんのアシスト。

「もちろんだ。断る理由もない。これからの生活は全く心配しなくていい」

「あ、ありがとうございます」

「家は昨日建った新築に住んでくれ。華美、後で案内してやってくれ」

「あ、はい」

「まあ、取り敢えずはこの村に慣れてくれるといいさ。みんな良い奴さ」

「はい」



「んじゃあ、お前ら話が長くなって悪かったな。よし、手にグラスを持て!」

俺は周りの大人たちと違う色の液体が注がれたコップを手に持ち掲げる

「新しい家族と、新しい年に!乾杯!」

『乾杯!』








「ここが私達の新しい家です」

「華美ちゃん。私達の、って言った?」

「はい」

5時間ほどに渡る飲み会と花神幸歳質問コーナーの後、我々未成年組は終始炭酸飲料だっから酔うことも無く(この世界にも炭酸飲料がある。普通に)我々は帰路についていた。というかつき終わった。帰路の終着点。自宅に着いたわけだが。

「お兄ちゃんが家から出る時、壊しちゃったんです。家を」

「ほう」

この世界で普通なのだろうか

「それで新しい家を建てて貰ったんです、ふぁぁぁ」

「はは、取り敢えず今日のところは風呂はいって寝ようか」

「はい、お風呂と部屋の場所を教えますので……着替えは…貰ってきたので。ふぁあ」

という感じで、日をまたいで今日が終わって始まった。


にしても唐突に始まったな同棲生活。ラブコメかよ。少年誌でも最近そんなのねーよ(読んでないから知らんがよ)


まあ、そんなこんなで、今回はここまで。最後まで読んでくれてありがとう。






じゃあ、暇ならまたあした。おやすみ。



ご精読ありがとうございました。

今回の話はなかなかに情報量が多いしキャラが沢山追加されたので読みずらくなっていたと思います。自分の文章力、表現力が向上していくのにつれ添削修正を行っていきたいと思っております。

次話も読んでもらえると嬉しいです。

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