第99話:一歩の探索・炎の要塞ファイテンラスク領域
守護者達は全てレイムに任せると言ってくれた。
そして魔王とともにファイテンラスク領域に向かった。
炎の要塞ファイテンラスクは光の国からずっと西に向かった所にある。
炎の要塞と言われているが首都以外は緑が溢れていて、冒険者や訪れる人達は必ず迷う森林地帯だ。
その森林地帯だからほぼ情報がなく、管理できていない……。まぁ世界を隅々まで管理することは神でもめんどくさいと言うだろう。
そしてその森林地帯には平面だけではなく首都と領域入り口の丁度真ん中にそびえ立つ横に長く高い山だ…まるで壁だね…その地下にはドワーフが独自で作り、それを売っている地下都市があるらしい…まずはそこに行って見ようという話しになった。
メンバーはレイム、ロナ、ソージ、ソピア、サリア、レジナインだ…。
一人加わるだけでこんなに異様なメンツになるとは…。
「見た目はふざけているお姉さんなのに、中身は天才とか…」とソピアとサリアがレジナインを見た途端興味深々だった。
「あぁ…女は見た目もいいが、中身だよね~」とこんな会話がディスラクシェントからファイテンラスクの森林地帯まで続いていた。
ここまではレジナインのおかげで一瞬にして来ることができた。
「さぁ、レイム先導を…」
「何で、私が…」
と言うわけで、無理やりレイムが先導でトゥルク山に向かった。
迷いやすいのでレジナインが光の線で山までの方角を示してくれた。
領域内は首都つまり神が住まう聖域に侵入するものを拒むためだと言う…。
「領域内は私は苦手だ…その神の力が領域内に漂っているからだ…」レジナインはそう呟いた。
種族は領域内で生まれ、外に出ていく…種族の総本山である地元と言うのか…ほぼ領域に存在する。
ディスラクシェント領域の外は森林に囲まれているだけだ…。
領域内では漆黒の森に国を築いている機人種…海沿いの高き山には龍が住み、城の周りにいる敵を焼き尽くす…そして外に出ることは許されていない…他種族のようにはいかない…。
「私は、その機人種のことも研究したいと思っていた…あれと同じようなものを作ったが全然だ…やっぱりあれは神にしか造れないのだろうか…」とレジナインは悩みを話したが…レイム達にはついていけなかった。
「さぁ、本題に入ろう…前からなんだがこの大陸全体の町で人が何人か消えたという情報が私が上で飛んでいる時微かに聞こえてきたんだが…君らはなんか聞いていないか…消えた人の町は領域外だ…」この件に対してないが目的なのかが最大の謎となる。
謎の者が領域内に潜んでいることは可能性はないとは限らない…。
「何人も人が失踪しているということは、労働力を増やすためとは…最初に頭に浮かぶのはそれしかないんだが…」とレジナインは呟いた。
「じゃあ地底で何か作っていることだよね…」ソピアは発言した。
「まぁ。それが一番の可能性だ…だからつまりその施設にこれから行くんだが…まぁ、予想だが…」
するとレジナインはふと立ち止まり、いつも手に持っている機械のようなものを見つめた。
「んっ、どうしたの…」とレイムは問いかけた。
レジナインは少し難しい表情をしてこちらに言った。
「まずい、まさかもう気付かれたのか…数十人の影がこちらに向かっている距離は30キロメートル、だけどこのまま行くと囲まれる、および回り込もうとしても距離が短すぎるからすぐ見つかってしまう…」とレジナインは機械を上に上げ、この周辺の地図を展開した。
地図上には青い点が6つ、赤い点が20コの点が記されていた。
「これが、今の私達の立ち位置と相手の今の位置だ…今現在順調にこちらに向かっている…何かわかるものがあるのか今は不明だがこうなっては仕方ない…」とレジナインは手に持っている機械を浮かせ一回ポンと押した。
すると浮遊する画面が現れ、あらゆる文字が流れ始めた。
「じゃあ、私が作戦を立てた。ここで全員捕まると今回の計画が失敗に終わってしまう可能性がある…それで私は思ったのだが破壊大司教が破壊の神の力を持っているということは破壊の力の場所が分かっているのかもしれない…というわけで私とレイムで捕まるとするから君達は恐らく位置を知られていないから後を追い侵入してくれ…」とレジナインはそう言い、目をソージ達に向けた。
「わかった。任せとけ…相手に見つからないようにするよ…」とソージ達はレイムとロナとレジナインから離れて遠くから監視し潜入を開始した。
「よし、もう少しで向こうを見れば視界に入るぞ…」とレジナインはその方向に指を向けた。
「ロナ…君もだよ。ソージ達について行くんだ…」とレイムはロナにソージ達の方向を指さしそう言った。
するとロナは気付かれていたのかと思うように驚きの表情を見せ、「わかりました…了解です…」とシクシクソージ達の方へ歩いて行った。
「あと…この世界で最強と言われても、この世界での話だ。私は別の世界だが全て繋がっていると思う……もし、未来が見えるとしたら我々全員が消滅してもあなたはその先を一人で進むことになっても、その覚悟はできていますか…選ばれし者…」とレジナインは突然雰囲気を変えて語り掛けた。
「つまり、その力はある一線を越えたらもう使い物にならないだろう…」とレジナインはそう言い、スット両手を手を上げた。
天才の考えることはわからない…凡人には………未来が見えるなんて……そんなことは想像もつかないだろう…。
レイムは前を見ると黒い防具に身を包み、銃を構えていた。
それを見て、レイムも手を上げた。
そして二人は何の抵抗をせず、連行された。
この人数ということは破壊の力が何かで位置がわかり、そしてその正体が破壊の神と予想していたのか…とレジナインは相手のことを調査することにした。
一方レイムは無表情で歩いていた。
まぁ、普通はそうか…でもこれではっきりした今から向かうのは破壊大司教の施設へと行くのか…私達はいいが、ソージ達は無事に付けるのか…。
「ねぇねぇ…ソー兄…あれが破壊大司教の…」とソピアは望遠鏡でレイム達を見ていた。
「かもしれないな…このまま距離をとって、入り口に入るぞ…物音を立てるな…」これがフラグにならなければいいが…。
「わかってるって…」とソピアはいつの間にかサリアの上に乗っていた。
ソピアは金髪だからすぐにわかると思うんだけど…、と少し心配しつつもレイム達とソージ達は着実に進んで行った。
そしてだいぶ歩き、大地の壁と言われているトゥルク山の壁が見えた。
その壁には人口の入り口が銀で加工されていた。
セキュリティは厚いようだな…こんなのが破壊大司教につくれたのは…。
レジナインはその科学力に驚いていた。
そしてパスワードを兵士は撃ち、大きな入り口がゆっくりと開き、兵士の誘導で中にレイムとレジナインは入り、扉は閉まった。
これは、モノレールか…。これはレジナインの浮遊するネットワークで一つの移動手段である乗り物と同じだった。
完全に同じだ…まさか誰か裏切り者が…。
レイムとレジナインは兵士とともにモノレールに乗り、地底へと向かっていった。




