第95話:地下の行く末
こんなことがあってたまるか…俺はこの力を手に入れた時…世界を支配できると思った。
……だけど…………間違いだった。
ペラーは城の外で瓦礫に埋もれていた。
そしてゆっくり起き上がった。
体の半分以上にダメージを負っていて、もう回復などその力はなかった。
前見た時は形あった町だが、もう跡形もなく地平線だった。
「んっ…あれは…」ペラーは地平線で一人歩く影を見た。
「2代目紅蓮の魔王デュラベル……これ以上…計画の邪魔をさせない…俺はあの方の計画を守る者…」 すると黒い煙がペラーの周りに現れた。
「紅蓮の魔王…まだ懲りないで計画の邪魔を…」一瞬でデュラベルの背後に移動した。
ペラーの中には怒りでいっぱいだった。
「道化がそれはこっちのセリフだ…」デュラベルは剣を展開した。
「まさか…魔王如きがあの方に反逆して計画を…お前は死の一族でもなんでもない…そんなお前がなんで魔王になれたと思う…魔王というものは死の一族しか継承していけないのに…つまりそれだけ最強と言われた紅蓮の魔王が実は弱かったということだよぉぉぉぉっ!そして今の俺にはお前を簡単に殺せる力を持っている!…ここで死ねぇぇぇっ、デュラベルぅぅぅっ!」
ペラーは黒い棒を取り出し、デュラベルは剣を構え、2人は衝突した。
頭の中に黒い塊として流れてきたのは…破壊と闇の覚醒者の記憶の一部だった。
私はお母さんと二人で暮らしていた。
お父さんはあるものを作ると言って2年前に家を出てった。
そして1年後お母さんが死んだ…。
私はあの城へ雇われた…だが現実はそうはいかなかった。
その仕事は奴隷のような仕事だった。
女は男につかえてた。
最初は身の回りのことをやっていたが、夜になると…。
それがもう耐えられず私は終わった後逃げ出した…だがすぐに捕まってしまった。
そしてそこの男達の中で一番残酷な趣味の男の所に連れていかれた。
そこは…地下深くにあり、私は硬い椅子に座らせられ、拘束され…そして地獄の日々が続いた。
「あぁぁぁぁぁっ!…やめてぇ!やめてぇ!…あぁぁぁぁぁっ!」一日中拷問が続いた。
その空間には女性の甲高い声が響き渡っていた。
拷問を終えた男が別の男と話していた。
「なぁ、知ってるか…破壊大司教のあともう一つの力が採掘所から見つかったらしいだけどよぉ…破壊の影さんはそのことを上に報告する気はないらしいぜぇ…」
「おい、まじかよ…この島はどうなっちまうんかなぁ…」
会話を終え、男は拷問を再開した。
体中に針を突き刺し…炙り…縛り…そして7日が経った。
その日、大きな地震が城全体を襲った。
この城は古く、真っ二つに亀裂が入った。
そして最上階の破壊大司教の一人の部屋にあった…宝石箱に入っていた黒い結晶が亀裂に入り、この地下まで落ちていった。
男達は地下が崩壊するのを予想し、逃げていった。
私はそのまま椅子に縛り付けられていた。
そして上の天井が落ちてきた。
椅子は壊れ、解放はされたが下半身は瓦礫の下だ…。
すると私の目の前に一つの黒い結晶が落ちてきた。
「これが…破壊の一つの力…」私は無意識にその結晶を手に取った。
そして口に入れ、噛んだ。
自分の中に破壊の力が宿った。
そして自分の加奈から幾千もの破壊の手が島全体に流れ、生物を消していった。
そのことにより私の中にもう一つ闇が宿った。
と、レイムの中に流れた。
すると体に突き刺さったがまだ息があった。
「私の…邪魔をするなぁぁぁっ!」
その瞬間、レイムの周囲に破壊の手が現れ、その手から尖ったものが付いた鎖がレイムの体に何個も貫いた。
「がはっ…」レイムは血を吐いた。
「レイム様ぁぁぁぁっ…」ロナは叫んだ。
そしてレイムの視界がぼやけてきた。
するとレイムの中から純白の光が差してきた。
その時、レイムの中からなのか…別のレイムが重なったように白い少女が重なりを乱した。
そして女性に近づき、レイムの黒い剣とは違い白い剣を手に持った。
白いレイムはその白い剣を女性の胸を突き刺した。
誰っ………。
その瞬間、破壊の手とその女性が純白の光とともに消滅した。
そしてレイムと黒い結晶が地面に落ちた…。
「レイムゥゥゥゥッ!」ロナ達はレイムの元に駆け寄った。
その頃、城の外では…。
「あっ…がっ……」ペラーはデュラベルの胸を突き刺していた。
「これで、お前は終わりだ…紅蓮の魔王………」
そしてデュラベルはその場に倒れた。
そして浮遊する城の玉座に座る大魔王のエマはデュラベルが死んだ瞬間、自分の中に痛みが走った。
「少し出てくる…すぐ戻ってくる…」そう言い、エマは島へ向かった。
「アァァァァァァッッハハハハハハハハ………俺は……こんなに強い!………」ペラーはそう言い…勝利に浸っていた。
そこに物凄い勢いに空から落ちてきて、地面にクレーターができた。
「お前……何をしている………」そう少女の声だが、恐ろしい感じが走った。
エマは黄金に輝く杖を持ち、赤いマントと王冠をのせていた。
その姿を見た、ペラーは一瞬にして全体に寒さを感じた。
「それは、予想していなかった…」額に汗ができた。
「よ~く~もぉぉぉぉっ!………死の裏切り者がぁぁぁっ!………」エマの周りに赤い波動が広がった。
殺されたことを思い、エマの中で怒りとなった紅蓮が溢れだしていた……。




