第94話:破壊と闇の覚醒者
だが破壊の手は使う者は敵を一掃できるけど相手からしては上、下、右、左、どこからでも現れ、そして目に届く範囲からその向こうまで手は伸び、破壊をする…。
手の数は無数だ……。
広範囲で言ったら破壊の世界の次…攻撃力で言ったら物理最強…。
破壊の神の6つのうちの力となると相手にするには少々苦戦するかもしれない…。
「みんな!方向全てに気を付けて!…」レイムは一人で奴に走っていった。
レイムは破壊の翼を展開すれば、奴でも目に追えない速さで近づけるだろう。
「ソージ達は向かってくる手をどうにか防いで!ロナが言うのもなんだけど破壊の力は光属性が弱点だから…神器を展開して戦って…」ロナはレイムのアシストだ…レイムが奴に近づけるようにする気だ。
ソージ達は近づきすぎたら必ずやられてしまう。
今回の戦闘配置は後ろにソージ達、真ん中にロナ、そして前と攻撃を加えるのがレイムだ…。
さて…一番手っ取り早いのは誰でもわかるコアを狙うんだ…。
つまり使用者…翼を展開してるから目で追えないと信じよう……そしてコアがむき出しにならないと、この剣の本気だったら…破壊の手…いやどんなものでも斬れる…。
だけど今の私にはその力…破壊の神本来の力がまた…。
だからまずは破壊の手を一本一本消していかないと…。
「レイムは確実に奴を狙うのか…」
「じゃあ、やりやすく奴をあの手から…」ソピアはレイムとロナが考えていることを言った。
「私達が活躍する見せ所だ…」サリアは向かってくる手を神器の氷で防いだ。
ソージとソピアは剣を抜いた。
「そうだな…破壊は光が弱点だ…」とソージは剣を破壊の手に向けた。
「それってつまり破壊は光が弱点だけど、反対に光は破壊が弱点…」
するとロナがこちらに走ってきた。
「そう…ソピアならわかると思ったよ…その通り、だからソージ達も気を付けてね…」
ロナは作戦を話さず突っ込んでいったからと変わりに作戦を教えてくれた。
「ソージ達は破壊の手を一本一本消してもらう…それだけだけど破壊の手はどこからも現れるから注意は怠らない様に…」とロナは防御魔法をソージ達にかけた。
「わかった任せろ…俺達がサポートしてみせる!」
ロナはソージ達は向かってくる手は近距離で、そして奴を囲む手を神器で攻撃を与えてくれと言った。
「あと、一つ言いたいことが…恐らくだが、あの変な感じ…奴は破壊と闇の覚醒者だ…」世界では珍しいケースだと言った。
今まで見たことがないと言った。
闇に染まり、破壊の力を手にしたのか…破壊の力を手に入れ、闇に染まったのか…。
レイムは破壊の翼で周りを移動しながら向かってくる破壊の手を削いでいた。
ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!
だけど一向にコアが見えない…。
糞っ!厚すぎる!………。
「これは、筋肉痛になりそう…」削ぎきれない…。
破壊の手自体は破壊の力で出来ている…この手を斬れるのは同じものでできたこの剣とあとは光属性の武器だけ…いや…。
「ソージら破壊の手をどけてくれ…」ロナは破壊の力でレイムと一緒に破壊の手を削いでいた。
「行くぞぉぉぉっ」ソージ達は神器を展開し、攻撃した。
無属性のソージとソピアの神器は光を放ち、斬撃を放った。
破壊の手には効いていた。
いいぞ…これなら…だけど再生が速すぎる…。
斬っても、斬っても、コアが見えない。
「ソージら、矢無負えないロナが魔力を流すから神器を解放して技を…」ロナはそう言い、ソージ達に自分の魔力を流した。
破壊と闇の覚醒者ならそれくらいの攻撃じゃあないとあの厚い破壊の手は破れない…。
このままではいつになったって勝負はつかない。
「ソピア!サリア!…やるしかない…」3人は目を合わせ、覚悟を決めた。
あの時は初めて神器解放を使ったからだ…。
今のソージ達だったら巨大なパワーを出せる。
ソージ達はその武器を掲げた。
この一撃をレイムにっ!
そして「神器解放!」と3人同時に言った。
まず、サリアの氷が空間の壁や床を凍らせた…そしてソージとソピアの剣が、サリアの弓と矢が光り出した。
2つの剣は鱗のようなものが光を発し、剣に集まってきた。
この剣もリソースは龍だ…。
左右で翼の形になった。
そして剣先に光が集まってきた。
弓は氷と光を組み合わせ更に強力な光になった。
すると突き出た氷の一つ一つに光が通り、全てに光が宿った。
そして空間全体に光が溢れ、目を開けていられないほど強くなっていった。
すると破壊の手の動きが一瞬止まり、ソージ達の方へ向かった。
「今だ!」ソージはそう叫び…3つの光が無数の破壊の手に向かって放たれ、光と破壊の手は衝突した。
その衝撃は凄まじく、どっちも引かなかった。
だが、破壊の手が一瞬下がった瞬間、破壊の手は次々と消滅していった。
そして、全て消滅していき、光がコアにぶつかり、止まり、消滅した。
光が治まり、コアらしきものが見えた。
あれだ…。
そこには女性がいた。
「レイム様ぁぁぁっ!」ロナは見えた瞬間叫んだ。
任してっ!
「てぁぁぁぁぁっ!」それに向けて剣を突き立てた。
グシュッ!
そしてその心臓を貫いた…。
相手には恐らく見えていなかったと思う。
その瞬間、レイムの中に何かが飛び込んできた。
それは……。




