第91話:殺戮クラウン
「私はペラー…前職はサーカス団に所属していました…世は死の一族と呼んでいる者です…」と華麗に頭を下げた。
「まさか…そんなあんたがなんで破壊大司教にそんなことは…やっぱりお前は裏切り者…魔王が見逃すとは思えないけど…」
だがペラーはニヤリと笑った。
「だから、魔王でも敗れるこの力を手に入れようとしたんだ!……この力を!…」とペラーは両手を広げ、敵はいない!と言っている。
死の一族の裏切りなんて……やはりと言うべきか………。
「だけど、その力は私には通用しない…」
「それはどうかな…まだ目覚めていない力なら…使用した者しかわからない……」
すると空間全体が揺れ、動き出した。
破壊の影だ!……。
「私の地下の世界を返してもらうぞ…」レイムは破壊の翼を展開した。
「とれるものならなぁ…」
そしてお互いに睨み合い、同時に地面を蹴り武器を相手に向けた。
「はぁぁぁぁっ!」思いっきり剣を振った瞬間、黒い斬撃がペラーに向けた放たれた。
だがペラーの手前で壁にぶつかったようなモーションで消えていった。
空間を操れるから自分の目の前にも壁を作ることができるのか…。
これじゃあ攻撃を与えることが……でも壁なら破れる可能性が私にはある…。
レイムは次にペラーに接近した。
そして剣先を突き立てた。
その瞬間、パリンとガラスが割れたかのような音とおもに壁が破れた。
すると壁と天井がレイムに迫ってきた。
「空間の壁が…」もうこの状態になったら壁なんてないのと同じ…。
「破壊してやるぅ!」
レイムは周りを破壊の翼で囲んだ。
そして思いっきり幾千の黒い羽を外へ押した。
壁と天井がバラバラになり、レイムはパラーに向けて剣を振り、斬撃を放った。
あと数メートルの所で全体の空間がパッと消え、周りが暗くなった。
どこだ…この真っ暗な空間も破壊の影…。
するとペラーが古びたカメラを構え、こっちへ歩いてきた。
あの時と同じカメラ!…。
「まずいっ!」そのカメラを視界に入れた瞬間、足を踏み出し剣を当てようと振り上げた。
その瞬間、カメラのフラッシュがレイムを襲った。
「私と接近戦は永遠に無理です…このカメラがある限り…」ペラーは短剣を取り出し、目に見えない速さでレイムの体を斬り刻んだ。
後ろへ歩き、フィルムを切った瞬間、レイムはその場にバタンと倒れた。
そして初めてはっきりと赤い血が地面に流れた。
糞っ………。
そして破壊の影の外ではロナとソージ達が城の中を逃げ回っていた。
「ロナ!あいつら倒しても倒しても減らないし、それかどんどん数が多くなっている気がする~」もう何回上に上がったのか分からなくなるくらいだ。
「ここでできるだけ数を…」ソージは横に剣を振り、光の斬撃を放った。
ピエロ達は当たると消滅するがすぐに次が前に出るという…これは全部倒すのは不可能だ…。
「これでは一番上で追いつめられる…」ソージがピエロと剣を交えた。
跳ね返しては斬り、跳ね返しては斬りを繰り返している。
このままでは体力が限界になり、やられるだけだ。
「この手の相手は親玉を倒さないと…」ソージはそう叫び、みんなに伝える。
「多分その親玉がオリジナルの力を持つピエロでしょう…」ロナは言い、奥へ走り出した。
「おいロナ急に走ってどうするんだ…」
「レイム様があいつを倒すまでここは何とか時間を稼ぎながら上へ登ろう…」ロナの後に続き階段を駆け上がった。
「今の私にはあなたは敵ではありません…クククハァァハハハハハ!…」と倒れているレイムの後ろでもう勝利はついたみたいに笑っていた。
するとレイムの体が流れた血が黒い染まり、そして消滅していった。
その途端、笑っていた表情が歪んだ。
「何だと…破壊の力で切り刻んだはずだ…」
レイムはゆっくりと剣を突き立て起き上がった…。
「答えは簡単、あんたの破壊の力はレイムにとっては撫でているだけ…」レイムはペラーの方を向いた。
レイムの体は切り刻んだ時の服のあとだけでそこから見えるのは白い肌だった。
「そんなバカな…破壊の力はたとえ再生能力があろうと体に影響を与え傷跡が残ると…」ペラーは態勢を崩し、座り込んだ…。
「破壊の力について詳しいみたいだけど…私には通用しない…だって破壊の司る神だもん…その神が自分の力で傷つくとそんな低位の力で…相手が自分より強いだったら別だけど…」
レイムはペラーの足元にあるカメラを拾い上げた。
「これが…私にとって意味が分からなかった正体…」レイムはカメラをペラーに向けシャッターのボタンを押した。
するとレイムの目にはペラーが止まった。
「なるほど…フラッシュを浴びた対象の動き、空間を止めたというわけか…つまり個人の時間を停止させている…」レイムはひっくり返したり、そのカメラをよく観察した。
「ほうほう、元々はただのカメラなんだ…それが何らかの力の影響で突然的に…」レイムはそのカメラを持ち帰るのかと思ったら、思いっきり自分の足元に投げた。
するとペラーが動き出した。
「なっなんてことをぉぉぉぉっ」カメラはレイムの足元で粉々になった。
「これで、正々堂々と勝負ができる…」レイムは剣先をペラーに向けた。
ペラーは何も答えることができなかった。
おさらいするがレイムは負けず嫌いです。
「まさかとは思うけど、オリジナルの力があるっていうのにあのカメラと2つでレイムとの差を埋めてたの…それはあやまるけどそんなの弱いものいじめとはいわないよね…」レイムの目に楽しいという色が少し加わり、破壊の神らしい目に徐々に近づいて行くような気がした。




