第90話:運命の導き
「今は上に進むことだけ考えよう…」もう巨大な流れに乗っていることはレイムも薄々感じていた。
イヒヒヒ……。
不気味な笑い声が背後から聞こえた。
ゆっくりと後ろを振り返ったレイム達はその不気味さに背筋がぞっとした。
まさか……しつこいなぁ………。
そこには赤い光に照らされたピエロたちがいた。
その手には刃物を握ってこちらをずっと見ている。
あれは……道化たちか………戦いはまだ終わっていないと………。レイムはそう思い、柄に手を触れた。
「まだまだ終わりはしませんよ…まだまだこれからですよ~」と道化が現れた。
見た所傷が見当たらない……この剣の攻撃を受けて、傷一つ……いや再生は難しいはず………。
そう、レイムが所持するこの剣は神器の中で最強の最上位に入る神器だ……。
この剣は、代々破壊の神に受け継がれている……。
「あの攻撃で立てるはずが……そうかオリジナルの力…」レイム達は武器を構え、戦闘態勢に入った。
どんな力でも、傷は回復する……そして相手が影とは厄介なものだ………。
「後ろは任せたよ!」レイムは後ろを振り向くことはせずに前をじっと見つめた。
「任せろ!」もうこんなもので負けるはずがない…。
ソージ達は何体ものピエロを相手にした。
「では…」ピエロは足を揃え、深く頭を下げると「殺戮クラウン!戦闘開始です!」と戦闘開始を叫んだ。
戦闘開始された直後に足を前に出しピエロに向かって走り出した。
すると道化は何かを掴み手をはらった。
手の中には黒い砂のようなものがレイムとの間に散った。
なっ何だ!…。
その瞬間、さっきまで細い廊下だったのが、舞台のホールの中だった。
一瞬にして、空間が変わった……。
「これは…破壊の影……」その空間にはレイムとピエロだけだった。
ピエロは複数のスポットライトが照らす舞台の上にいた。
ほう……なるほど……ここで、一対一で決着を付けようと………。
レイムは剣を振り下ろし剣先をピエロに向けた。
「勝つのはどっちか、ここで決める!」レイムは剣を構えた。
「イヒヒヒヒ、望むところです…」その両手には短剣を持ち、体から黒いオーラが現れた。
「レイム様~」ロナは目の前で消えたレイムを呼んだ。
「まさか、また新たに破壊の影を使った…レイム様一人で……」ロナは膝をついた。
すると「おいロナ…ちょっとはレイムを信じてもいいじゃない…レイムはああ見えて神々の中の最強の神なんだぞ…それにいつか手に入れる力なんだからその力に負けるとは俺は言えないと思うんだけど…」ソージは励まそうともかっこつけでもない…本当にそう思っていた。
それはもう一種の洗脳レベルだ。
もうこれは運命としか言えない…自らレイムのもとへやってきてパーティーの仲間にしたいと、、どこからで絶対にそうなると計画されているようで…計画のようなんだけど全部がだんだんと繋がっている友情も何もかもが繋がることはもう時間に任せるしかないんだ。
その運命は誰かの導きだ。
するとソージはロナの目から涙が落ちるのを見た。
「ロナ……」ソージはその様子の気持ちなど分かっていた……。
だけど、ロナが涙を流す所を見るなんて初めてだからだ。
ロナの目の前には運命に導かれた3人の仲間、いや同胞、それ以上…。
「運命は誰もわからない…いやわからないから偶然というものがある…今…この瞬間ロナはソージ達を…いや恥ずかしい…」ロナは涙を拭いた。
「その言葉は言わなくてもわかる…この瞬間ロナは俺達のことを認めてくれたんだろ…それ、俺達は凄く嬉しいぜ…」とソージは男らしく、ロナに語り掛けた……。
「そうだよ…ソピアはとっても嬉しい…」ソージの後ろからひょっこりと顔を出し、笑みを浮かべソピアは言った。
「あぁ、私もだ…その言葉を待っていたよ…」サリアもそう言い、最高の笑みを浮かべた。
これが、友情、信じる者、仲間……人間と触れ合うと、何かが暖かくなる……。
それは、間違いなく、心だろう……。
今のロナはその感情でいっぱいだった……。
そしてゆっくりと立ち、ロナは術式を展開した。
するとソージ達の体が黒々と光り出した。
「これは、強化魔法か…」ソージはロナの方を振り向くとニッコリと笑みを浮かべた。
「さぁ、ここはロナ達で食い止めるよ!」ロナの掛け声に全員が戦闘態勢に入った。
そしてロナ達が足を動かしたのと同時にピエロ達はイヒヒと笑いながら向かってきた。
「いけぇぇぇっ!」薄暗い廊下ではロナとソージ達が…。
そして破壊の影の空間の中にはレイムとオリジナルの力を持つピエロと戦いが始まるのであった。




