第89話:オリジナルの力
「思えば、破壊神の力に破壊神が引っかかることは思えないなぁ~…だがまだだ…ここで終わるわけがない…」城の外まで飛ばされたピエロは傷だらけの体を自力で起き上がった。
ゆっくりと血が体を沿って滴り、地面に流れた。
これほどの強さとは……さすがだ………。
すると体から黒い霧が現れ、傷口が閉じていった。
これは、破壊の神の力を手に入れた人間に現れるものだ。
つまりピエロがオリジナルの力を持っていることを意味する。
そして体全体が黒い砂へと変わり、地面に落ち、風に乗り城へと流れていった。
次の階段を見つけ、上の階へ上がったレイム達は最上階へ向けて足を進めていた。
外見は城だが、中は色々な風習が混じったような感じだった。
まぁ、それに関して無理もない。
城に入って分かったのは、部屋が多くその数々は同じ内装で多くの客と言った方がいいのか人々が訪れていた痕跡がある。
この島の人々が消えたということは案外本当なのかもしれない。
慌てた痕跡がなく、城全体が古びているのに人が通っても丈夫なうえ、さっきレイムが破壊の力で天井と壁が壊れたが崩壊する様子もないことを見て、この城の管理を怠ってはいなかったのであろう。
もし消えていないとなると、なぜこの島を出ないといけないのか、どうやって島人口の数が島から出れることができたのかという疑問が残るし、もし出たとしても今他の島に生物は確認されていない。
以下の情報で答えられるのは島の人がこの島で全員消えたということ。
そしてロナはある程度予想をつけ、答えを見つけていた。
「レイム様、ロナはこの島の謎がわかりました。わかる情報から導き出した答えは…」城の外の町や工場…主に町だが灰のようなものが地面に落ちていた。
恐らく島全体にそれはある…。
そして闇に染まった怪物、この城に展開されていた破壊の影の力…。
「破壊の影とは別の破壊の力がこの島で暴走し、島の生物を消したということです…」今考えられる答えはロナが導き出したそれが一番説得力がある。
「もしがそれが本当だったら、ナーシングでもこんな力は…」レイムはそう言ったが、その後にあることが頭に浮かび上がった。
そしてレイムとロナは口を合わせて…。
「もしかして…」とレイムは最初に呟き、そして「オリジナル…」
オリジナル…それは言葉の通り、現物の力…。
ナーシングが確認されたのは約3000年前くらいに破壊の神と同じ力を持った者が現れた。
同じく3000年前には破壊大司教の勢力が上がった。
これは、偶然とは言い切れない…。
レイムとロナが言ったオリジナルというのは、本物の破壊の神の力ということ…。
それを見分けれるのは破壊の神か他の神か破壊の神の加護を持った者しかわからない。
もう皆、3000年前という共通でわかったかもしれない。
そう3000年前には世界初の大戦が行われ、破壊の神が破れ滅び、ナーシングが確認され破壊大司教が勢力を上げていった。
この3つを順番にそして答えると…破壊の神が破れ6つの力が世界に流れ、その影響で破壊の力を宿したナーシングが確認され、なぜかその6つの力を破壊大司教が手に入れ、勢力を上がていった。
ということになる…。
何故なのかは、この際は関係ない……その力を取り戻すことになる……。
破壊の神として……。
これは粗方正解だろう…。
ロナはレイム達にわかりやすく説明をした。
「それが、本当なら奪われた力を取り返してその破壊の神を復活させることはできるの…」その力の持ち主は3代目破壊の神…それが復活するのかはまだわからない。
「力を戻し、魂と重ねれば復活は可能かと思います…」とロナは言ったが例がない…。
「ねぇねぇ、オリジナルの力を見分けるのは破壊の神と他の神と破壊の神の加護を受けた者だけって言っていたよね…じゃあ破壊大司教にそれに関係する者がいるってことだよね…」
「そういうことになり…それは神か仲間の中に裏切り者がいるということになります」そのことは認めるしかない…。
「じゃあ、この先オリジナルの力を持った6人の者と戦い力を取り返して、そして最後に裏切り者を倒せば…」
「そうなれば…ナーシングなどは消え、世界のバランスは保たれます…」
レイム達と魔王達の情報はほぼ一緒だがレイム達は魔王達が言うあいつとはまだ知らなかった。
そして2つの情報を重ねれば進む道はもう見えている…。




