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第83話:闇に染まった怪物-2



 「準備はいいか?…」手の中に小さな光が浮かんでいる。


 火薬庫の中は薄暗く、奴らの目では簡単にソージ達を視認することはできないだろう……。




 この光は離れている者と会話ができる魔法だが水晶みたいに広範囲ではないのが欠点だ。


 「うん…準備オッケーだよ…」

 その声はサリアだった……。




 もうすでにこの火薬庫には俺達を追いかけてきた化け物たち全部がここに入っている…そしてこの作戦はとても簡単…。




 まずサリアが火薬庫の天井を矢で撃ち、崩壊させ化け物を閉じ込める…。


 そして炎属性の魔法を持っている俺とソピアが更に上に行き、火薬に火をつける……。


 何故、二手に分かれたのか…それはどっちかが囮になることだ……恐らくだが、全ての化け物がここに入ったと信じて…爆発寸前に囮が外への逃げる……。



 簡単だが……危険が伴うのはわかっていた。




 「いつでも、いいぞ……」ソージはサリアに作戦開始を伝えた。


 「それじゃあ…」サリアは弓を構え矢に光を注ぎ込んだ。


 「はぁぁぁっ!」

 そして矢を放った。



 火薬庫の天井に光の矢が触れた瞬間…光の力が天井一面に広がった。

 天井に光の亀裂が入り、そして天井が崩れた。



 

 それと同時にサリアは火薬庫から脱出をした。



 そしてソージとソピアは2階の窓から崩れた屋根の鉄骨に上った。

 頂上までたどり着くとあることに気付いた。




 「ソピア…これは爆発しがいがあるなぁ…」

 2人の前にはこの火薬庫と同じのが後ろに何個も並んでいた。




 「行くぞ…ソピア!…」

 「うん!…」

 2人は両手に炎の力を込めた。


 


 両手に赤い光が集まり、そして魔法陣が展開された。



 

 そして炎属性の最大範囲魔法…。


 2人は同時に「行けぇぇぇぇっ!『地獄(ヘル)火炎(フレイム)(レイン)』!」




 すると空中に炎の魔法陣が展開され、火炎の雨が火薬庫に降り注いだ。


 そしてその瞬間ソージはソピアを抱え、火薬庫の鉄骨から飛び降り、サリアと一緒に急いでその場から離れた。



 地獄火炎の雨は最大範囲魔法なのでその近くにいては術者も危ないとされている…。



 名の通り火炎の雨が火薬庫に降り注いだ。

 そして大爆発が起き、赤い光が強く周りを飲み込んだ。




 「やばい!…」ソージ達の後ろから爆発の衝撃波が襲ってきた。


 その衝撃波は建物を流れるように粉々にしていった。

 爆発の衝撃は逃げているソージ達にも届き、その衝撃でソージ達は飛ばされてしまった。


 


 そして火薬庫周辺は広範囲にわたって平地になった。

 

 化け物たちは完全に灰になったらしい…。

 ソージ達は建物の瓦礫に埋まったがどうにか無事だった…。


 

 あの化け物のことだが、ソージ達は薄々わかることになるだろう…。



 

 そしてこの島にいるのはあの化け物だけではなく…あらゆるものが突然と姿を消し、そして島全体が止みに染まってしまったこの島に入ったことは最初から間違いだった…。


 風、炎、水氷、闇、光、破壊の6人の神はこの世界に降り立ち、地の上に自分らの領域を広げていった。


 今現在もその領域は地全体に広がりつつある…。

 

 風の神はその領域を緑で包み…最初の種族…獣人を生み出し…緑を愛するエルフ…緑の妖精を生み出した…世界に緑を広げた…翠色の大地シズゼリア


 炎の神は領域を炎の地で包み…地の中にあるあらゆる石、鉱石を操る種族ドワーフを生み出した…世界に大地を広げた…炎の要塞ファイテンラスク


 水と氷の神は領域に水の流れを作り、水の中で自由に暮らせる人魚を生み出し…世界に水を広げた…水源の都市ソルレンテ


 闇の神は領域を闇で包んだ…そして悪魔、魔人、魔族を生み出した…夜を広げ常闇を創った…常闇の夜空ネルトシネアス


 光の神は領域に聖なる力を…そして領域の上に天界を作り、純白の翼を持った天使を…下には自分に似た人間を生み出した…光の国エレクシア


 破壊の神は領域に誰にも負けることのない力を…そしてその力を受け継ぐドラゴン、幻人、機人を生み出した…世界に力を広げた…破壊の国ディスラクシェント




 そしてその中で今も大きく暗黒にそれはいた…それは闇だった…。

 初代の神々達は宇宙が創生され、まだ知識があらず、使命だけが中にあった。


 言うなれば、説明書の通りに世界を創生したのだ。


 当たり前のように創生を終え、後継者を残し消えていった初代の神々…世界には不具合というものが残った。


 闇の中から生まれたのは死というものだった。


 死はその名の通りに生命に死という終わりをつけることができた。

 

 光があれば闇もある…明かりがあれば暗闇もある…。


 これは完全に世界の理…つまり仕方のないことだった…。

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