第8話:誘いのバカ勇者
数分前のこと…。
私は目が覚めると私は自分の部屋のベットにいた。
「んっ…ここは…」私はゆっくりと起き、周りを見渡した。
「あっ気が付きましたか、レイム様」目の前にはロナがいた。
「うっ頭が重い…」その時私は寝る前のことを思い出した。
私はベットから出て部屋にある大きい鏡の前に立ち、自分を見た途端目を疑った。
「えっ…なにこれ」鏡で見た自分は…年齢より半分の歳の姿だった。
こんな姿って…。
そういえば、立った時目線が低いと思ったら…。
「これは体を保つ霊力がなくなり体が未熟になったのです」とロナは教えてくれた。
「そうなの~」
私はこの状況が初めてだったが今の私にはどうでもよかった。
あと気づいたことは…。
「私、あの男に体を斬られた時から記憶がないんだよね」
「えっとそれは…頭ぶつけたからかな」ロナは冷や汗をかきながらレイムのこときずかった。
それは、再びあの力に目覚めるかもしれないと恐れたからだ。
あの攻撃をして倒れたレイムをここに連れてきたのはロナだった。
「んーまいーや、私、外行ってくるね」
「はい…行ってらっしゃいませ」とロナは手を振った。
まあ魔王軍を倒せたのだからいいか。
レイムはあいまいな気持ちで外に向かった。
私は自分の部屋の扉を開けて、長く薄暗い廊下を歩いていきホールへと出た。
そこは天井に窓があり床に光が差し込んでいた。
そして大きい扉を開け、私は城の外を出て少し歩いた所の崖に腰を下ろした。
いつもここで考え事をしているが…変わらない風景にレイムはつまらなかった。
「ここは…景色はいつ見ても奇麗だな…」と心のこもっていない言葉を呟き、まだ精神が定着していなかった。
私はいつも見ている景色に黄昏ていると少女の声が聞こえた。
「誰…」私は反射的に声を出した。
声が聞こえた方向を向くとそこには少年と少女がいた。
なっ…何でここに人間がいるの…。
いやいや…まさかっ……。
私はここに人間がいることに理解ができなかった。
「お前達は誰、何でこんな所に…ってか人間が入ってくることなんかできるはずはないのに」
私は恐る恐るその人間達に話かけた。
すると「いや一回だけ見つかったんですよ」ソピアは普通に答えた。
一回見つかった?
「なのに何でお前達はここに」その声は震えていた。
我が種族に見つかったら、まず生存は不可能なはずなのに
怯えているのか、あの子…。
ソージは怯えて話すレイムを心配していた。
「ソピア、あの子怯えているんだけど」と何をしていいのかわからず、ソピアに話した。
「ソー兄へたっぴ…」と言い、ソピアはレイムの質問に答えた。
そう…彼らが何故この地に来たのか…それは……。
「5代目破壊の神レイム様を我がパーティのお誘いに来ました」とソピアはそうはっきりと言い、二人の耳にもそう聞こえた。
「え…」
「え…」
俺とレイムは完全真面目で言ったソピアの言葉に固まった。
なっ何を言っているのこの人…。
こんな所まで来て私をお誘いってバカげてる。
その前に何で私を…。
「何を言っている私がそんなパーティに入るとでも…悪いけど町のギルドにあたってくれ」
私は即、お断りをした。
「そうだよ妹よ。諦めて帰ろうよ」とソージはソピアにそう言ったが、ソピアは聞かなかった。
てか神様に合うこと自体許されることじゃないし俺達は光の神様にも一度もあってないからね。
「いや私はあなたを選んだのです」とソピアはプロポーズのような感じで言った。
「あっありがとう」私はそれしか返す言葉が見つからなかった。
今日はやっぱり疲れがとれていないのかな~…。
レイムは最終的にその考えになった。
「どういたしまして」なんかテンション低いな。女子同士の会話なのに…ってこんな状態でこんなことか…。
俺はこの状況をどうすれば…。
「あなたは神様ですよね」ソピアよなんて当たり前な質問をするんだ。
だけどようだよなソピアは勉強面ではいい子だけど他はバカとしか言いようがないバカなのです。
なんて中身なんだろうなぁ…。
こんな妹だと兄の俺の身にもなってよねぇ…。
だけど…あっちもバカだった。
そうソピアと同じ頭の中がお花畑だろう……。
「そう私は神々の中でも最強の神、5代目破壊の神レイムだ!」レイムは立ち上がり左手を腰にあて決め台詞を言った。
ほらね…やっぱり……。
その姿を見た俺と妹は同じことを思った。
ちっ小っちゃくね。
「あの~えーとなんていうか…」俺は言おうかどうか迷った。
いくら何でも小っちゃすぎる…。
するともう一人のバカが「ちっ小っちゃいですね」とはっきりと突き付けた。
その言葉がレイムの胸に大きく突き刺さった。
「ん…んんんんんんん」それは今言ってはいけないことなのに~。
レイムは一回きょとんとし怒ってなぜか俺の近くに来て自分より大きい俺をジャンプで同じ高さまで上がった瞬間、俺の顔を殴った。
ぐはっ…いてて、顔面はないんじゃあないかな。
「それはわかっている。これはある事情があるから触れないでね」私は赤くした顔を抑えながら言った。
神と言うのは…何も考えない、人の姿をしているのかと思ったが…その姿は人の形をしているが本当に生きて普通だった。
これが神々の中で最強の神と呼ばれ、そして破壊の神5代目の…。
「まあいい、私はお前たちのことも知りたいから我の城に来い…まずその体の汚れを落とすから風呂にでも入るか」俺達は破壊の神の城へと入った。
扉の感じは長年の月日が経ち、8000年も前に建てられた城…。
噂では大きな城だが、中は内部を知っている者しか上には上がれない…。
各階層には破壊神に仕える加護を受けた守護神達が待ち受けている…。
「おー凄いな。本がいっぱいある。それにこの絵はレイム様ですか」
城に入ると円状になっているホールの壁は本棚で覆われて奥には二つの道とその間に大きな絵があった。
この本たちは何も書かれていないただの紙切れだ…。
インテリアとしてはいいがな…。
そしてこの絵だが、第四神暦に入って書かれたものだ…。
誰が見てもレイムだと思うが実は違う…。
「あーこれは私ではなくてこれは3代目破壊の神で名前も私と同じで昔、光の神と破壊の神は対立していた2つをくっつけ魔王軍を倒した人なんだよ」
この人は私にとって目指す人でもあった。
歴代の破壊の神では最強される強さを持っている…。
「あー歴史で習ったな~確かそれは3000年前の大戦だよね。それでその人はどうなったの学院では習わなかったんだけど…」俺はレイムにはどうでもいいことを話した。
まぁ、当たり前に習うことだが、この時は世界が半分破壊された…。
するとレイムは悲しい表情をし「えーとその人は死んだらしい」と下を向いて言った。
俺はその表情で察した。
大戦の終焉は3代目破壊の神の死によってのことだ…。
「えっ何で…」ソピアはレイムに近づきそう言った。
「わからない。私もその時は生まれてないし、お母さんも教えてくれなくて…」と寂しげにそう言った。
いいや…本当のことを言うと、その真実は神は3代目の他はいなく…知っている者はあの時レイムのそばにいた…者だけだ…。
「え…」俺とソピアはシンクロした。
すると「神って親いたんだ」俺はそう呟いたその時レイムは俺に駆け寄り頭をジャンプして殴った。
うっ…また…。
飛び上がる高さが比じゃないぞ…。
「ふん」レイムは腰に手を当て顔を振った。
「親くらいいる。そんなこといいから早くいくぞ」とレイムは奥へ進んで行った。
まったく…何も知らないからと言って…そんな失礼なこと…。
人間ていうのはこうゆう人達だけなのか…。
ってか俺…。
いやソピアより下だよな年齢と俺は今それを気にした。
そういえば…神って歳をとるのか…。
神と言う存在は世界を見据えること…神という存在は歳という概念存在しないのか……。
多分、歳を聞いたら女性に歳を聞くなんてとか言い出しそうだからなぁ。
俺は頭の中で疑問に思ったことを一度確認してから言うと決めた。
まさか…こんな人と…。
そして俺らはレイムについていき暗い廊下を歩いてバスルームらしき扉を開けた。
扉は洋風な感じで開けて入るとそこは普通の脱衣所でいい匂いがした。
だが、他と何か違う空間の感じがいた。
「ほらっ脱いでください…」と俺とソピアはレイムに言われるがまま服を脱ぎ奥への扉を開けた。
そこはまるで本当に別の空間にいる風景だった。
床は水色で壁にはドラゴンの頭がありその口からお湯を吹き出してあり真ん中には大きいお風呂があった。
「すっすごい」俺は絶句してしまった。
「わーすごいこんなお風呂見たことないよ」とソピアは隅々まで見渡した。
「ここは、第十階層のお風呂…ここも一様敵が来たら戦場となるがここまで攻めてきた者はいないよ…ってか、入りすらしなかったけど……」
ここまで、この城に攻めた者達は一人の守護神によって、全ての侵入者を殺していった。
俺達はこのお風呂を遠慮なく楽しんだ。周りは湯気で少し見えにくく魔力が湧き出ているかのようだった。そしてレイムと俺達は円状のお風呂に浸かった。
「はぁ…」俺は湯に浸かり天井を見上げるとこの国の歴史の絵があった。
「わぁ…すごい…」とソピアも俺のマネをし天井を見上げた。
これは6人の神を模した絵…世界を創造した光景が描かれていた。
だが、こんな新しい大剣だったが、ソピアが目的を話した。
すると「あーそうだ、パーティーの誘いなのだが…」とレイムは手を叩き満面の笑顔で言った。
俺には何か企んでいるようにしか見えなかった。
どっどうなるんだ…。
俺の心臓の鼓動が早まり、ザァーという水の音だけが響き渡った。
てか何で俺3つ下の妹と神様だけど絶対に年下の女の子とお風呂に入ってるんだ。
俺はやばいことに今気づいた。
さっきまで緊張感だったソージの頭の中はそのことでいっぱいになった。
まずそれ自体おかしいはず、と俺は考えたがまた気付いた。
あ・・・そっか二人ともバカだからかと俺はそう思いレイムの方を見た…その姿はやっぱりこの世の物ではなかった。胸以外は…。
また俺の頭の中はそれで埋めつくされた。俺は…この二人に流され一緒にお風呂に入ってしまったのか。
「に……にぃ…ソー兄」
「あっ…」俺はソピアの声で今どうゆう状況なのか思い出した。
「もうちゃんとしてよ今大事な返事を聞こうとしてるんだから」とソピアは頬を膨らませた。
俺はレイムの目線に気付き咄嗟にレイムの方を見ると、強い目線を浴びた。
そしてレイムはゆっくりと上を向いた。今聞こえるのはザァーという流れる音、黒く長い髪が水面に浮かんだ。
そしてレイムはゆっくり口を動かした。
「私と戦いって、もし生き残れたら君達のパーティーに入ってあげます」と満面の笑みでそう言った。
「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」俺は理解ができず絶叫した。
だがソピアはザァと音を立て立ち上がり「受けて立ちます」と拳を作り前に出した。
「なんでやねん」と俺は反射的にツッコミを入れた。
今の俺にはそれしか言うことがなかった。
俺達は神にいや神々の中でも最強と言われる破壊の神と戦い生き残れるのか…。
完全に立場が逆転した…俺は上を見上げそう思った。
破壊の神は歴代全てではないが、レイムは好戦的だった…。
それは、何でも戦いで決める…ということだ。
そして俺達は知るのであった。
最強の神、破壊神の強さを……。