第79話:影を見せた闇
「あの方の予言通りに……破壊の神はこちらにだんだんと近づいている………」暗い空間の中に丸い机を囲み6つの席のうち4人の影があった。
「やはり…巨大だな…あの方が創られた流れは…とても壮大過ぎて、色々な者を巻き込んでいる……そのことも考えつつ計画を進めた方がよさそうだな…」と影に包まれた4人はそう話していた。
そして聖騎士の一件から一日が経った。
ロナは正確な場所がわかり、すぐさま出発しようとしていた。
「レイム様…しかしあの光の騎士をマインドコントロールにかけたものはとてつもない強者です……。そして相手の情報もなにもない状態です…行っても相手の中で死ぬだけかと……」ロナは今すぐと言ってきかないレイムを玉座で説得していた。
行くメンバーはレイムとソージ、ソピア、サリア、ロナとなった。
ロナの言う通りに相手の情報に関してはゼロに近い…。
そのメンバーで言っても、勝てることがあるのだろうか…いくら破壊の力を持っていても精神魔法などの対処をしておかないと…。
すると玉座の扉が開き、ディリアが入ってきた。
そしてレイムの前に跪いた。
「レイム様…私から提案があります…ソージ達はまだ破壊の神の加護を受けていません…それが、あれは少しは安心できるかと……」ディリアがそう提案した。
破壊の神の加護というのは文字通り破壊の神の加護を受けることだ。
加護を受けると…自分が死ぬことはなく…破壊の神が使用した耐性魔法を共有するとこができる…とっても便利なものとなっている…。
ソージ達はまだ正式に加護を受けていなかった………。
「そうか…それがあったな…」とロナはそのことをすっかり忘れていた。
「じゃあすぐに始めよう…」レイムは第五階層「神の加護を教会」に向かった。
この階層はディリアの守護階層であり、まんま教会となっている…ステンドガラスから光が当たり、床には色とりどりの光が差している。
そしてソージ達は教会の霊堂の前に座り、手を合わせた。
その霊堂の中心には黒い結晶が埋め込まれていた。
その結晶にレイムは力を注いだ。
すると黒いオーラがソージ、ソピア、サリアを包んだ。
これが、加護を受け完了となる…。
「この加護はレイム様と繋がると等しいものだ…レイム様が滅ぶことがない限り、加護を受けた者達は死ぬことはない…そのことを心するのだ……」とロナはそう言い…霊堂に煙を立てた。
そしてまた玉座に戻った。
「俺達は覚悟はできている…レイムについて行くぜ…」とソージ達はまぁ、レイムを仲間にして、そして冒険をしていくうちに強い絆が出来てきたのだ。
レイムは絶対に行くと言い、ソージ達はどこでもついて行くと言い、ロナはもう言うことはできなかった。
「破壊の神に喧嘩を売ったんだ…買わないと破壊の神としてみっともないと思うんだが…ロナ…」ロナもそうゆう気持ちがないわけでもない…第一にレイムの命を守ることだ…。
「わかりました…しかし私はレイム様を何が何でも守り通すと決めています…なのでどんな時でもレイム様をお守りするということでよろしいですか……」その目は強い決意だった。
それは、レイムが破壊の神であり、とても大切であること…それ以上の関係なのか…。
ソージはレイムが死ぬと俺達も死んでしまうということが頭に浮かんだ。
だが、今現在ロナの中身は誰もわからないままだ…。
「わかった…では、どうやってそこへ行く…」とレイムはロナに問いた。
「私のテレポートで目的に行けます…」
「わかった…では、レイムを含め、ロナ、ソージ、ソピア、サリアがその場所へ向かい、マインドコントロールを使ったものを討伐する…もし、目的が達成したらここに連絡を送る…では向かいますか…」レイムは立ち上り…足を進めた。
そしてロナの術式が展開した。
その円状の魔法陣の中へ5人が入り、それを守護者達が見守っていた。
「魔王退治や氷結の大地への調査そして次は謎の目的地へ行くとは、レイム様の日常は大変ですね…」とベルーナは言った。
「うん…何でだろうね…その勇者達に会ってからだよ…こんな事になったのは…」レイムは幸せな表情を浮かべた。
それを見て、守護者達も自然と笑みを浮かべた。
「じゃあ…行ってくる…お土産待っててね!」と言いレイムとロナ…ソージ達は光に包まれた。
こうして、新たな冒険が始まる………。
そしてレイム達は底知れぬ闇へと足を踏み入れたのだ………。




