第75話:vs四番目と五番目の騎士-1
レイムとロナは第十二階層まで、登っていった。
ここまで敵がこなかった……。
これじゃあ、ただの散歩だな……。と二人は同じことを思いながら歩いていた。
第十二階層は広い廊下の奥にレイムの部屋があり、左右の部屋にはロナの配下がいる。
玉座の裏から第十二階層に続く螺旋階段を上っていた。
上の天井はガラス張りになっていて光が差し込んでいる。
レイムとロナは第十二階層にたどり着いた。
そして広い廊下を進んで行った。
周辺に意識を集中させ…廊下を進んだが、レイムの部屋の前まで来てしまった。
「あれ、いなかったね…」レイムは緊張感でいっぱいだったのが無駄になってしまった。
はぁ~と大きなため息をした。
「じゃあ戻るか…」
「そうですね…」と2人は引き返した。
中間まで歩いていると…前から足音が聞こえた…。
やっとか……。
鎧の来ている足音だった。
「まさか…知っている人が相手とは少々躊躇してしまいそうだ…」とレイムはその姿を見て呟いた。
レイムの目の前にはヘンリーと名乗った青年がいた。
「私も驚きました…大隊長さんが急にディスラクシェント領域に攻め込むぞと言ってきたんだ…」
やっぱり術式には掛けられていないようだ…つまり話せばわかってくれるかもしれないというとこだ…。
さっそく試してみよう…。
「だけど君がマインドコントロールにかけられていないということは君はこのことに関して不満とかなかったのか…」レイムとロナはその答えがうすうすわかっていた。
「私は正直少し不満がありましたが…大隊長の命令しは逆らえませんので仕方がないことです…」とヘンリ―はモーニング・スターを構えた。
「我は第五番目の騎士【アイアン】ヘンリ・ダウナー…参る!」ヘンリはモーニング・スターを振った。
まさか…あれでこちらに届くと思っているの?……。とレイムは少し舐めていた…。
するとチェーンの部分が伸び、星玉の部分が2倍に大きくなった。
「嘘っ!」レイムは前転で避けた。
ヘンリは腕を手前に引くと…星球が上に上げり、天井を破壊しながらヘンリの元へ戻った。
「凄い破壊力だね…」レイムは剣を抜き構えた。
「この武器はわたしの能力と馴染んでいます…」モーニング・スターを撫でそう言った。
「その能力は物質変化…あらゆる物質の形や量を変えることができる…」ともう勝負はついたという言い草だった。
まさか…もう勝負はついてると思ってる…。
レイムはそう思い、ロナと目を合わせた。
「レイム様は何ができるのですか…」とただの少女のように見ていた。
こいつまさか…哀れで呆れる…。
レイムとロナは同じことを思った。
だがレイムが自分の能力を言ったら、完璧にヘンリのその態度が一変するだろう…。
「レイムの能力は一度見た能力を使えることができ、制限時間などはなく自分のものにできる能力…それがレイムの能力…能力操作だよ」とヘンリに剣を向けた。
「うっ嘘だろう…ふふふははははぁ~まぁ嘘をつくのも仕方ない…」と以外な反応を見せた。
それを見て、レイムとロナの呆れはマックスになった。
レイムは本当だと信じてもらうため…投げるように剣を振った。
そして物質変化で刃の部分が伸びた。
シュッ…ズドーン!
ヘンリの横スレスレで床を砕いた。
それを見て…レイムとロナの予想通りの反応を見せた。
「まさか…嘘だろう…」ヘンリはモーニング・スターを構えた。
相手を侮るなんて……私が言うのもなんだけどまだまだだなぁ……。
「レイムにとっては初めての光の騎士とも戦いだから…少しは楽しませてよね!」レイムは剣先をヘンリに向けて、笑みを浮かべた。




