第72話:光の軍団
ついに聖騎士が領域の入り口まで侵攻してきた。
観戦の人達は上空に……ディリアとビーとワ―レストは城の前で待機をしていた。
レイムとロナは第十二階層の上の展望台にいた。
「レイム様…そろそろです……」城の一番上は風が心地よかった。
「うん…」
聖騎士は結界の前まで止まり…一人の聖騎士があるものを取り出した。
「レイム様!……あれは強制結界破壊の水晶です……。光の神であれば、あのようなものを持っていて当然です…そのことは考えていなかった………」
その水晶は光の力で結果を破ることができるもの…。
あれも、無断でか……だが、あれはまだまだ予想外には入らない……。
「でも聖騎士の城への侵入は許すな…」
「承知の上です……」ロナは水晶でワ―レストを呼び出した。
「ワ―レスト!聖騎士が侵入してくる全員皆殺しだ!……」
「ワカッテイル……結界ガ切レルマデ、アト30秒………」と結界崩壊の時間まで…。
もうそこまで計算していたのか…。
ロナは水晶をしまった。
「レイム様…結界が切れるまであと30秒です…戦闘態勢に入ります…」
「わかった…」
ロナは遠くまで視界が見えるスキルを使い……聖騎士を見た。
そして結界が切れた。
それと同時に聖騎士の軍勢が雄叫びを上げ、領域へと侵入してきた。
数にしては、余裕だ……。
それを確認した、ディリア、ビー、ワ―レストは容赦なく攻撃を仕掛けた。
聖騎士は3人の姿を見ることもなく、その場に倒れ、消滅していった。
「なっ、何だ……一瞬にして倒れていくぞ!」聖騎士は辺りを見渡すが、敵を見当たらなかった……。
「どこだ……どこにっ――」そう叫ぶ騎士がバタッと倒れた。
ロナは光の騎士の姿を探していた。
「レイム様!確認しました。魔力が一段と高い4人の騎士がいます……。そしてその前の2人は大隊長と副隊長です…それとなんですけど…マインドコントロールに駆けられているのは大隊長と副隊長のみとわかりました…」
ロナは聖騎士が侵入してきたのを見て、マインドコントロールににかけられている感じはしなく、感じられたのはあの2人だけだったそうだ…。
あの二人か……それはそれで作業が簡単だ………。
「そうか…それで、4人の動きは…」レイムは4人の光の騎士の位置をロナに聞いた。
その時だった。
ロナが目で見ている4人の光の騎士の一人の少女が魔法陣を展開した。
んっ……何の魔法だ………。
すると一瞬にして4人が、そこから消えてしまった。
「消えた!」
瞬間移動か……。
ロナは魔力を瞬時に辿った…。
魔力はこっちに向かってきている……いや通り過ぎた?……。
辿った地点は…。
まさかっ!
「破壊神レイム・レギレス……」
その声はレイムとロナのすぐ後ろから聞こえた。
ここは城の屋根と同じ高さの展望台…そんな所まで移動できるとは、やっぱり少し舐めていたようだ………。
「覚悟!」大隊長は大剣を上げ、光の力を込め振り下ろした…。
その瞬間、レイムとロナはヒョイと飛び、屋根から仰向けで落ちていった。
糞っ……魔法が得意な者が相手にはいるらしい……。そして、マインドコントロールならあの2人はソージ達の所へ自然に行くはずだ…。
なぜなら、マインドコントロールはかけた者に一つの命令をするだけ………。
今回の件は破壊の神を殺せ……という命令………。
だが、あの2人の考えは、最後に倒す………つまり最後とは破壊の神の手下を全員始末してから……。
それが当たれば、城内にいるソージ達に一番先に気付くとレイムとロナは判断した。
単なる予想だが………。
4人のうち大隊長と副隊長は恐らくだが、場内に転移した。
ソージ達の所に行ってくれればいいけど……。
レイムは地面の何メートルの高さで翼を展開し、ロナは普通に足で着地した。
「やっぱり、ロナの推測は当たっていたようだね…」レイムは翼をしまった。
「そのようですね…へへ、ロナは頭がいいですから…」ロナは緊張が解け、テンションが高くなった。
「じゃあ、レイム達は他光の騎士の2人を相手にしよう……」
二人は光の騎士を相手にするのは、初めてだった……。
レイムはラウルとも戦った経験がなく、光の騎士のように光の力と独自の力で戦う者とも戦ったことがない……だからレイムにとっては光の神の加護をもっているものと戦うのは非常に楽しみということだ…。
一様言うと、レイムの弱点としては光属性や無属性なのだが……完璧な弱点は無属性だ……光属性に対して、無属性に除く他の属性はレイムには傷をつけられるが、光属性や無属性には抜群と言うべきだ。
変換できるのは、無属性を除く全てだ…。
一方ロナの弱点は……ない………。
詳しい話はわからないが、ロナはそう言っている。
「ロナはレイム様をお守りするのが役目なので後ろで見させていただきます…」とロナはレイムの後ろへついて行った。
レイムは背伸びをし、城の入り口の扉を開けた……。
第一階層から登ろう……だが、魔力感知で場所はすぐ残りの2人に気付かれるから、、ぼちぼちと……第七階層と第十一階層を除く階層を登っていくことにしよう…。
そして2人はディスラクシェント城の中へ消えていった……。




