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第68話:最古の魔王No.2氷結の創造者レミナス



 この施設は氷結の魔王のために創ったものだった。



 「なるほど…こんなもの…ここに置いとくわけにはいかない…」


 その瞬間、レイムは剣を構え、走り出した。


 レミナスはランスを後ろへ引き、力強く前へ振った。


 

 「はぁぁぁぁっ!」レイムは地面を蹴り、また剣とランスがぶつかり合い、破壊の力と氷の力が衝撃とともに空間に広がった。


 くっ、力では、やっぱり未熟……。




 その頃、ロナ達は階段で下へと下がったり、右に行ったりで現在、迷路状態だった。


 糞っ…一刻も早くレイム様の所に行きたいのにぃぃぃっ!



 随分と歩き、出口が見えた。


 ここは広い空間だ…だが中心に何か不気味なものがあった……。


 その先にあったのは、何かの生き物の氷の骨格があった。

 「まさかとは思うけど…氷の巨人ではないか……実際に動いている所は見たことはないが…」ロナはその氷の骨格を見て、すぐにこの者の正体がわかった。




 氷の巨人とはその名の通りに氷の巨人だ。

 その大きさはとても巨大で戦力は大陸を滅ぼす力を持つ。


 氷属性の生き物で最強の存在だろう…魔王は除くが……。


 実際に動いたのは、あの大戦の時だろう……。


 まさか、魔王がこんなものを所持していたのか………。



 「そんなものがここにあるなんて…」ロナ達はそこを探索した。





 そして二人の対決は………。


 「貫け!」レミナスが渾身の一撃を放った…。


 それは、ランスを思いっきり前に出し、その先から氷結の力が放たれた。


 レイムは剣先で翼を操り、その攻撃を防ぐことにした。




 だがレイムでも、魔王の一撃は防げないものの方が多い。


 その攻撃は2代目の紅蓮の魔王だったから勝てたと言うこともあるが、初代の紅蓮の魔王が世界あら大魔王と呼ばれた者と互角に渡り合ったと言われている…。



 それは完璧に力の差だった。

 レミナスの攻撃が羽の集まりを貫いた。


 「がはっ!……」レイムは氷の貫きに腹を貫かれてた。


 氷が砕ける音が響き、レイムは地面に転がった。



 「ふっ…まだまだだなぁ~……破壊の神………」とレミナスはレイムに挑発した。



 「糞っ!…」レイムはすぐに立ち上がり、反撃を開始した。


 「破壊の力よ、全てを貫け!」無数の魔法陣が展開され、レミナスに向けて一斉に放たれた。


 レミナスはランスの先を向かってくる破壊の力と合わせた。



 ズドーン!

 物凄い音が空間全体に響き渡った。


 破壊の力をランスの先で受け止めたが、ランスの先から周りに流れる破壊の力でレミナスがいる高い地形が変わるほどの火力だった。


 その影響で相当の体力を削ったが、まだまだだった。



 レミナスは氷の翼を展開し、素早さが上がった。

 

 その速さは破壊の翼を展開したレイムと互角だった。


 その速さはまるで瞬間移動並みだった。


 今度は早さで……。


 

 その瞬間、レイムの目の前に現れた。


 「なっ……」

 レミナスはすぐさまランスで突いた。


 速さはレイムと互角だが、相手の視点から見た自分の速さは見たことがなかった…。



 レイムは剣でランスを跳ね返し、自分の地面に魔法陣の展開した。


 この近距離だったら…絶対に!………。




 そして2人は破壊の力に包まれた。


 これで…奴は……。

 レイムはレミナスの顔を見ると、笑みを浮かべていた。


 「えっ……」

 その瞬間、破壊の力とともに下から氷の刃がレイムを襲った。

 

 レミナスも魔法陣を地面に展開していた。


 「うっ……そんな……」下からの刃で、レイムは避けることはできず傷を負った。

 

 「はぁぁぁぁっ!」レミナスは破壊の力が止んだ瞬間、ランスを横に振った。


 



 「うっ……」その衝撃でレイムは大きな扉の方に吹き飛ばされた…。



 ズドーン!バコーン!


 そしてそのまま大きな扉をぶち破った。




 その先にはロナ達がいた。


 「レイム様ぁぁぁっ!」とロナがレイムに飛びつこうとした。




 するとまたレイムに氷の刃が放たれた。  


 これ以上っ…食らうことはっ……。


 レイムは破壊の翼を操り、目の前に壁を作った。


 「ロナ!私が氷結の魔王を何とかするから…ここの施設を崩壊させて欲しいんだけど…」とロナを見て、思いついたことだが、この施設は危険には変わりはない…。

 レイムはロナにそう頼んだ。



 幸いなことにロナ達はこの施設について情報を掴んでいた。


 この戦いは紅蓮の魔王とはくらべものにならない…ってか紅蓮の魔王は計画防止のために手加減したっていう話だった。


 それだけ自分達がやられる…そのメリットはどこに………。


 謎は深まるばかりだ……。


 だから封印されていたもなお、この力なんだと魔王の力を目の当たりにした。




 「わかりました…ロナにお任せ…」ロナはすぐに取り掛かろうとした。


 「いやまって…この巨人を動かして!」レイムは無茶なことを言い出した…。

 レイムも本で読んでいたため、この氷の巨人のことは知っていた。


 「この巨人は危なすぎます…」ロナもそう思うような強さだが、我々が使役することは難しい…。


 ここで、この巨人を動かしては、氷結の魔王の戦力の増加になる…。

 魔王ならこの巨人を使役することは容易いことだ……。


 「何でもいいかな…そいつが動き出したら…みんな地上に出る準備をしてテレポートで何とかなるよね、ピール!」レイムの声はだんだんと力み始めた…。


 防御をしているレイムの羽はもう限界だった。


 「はい…何とか…」ピールは初めての事で不安もあった。



 「じゃあ行くよ!」レイムは力を手に溜めた。


 羽をどかしその瞬間、手に込めた破壊の力をレミナスに放った。

 

 「てぁぁぁっ!」


 見事直撃した。

 「くっ……」レミナスは氷結の翼を展開して、浮遊していた。


 「今だよ!」レイムは叫び、合図をした。



 そしてロナが氷の力を展開し、氷の巨人を復活させた。


 氷の骨格に氷の力を流し、みるみる骨格に体となる氷が重なり始め、胸部の部分に赤い球体が赤く光り出した。


 この反応は復活に成功したらしいな………。


 ピールは自分の位置と地上の位置を確認し、テレポートの準備をしている。




 そして氷の巨人が復活の雄叫びをあげた。


 それに伴い、吹雪が吹いた。


 「うっ…寒い……」吹雪がこの地下全体を襲った。


 「待てぇぇぇぇぇっ!」レミナスはランスをレイムに向けて、襲ってきた。


 糞っ!確実に破壊の力を当てたのに……。

 

 レイムは手を前に出した。


 

 そして無数の魔法陣を展開した。

 「全ての貫け!ディスラクシェント・レイ!」


 その瞬間、無数の魔法陣から破壊の力が放たれ、レミナスを襲った。

 「いぃぃぃぃぃっがぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 ズドーン!とレミナスに再び確実に命中した。




 「今だ…ピール!」レイムは走り、ピールが展開した魔法陣へ走った。


 すると魔法陣の後ろに剣を抱えた、女の子が魔法陣に入っていた。

 誰っと言う暇もなく、レイム達は純白の光に包まれた。


 「テレポート!」ピールはそう叫び、魔法を発動した。




 視界から光が消え、目の前には氷の地面と城の瓦礫があった…。


 テレポートは成功した……。


 「多分、ここに氷結の魔王は封印されていたんだろう…」ピールはレイムの傷を回復した。


 

 「それで、君は何であそこにいたの…そしてその剣…まさか封印を解いたのは…」ロナやリツリ、シールやピールはその少女を睨みつけた…。


 少女は怯えて口を開いた。

 「私はそんなつもりじゃ…」そう言い、少女は逃げ出した。


 「あっ、おいっ話はまだっ……」ロナが少女を止めようとしたその瞬間だった。



 バキッ……バリバリバリ………。


 氷を砕き、地上が割れた…。


 そしてレミナスと氷の巨人が地下から出てきた。


 「みんなは逃げて、ここは私が…」レイムは破壊の翼を展開し、高く空へ飛んだ。


 まだまだのようだな……懲りない奴め………。


 そしてレイムはあらゆる力を集めた。

 手を上に上げ、その手の中に力が集まっていき、その光景はあの時と一緒の光景だった。


 だったら、これでけりをつける!



 「レイムぅぅぅぅぅっ!」レミナスはもう正気を失っていた。


 そしてレミナスもランスの先に氷結の力を集中させた。



 ロナはその光景を見て、やばいと悟った。

 「まずいっ、もっと早く!…遠くへ逃げないと…」ロナの予想では力に飲み込まれなくても、衝撃で地面が砕け、また地下へ逆戻りとなってしまう。


 みんなは大急ぎで必死に走った。




 そして最大までに力が集まり、レイムの頭上に巨大な黒い魔法陣が展開された。


 「死ねぇぇぇぇぇぇ!」レミナスのランスの先から氷の礫が放たれた。


 私の勝ちだ!


 「全ての破壊せよ……ディスラクシェント!」レイムは手を振り下ろした。


 これが……5代目破壊の神の力………。


 「まさか………」とレミナスは何かを呟いた。

 膨大な力が、レミナスと氷の巨人に直撃した。


 ズド―――ン!、大爆発が起こった。



 そしてその衝撃でロナが予想した通りに広範囲に衝撃が走った。


 氷であり地面は亀裂は広がり、破壊の力も周りに広がった。




 ロナ達はとてもギリギリだった。


 その光景を一同は見て、全員がため息をついた…。


 するとバサっとレイムが戻ってきた。


 「あの少女は…」レイムは剣を修め、周りを見渡した。


 だが、あの少女の姿はなかった…。



 「すみません…逃げられました…」ロナはレイムの前に跪いた。


 あの子が持っていたものはなんだ……まぁ…いいか……。


 「まぁいい…この大陸から足で出れることはできないだろう………」レイムは背伸びをした。




 「では、我が領域へ帰還しましょう…」ロナは飛行船を水晶から取り出した。


 「ふぅ…長い旅ではなかったが……大変だった………」とレイムは感想を吐いた。

 


 正直、守護者も久しぶりにわくわくもしたが、疲れていた。


 そしてレイムは元凶を思い出し、怒りに満ちた。

 

 そう、その元凶とは、手紙で送ってきた光の神だ…。


 「これで、光の神にいい手紙が送れるであろう……最低でも高額の金額は払ってもらう……」レイムはそう言い、飛行船の中へと入っていった。



 

 これで、氷結の一件は完了した………。

 

 


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