第67話:苦しみの先に
未だに私の頭の中で叫び続けていた。
レイムは耐えきれず、そこにうずくまった…。
「こんなの…耐えられないよ…こんなに苦しいことがあったなんて……私、知らなかった………」人々の叫びはどんどん酷くなった。
ちゃんと前を見て……わかっている…あなたは何も悪くない…だからちゃんと目の前を見て!
自分が今、何をしなければいけないのか……あなたならわかるはず…頑張って…レイム…。
「だっ…誰……どこにいるの……」
その声は天使のようだった…。
レイムはゆっくりと立ち上り、ちゃんと目の前を見た…そして……。
暗闇の中に一つだけ光が差す、玉座に座る氷結の魔王は異変に気付き…氷の鎖に苦からを込めた…。
「まさか…氷の呪縛を破ることなんて……」氷結の魔王は力を出したが…封印されていたため…完全に力が戻っていなかった。
「お前は…絶望を知る……ここに来たことが間違っていた………」と氷結の魔王はその氷に力を流した。
その声はレイムに語り掛けていた。
あなたは、悪くない……。
レイム…君は……どんなものでも…邪魔なものはその力…破壊の力で全て破壊するの……それもその力の使い道……自分の中の希望…大切なものを思い出して!………。
「私の希望…大切なもの……」
レイムは考えた…。
その頭には、両親、そしてロナや守護者達…仲間の顔が思い浮かんだ……。
「私にとって、大切な人が希望……」とレイムはゆっくりと閉じていた目を開けた。
すると暗黒の空間が光が差した…。
その瞬間、氷の鎖でつるされた氷に亀裂が入った。
「まずいっ…」
その瞬間、パリンと氷が砕け散り…周りを包んでいた暗闇さえも砕け…光が現れた。
砕けた氷の中からレイムが宙に浮かび…ゆっくりと目を開けた…。
「氷結の魔王…あなたが見せた絶望……だけど私は改めて自分の中の大切な人…そして希望を見た……」
そしてゆっくり下降り、床に足を付けた。
「さぁ…このお返しは……戦いで決着を付けよう………」
レイムは氷の呪いを完璧に克服した…今のレイムは何も恐れない、表情をしていた。
「氷の呪縛を解くなんて…さすがと言ったことかしら……だけど私がこれで諦めると思ったら大間違いよ…ここでお前を殺す!」
すると氷結の魔王の手には青く輝くランスを手にしていた。
「当然…」レイムは柄を掴んみ、硬かった表情がニヤリと笑った…。
「私もそのつもりだよ…強い者と戦えるなんて私にとっては何よりのご褒美だよ…」とレイムは剣を抜いた…。
「我はレミナス…最古の魔王の一人、氷結の創造者、氷結の魔王レミナス!…」レミナスはそう言い、ランスを構えた。
「我が名は破壊の神…レイム・レギレス……」
そしてレイムが構えた、直前2人は走り出した。
「てぁぁぁぁぁっ!」レイムは力一杯、横に剣を振った。
「ふんっ」全てを貫く、一突きをレミナスは突き出した…。
レイムは一突きを避け、レミナスに剣を振った。
攻撃は当たり、次に縦に剣を振った。
するとレミナスは瞬時にランスで剣を受け止めようと構えた。
剣とランスがぶつかった瞬間、床が歪み…空間全体の床が衝撃で崩れ、2人は下へと落ちていった。
「クッソ…やっぱり神器と神器の衝突は周りに被害を…」落下している2人だったが、まだ戦いは終わっていない。
レミナスは落下しながら魔法陣を展開し、氷の鎖をレイムに放った。
向かってくる鎖…落下していては避けられない……そうか飛べば…。
「破壊の翼!」
その瞬間、レイムの周りに幾千の黒い羽が周りを囲み、鎖を防ぎ、レイムの背中へと移った。
「破壊の翼が見るのは久しぶりだ…我が力!…」
するとレミナスの背中から冷気が出た。
その冷気が一瞬にして氷となり、翼となった。
糞っ…奴も……。
そしてレミナスはランスを構え、レイムは剣を前に突き出した。
「死ねぇぇぇぇっ!」レミナスはランスを一突きをした。
「まだまだぁぁぁっ!」剣の先に力を込めた。
するとランスの先と剣の先が衝突した途端、破壊の力が広がった。
ズドーン!
レミナスにはダメージを与えることができた。
その時だった。
うす暗い空間が光に包まれた。
飛行が可能とは言え、レイムの力で飛行効果がなくなり、また落ちてしまった。
そして更なる地下へと来たらしい…。
「ここはっ……」
レイムとレミナスが落ちた場所はその空間の中では高い位置であった。
下には氷の塊が並び、その向こうには大きな扉があった。
「ここは…モンスターが封印されている場所だ…かつては世界征服のためモンスターをいつでも出撃できる基地の一つだ…」
その氷の中には様々なモンスターががそこにはいた…。
やはり…魔王が使用する基地だったのか………。




