第62話:記録されたもの
その画面にはキレイな女性が映っていた。
この目線は見ている者と目線を向けて口を動かした。
「第三神暦999年…今外では、我々と神との大いなる戦いが行われている…私も一様魔王の一人だが、私はそんなものには正直興味がない……そんな時でも自分の研究に時間を費やすことにした…」と誰に向けてのメッセージなのかわからない口調で話していた。
だが、第三神暦999年ということはあの大戦の真っ最中か……そして今から約2000年前………。
そして彼女は魔王と言った……。
まだ記録は続く……。
「なぁ~に我々が負けるとは思っていない……この記録の残す理由は私はまた一つ研究が成功した……」
彼女の表情は大きな達成感でいっぱいだった。
そして前に足を組み、その理由を話した。
「それは、ある本の話が本当だったということだ……」
彼女は小さい頃におとぎ話の本で読んだと言った。
「さて本題に入ろう…まぁ私も魔王の一人であるからこの世界を自分の物にしたいっていうのは同感だ……そして当たり前のようにこの世界に最強のものはないのかと……そして実験を行った…力で支配できるものはほぼ世界の全てだ……だが一つだけ支配できないものがある…それは時間の流れだった………」と彼女の口から驚きのことを吐き出した…。
時間の流れ…それを操れるのはあの能力者のみ……。
まさか、この女性が魔王と名乗り、それを実現できるほどの力を……。
「最強の武器つまり神器は生み出すことができるのは神だけだ…それ以外で神器が現れたということはない……私は召喚魔法で世界のどこかにあるという最強の武器を手に入れようとした。実験は何百回も行われた……」
その方法は、何人もの人数で単純な召喚魔法を行った…。
「現れたものはただのガラクタだったり、神器も現れたが求めるものとは違った……」そうそれは、魔王でも難しかったことだったのだろう…。
それか、頭が回らなかったのか……。
「そして困ったとこが起きた…神器がでたのは嬉しかったが意思を持っている神器はその場にとどまることができなかった。目的の者とは違うがせっかく手に入れた神器を手放すことは惜しい……」神器の特性としては一致している…。
「氷の中に閉じ込めると生物と同じように静まり、意思が凍り付いたようだ……まぁ、手に入れた流れを離すととても長くなるから結果を言うね…結果は手に入れられなかった。最強の武器は存在しなかったということか…ということは最強の武器はあの神器達らしいな……」
なっ、何だ……。
結果は失敗か…微妙に焦らしやがって……。
だが女性は透明で小さく結晶のようなものを摘み見せた。
「そして私はこれを発明した……」
「これは、武器と言うより兵器に近いだろう…この兵器は少量の力で一つの町、国、島、大陸などを消滅することができる……。わかりやすく説明すると炎の属性少量を入れて兵器を使ったとすると大陸全体が火の海になるだろう…そして紅蓮の魔王の力を入れ、使って海に投げ入れるとその一部が蒸発し新たに大陸が誕生するとこが可能だ……これをひらめいたきっかけはあの氷結の剣のおかげだ…一日で大陸全部を凍らせた力を再現したとも言える。そしてこの兵器が始動した後は誰も止められないし神器でも止めることは無理だろう…これはほんの一部だが、始動プログラムを変えると小範囲や広範囲、破壊の仕方などの事もできる…これは、最高傑作だ…使い時が来ればいいのだなぁ…」
つまりは、少量の力を加速させ、広範囲から小範囲まで変えられ、火力はそのままで全属性可能と…。
一つ質問したいのが、何故、神器をなんか召喚するという実験でそれが生まれた……。
だが、いつかそれが脅威になることは間違いないだろう…。
その実験の副産物として作られたということか……。
そして女性がボタンを押した動作した瞬間画面が真っ暗になった。
これが、記録されていたもの……。




