第61話:暗闇の先に
レイムの表情が酷くなっていることに皆が心配の言葉を口にした。
「おいレイム、大丈夫か…」レイムを担ぐソージには荒ぶる呼吸が聞こえていた。
だが、歩みを止めることはできない…。
まだ、追われていることを忘れてはいけない…。
少し進むと一番前で道先を照らす、リツリが叫んだ。
「上に行く道があったぞ!…」
今は道なりに進むしかない。
もちろん目的の場所は神器の場所…レーダーは神器に反応している。
進む先は神器…その神器が氷結の剣だったら精神障害を解けるかもしれない……。
リツリが登り切ると灯りが消えた。
「なっ…明かりが……」
それは、不自然な消え方だった…。
暗闇の中、皆が登り切り、消えた原因を話し合った。
結果、この空間にも魔法妨害の結界が張られていた。
「これは思ったより、厄介だな…なぜだかわからないけど、あちこちに魔法を遮断するもしくは魔法を使えなくする壁やバリアがあることだ。これでは暗闇で離れてしまうこともあり得る…と言うわけで、縦一列で全員腰に紐を結びつければ、離れずに済む…」
ということで、ロナの案を実行した。
暗闇で前が見えないということで暗闇でも見えるスキルを持つロナを戦闘にソージ・レイム、ソピア、サリア、シール、ピール、リツリという順になった。
さすがに何者かが襲ってくるのなら一瞬で叩きのめすが…動かない壁などは勢いよくぶつかるのがオチだ…。
大きな空間の中を進んでいった。
何十メートルか、進み2つの分かれ道があった。
どっちに行こうか…正直どちらでもよかった……だって見えるのはロナだけなんだもん。
「じゃあ、左で……」とロナは左に体を向けた。
少し狭い道に進むと灯りが付いた小さい空間に出た。
そこにはモニターらしきものが砂嵐が映っていた。
「これは…通信機か…こんな所に……」その空間は小さく氷の薄い板が縦に壁に掛かっていた。
この部屋は氷の色と言うより、白い部屋だった。
すると回るような揺れが部屋全体に響いた。
今だに全員紐で結んでいた。
「ここでは必要なさそうだ…」ロナが紐に触れるとパタッと下に落ちた。
揺れが治まりあたりを見渡すと、入っていた通路の先には全くの別物の空間があった。
部屋全体が回った…。
こんな装置が……間違いない……ここっは人口で作られた………。
ソージがレイムを抱え、その先へと進んで行く…今度はとても広く、奥にはさっきの氷の板が巨大になったものが壁にあった。
左右にデスクの列ができていた。
その間を進んで行く一同はこの空間の中にあるもの全てが未知だった。
「何故、こんなものが……」
巨大な氷の板の目の前には操作できそうな機械があった。
ロナがその台に上がり、適当にボタンを押した。
すると氷の板に映像が映し出された。
画面にはロングの女性が映っていた。
「これは、何かの記録……」
そこに写った者は、以外で…その力は第一位を抜くものを……。




