第6話:導かれた光
シズゼリア領域の周りには森が深く大抵の者はその森には立ち入ることはないが、今日は2人組の男女がその森を歩いていた。
「おい、ソピアなんでこんな所にちょっとわ、休もうぜ」俺達は深い森の中を歩いていた。
はぁ、はぁ、もう何日歩いてんだ。
突然の出来事で俺はまだ頭が追いついていないが…。
俺は息を切らし歩く足に体重をかけていた。
ただ妹について行ってるだけで俺には妹が何を企んでいるのかわからなかった。
俺はソージ・ソシアル。年齢15歳、見た目は凄くイケメンでもないし髪は黒で短い…平凡な男子。
前にいるのがソピア・ソシアル。俺の2つ下の妹。可愛くて街を歩けば人々から話しかけらるし髪は金髪で長く2つにしばり、しかも頭もいい完璧な妹だ。
さて話を戻そう。なぜ俺がこんな所にいるのか。
それは、数日前のことだった。
俺は光の国の名門の学院を卒業し2つ下の妹が学院を卒業するまでの2年間光の神の騎士として修業をしていた。
2年後、妹が学園を卒業した。
学院では何も目立たずに学校生活をおくっていたが、妹はいつも女子に囲まれていて男子からは告白なほぼ毎日されていたらしい。
俺は友達も少なかったが成績や剣術はトップに入っていたのが幸いだった。
だが妹は主席で卒業したので当然同級生や後輩からはチヤホヤされてて何時間もその卒業式場から出られなかった。
俺は大切な妹の卒業式だったが退屈な日だった。
くそぉぉぉっ…良い妹を持つと兄が苦しいぃぃぃっ…。俺は本音をどこかで叫びたかった。
そんな日の夜に妹は何の前触れもなく「ソー兄、いくよ」と言った。
「…え、どこに」と俺は即答したが、ソピアは俺の質問も聞かず…。
もう夜も遅く寝ようとした俺は妹に手を引っ張られ国を出て海を渡り日が差す頃にはこの森へと入っていた。いくら理由を聞いても「黙ってついてきて」と言うだけだった。
くそ最初妹のためならと思った自分を殴りたい。
男の俺だがもう無理に近い体力だった。
今までこんなことはなかったのに…。
まさか…人格が変わった…。
急に、これが本当の私だよ…とか…いやいや…。
俺の頭の中ではそんなことが暴れまわっていた。
すると「あれだよそー兄」とソピアが指を指し言った。
気づいたら俺達の目の前には大きな泉、いや湖があった。
その中心には島が浮かび高くそびえ立つ大きな城が見えた。
俺はその時、その城が何の城でここがどこなのかを…。
待て…周囲は黒く染まり、湖の中心に漆黒に染まる城…。
俺は目の前にあるのが本当なのかわからなくなり、ソピアに駆け寄った。
「おい妹よ。ここって…」俺は汗を垂らした。
あのとても高くそびえ立つあの黒い城。
明らかにここの空間だけ空気というか魔力が感じられた。
「そうだよここは…」ソピアは嬉しそうにあの城を見つめた。
お前…何でそんなに嬉しそうなんだよぉぉぉ~。
「ディスラクシェント大国」俺は自分の目を疑った。
「おい妹よわかっているのか。どの国の人間も種族もましてや神も近寄らない、世界で一番恐れられている国だぞ。無論俺ら光の国出身の人間なのに何でこんな所に…」俺は妹の前で泣いた。
この二人は、はっきり言ってレイムを支える役割です。
レイムとソージ達の強さは圧倒的ですが、それでも守ろうという心が育つ所も注目!