第58話:氷結の大地へと上陸
飛行船を乗って3日が経ち、無事に何事もなく氷結の大地の目の前まで来た。
いつの間にか、周りの空気は冷えてきた。
世界最大の大陸……そのどこかにと言いたい所だが、氷結の魔王が封印された場所はピッタリと大陸の中心の国らしい…。
「もうすぐ、下降して氷結の大地に着きます…」と操縦を握るリツリがそう報告した。
「もうそろそろか…」とレイムが身を乗り出し、周りを見渡した。
三日も飛行船に乗っていたら平衡感覚がなくなりそうな状態だった。
「光の神はこの氷結の大地で魔王が復活したと言っていた…」
それが、本当なのかわからないから、私達は調査しに来たわけだ。
この大陸周辺は冷気の影響で視界が霧に包まれている。
そして、飛行船は降下していき氷の上へと着いた。
先にソージとソピアとサリアが氷結の大地に上陸した。
その瞬間、空気に漂う冷気が肌に巻き付いてきた。
「うわっ…凄い寒い……」とソピアとサリアが口を合わせて言った。
一様、俺達は寒さ対策で防寒魔法をかけているが、それでも寒いようだ。
まさに氷結の大地だ…だが防寒魔法をしないと凍死するだろう。
一様皆、防寒着を着てきている。
レイムも同様だ…。
この大陸は前までは人が住んでいたが、あの出来事からこの大陸の全てが厚い氷に包まれ人々も同様に氷に包まれた。
それは、誰もが知っているおとぎ話のようなものだ…。
その後は濃い冷気に覆われ、入ったら方角なども分からなくなるそうだ…。
冷気はあの神器の力によってできているため、魔法などでは絶対に晴れることはなく、数メートルはもう白い冷気…。
そんな大陸だからだと言って、我々勇者一行が諦めるわけがない…。
ロナが財宝層で取ってきた、神器を感知できる魔道具があれば強い力なら追うことができる。
まぁ、これは歴代の破壊神に感謝だ。
そしてレイムもゆっくりと足を氷の地面に乗せた。
「くぅ……」と冷たさを我慢するような声が漏れ、裸足で氷の地面に足をついた。
「初めて来たけど、やっぱり噂通りみたいだね…」レイムは手に行きを吹きかけた。
「さぁ、予定通り魔道具で神器を感知し目的地に行こう…移動する際は馬車で移動しよう……光の神が言ったことが本当なら術式で動いている乗り物なら、すぐに撃ち落されていまうだろう…」
「そうだね…そのほうがいい……」レイム達も同意したことを確認し…ロナは飛行船を水晶にしまい馬車を目の前に出した。
何故、討ち落とされるかと言うと、まず未知の大地だから…それとこの大地には大戦時には魔王軍などの姿が確認されているためだ…。
もし、それで撃ち落されたら………めんどくさい……。
「じゃあ、乗ろうか…目的の所まで着くには何日もかかるし途中で何もなければいいけど……」レイム達やロナ、ピール、シールは乗り、リツリは馬を操り、馬車を進ませた。
この馬車の前には漆黒の馬が二頭、この馬は破壊の力と融合させた生物だ…。
まぁ、わかりやすく言えば…破壊の馬だ…。
馬車の中は見た目より広く、長い時間この中に過ごすんだから足を延ばせるくらいの広さだ…食事は城から転移で流れてくる…。
「まぁ、この移動は魔道具が感知するまで中心に向かっていくしかないので……」とロナは言いにくいようだ…。
つまり、待ち時間が長いということだ。
一様だが、この中の全員は待つのは苦手だ……。
レイムやソピア、サリアは毎回変化が変わらないとつまらなくなる…。
馬車で進み、中心には一週間…いや二週間…もし天候などで左右されるのであれば、三週間はかかるだろう…。
「もし、魔王が本当にいたとして倒したら、報酬の請求は高額で……」とレイムはロナに命令した。
「はい…同然です……」
……なんというか…みんなどこか似ている……。
そしてその頃、崩れた城の地下では…。
「復活は成功したが、まさかこの私が聖騎士の光の騎士なんかに封印されるとは…私は相手を見くびっていたようだ…」あの剣が抜かれたことにより、城とその周辺の氷が不安定になり崩壊した…。
今は遥か下に……。
水色の髪の女性は前へ進み、氷の玉座に腰を下ろした。
「私が復活したことはもう光の神に気付かれただろう…恐らくここに来るのは、エマが言っていた勇者達だろう……そしてその一人…あの古の大戦では全ての王達が跪き、死を恐れる力を持っている破壊の神の5代目のレイムか…貴様の力がどんなものか私は気になる……」
氷結の魔王はニヤリと笑みを浮かべ、氷の瓦礫から差す光の下で奴が来るのを玉座に座り待つのであった。
「さぁ、楽しみだ……」
最古の魔王第二位…エマとは姉妹みたいなものだ……。
いいや、これは事実かもしれない……。
最古の魔王ともう一人を含む6人は同時に生み出されたため、姉妹は変わりない……。
「封印された事をエマは怒っていたな……私は判断が欠けていたようだ……」以外に氷結の魔王は反省をしていた。
だが、今はエマから聞いた勇者が来るということで肩慣らしで迎え撃つということだ……。
「エマ…あれでよかったのか……」と浮遊する城では、第4位であるリビルがそう言った。
「あぁ、私はあいつとの関係は敵同士なのかと考えている…」
「あいつ?……」リビルは問いかけた。
「破壊の神だよ……私は…あの時……いや……この考えはまだ伏せておこう……。今はあいつの力を見るため、レミナスを封印から解かれた後だが、置くことにした……結果は――」
浮遊する城では、エマたちの計画はまとまり、あとは全員が集まるのを待つだけとなった…。
「さぁ…そのうち変化というものが起きるだろう……巨大な変化が………」エマは何かを望んでいるようにその言葉をこぼした。




