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第55話:ディスラクシェントの日常



 ここは、第十一階層「破壊の玉座」…名はそうなっているが玉座の前には多くの部屋と迷路のような通路が広がっていた。

 まぁ、玉座の階層ということで、その前には無数のトラップがあり簡単には進めない様になっている。


 いつもは人影は少ないが玉座の扉の前に人影があった。




 「誰カト思ッタラ、ロナノ配下ノドラコレカ……ココデ何ヲシテイル?……」と玉座の扉に佇む一つの影に近づくワ―レストがいた。



 本来であれば、守護者は階層を守るが別に侵入者がこないときにはワ―レストのようにどっかの階層を散歩している時もあれば、同胞の仲間と会う時もある。



 第九階層『漆黒の庭園』の守護者ワ―レスト…その階層は植物は勿論の事木の実なども育てている……。

 


 「おおぉっ、これはこれはワ―レスト様…」と明るい雰囲気で声を上げ、首の部分をペコリと下げた。

 

 その姿は緑ドラゴンのぬいぐるみだった…。背中には赤い刺が生え、翼は緑のものだった。


 

 「君ガ、ココ二来ルナンテドウシタノカナ……」とワ―レストは冷たい雰囲気とその冷気の声でドラレコに問い掛けた。


 

 やはり、噂通りか……そもそも噂ではなく真実だった……。

 ドラレコの中で一つの驚きがこの瞬間にあった。


 ワ―レストの質問には嘘を付けないこと……機人種の中で最も強気存在であるワ―レストは約3000年前から破壊の神に加護を受け、お仕えしてきた…そんな月日が経ち、その強さと体は全くの別の物になっているだろう…。


 その結果、機人種のコアの一つである脳……その中には会話、動作、生命に重要なものと同じような…完全に同じな形で作られている……。



 今やそれが進化いて、ワ―レストは頭の中を読めるようになった…。

 対象の制限などはなく、レイムの頭の中も読めるが、読んだとしても黙っている……。


 

 そしてその強さも…破壊の神に唯一互角に戦えるのは三大最強守護者だけ…その一人であるワ―レストはバランス型と言った方が適切で、全ての属性を使え、破壊の力に対する耐性を持っているため、もし破壊の力をくらったとしても耐えることが可能だ…。


 今現在はレイムはワ―レストよりレベルは下だが…早くもレベルは追いつき追い越されるであろう…。

 歴代の破壊の神はそうだ…レベルが下は幼い頃やまだ未熟な頃だ……。




 「はい…我が創造主のロナ様がいらっしゃらない今この第十一階層と第十階層は私が守護しなくてはならないので……」


 「ホウ…ダガ、コノ第十一階層ハ全テノ階層デ一番広イ階層……ソシテコノ階層ノ全テノ部屋ヲ把握シテイナイトトラップガ発動シテ君ノレベルナラ一発デ消滅スルノデハナイカ……」とワ―レストは少し脅すように話した。




 だが、ドラコレは表情を変えることはなかった。


 「いえいえ、ロナ様からこの階層については全てお教えいただきましたので……」


 ソウナノカ……ホウ、ロナはチャント教エタヨウダナ………。


 ワ―レストの頭の中でロナがドラレコに教えている光景が流れた。




 「…マァイイガ今ハ、リツリトディリアトビリルハ外ヘ出テイル……。リツリガイナイ以上使用人枠デアル君ヤ君ノ同胞タチガヤッテクレナイトネ……」


 この城は城以上の広さを有する…正直言って使用人が何千人も居なければ一日分の掃除をすることは不可能だ…。


 「正直二言ッテ君達ガ掃除ナドヲシナイトイケナイ場所ハ、第一階層、第十階層、第十一階層、第十二階層ノ4ツダガ、地下ハチャントヤッテイルノカ……」地下については使用人が暮らしている所だ。及び生活用品は全て地下に保管されている。


 そして最大であり、貴重な階層…『宝物庫』そこは、歴代の破壊の神が手に入れた秘宝がここにはある…。


 そしてそこに行くためにも使用人の階層を通り行かなくてはならない…。


 つまりはそういうことだ…。


 「誰モ見ナイトシテモホコリマミレデ、モシ、レイム様ノ食事二ソノホコリガ入ッテイルヨウダッタラ……」とワ―レストの視線が鋭い目つきでドラコレの方を向いた。



 その目からは、だったら…地下担当の使用人を全て消すという言っているような目だ。



 リツリは上だけを担当しているが、全ての使用人をまとめているのはリツリだから……まぁ、そんなことはないとして……食事の料理室で上に運ばれている…。


 

 そしてこのドラゴンだが、ロナが創造物だ…。いつもは第十階層内で掃除などをしているし、ロナの手伝いなども行っている。


 リーダーがドラコレでその同胞は形などは様々で30体いると言われている。


 レベルは11という中途半端な数字だが、元々戦闘など敵が来たら前に立たせるということはしない存在なのでレベルは低いのが当然だ。



 

 「承知しております…さすが、守護者の中で最強のお方…ワ―レスト様は細かく物事を見ておりますね………」とわかりやすいお世辞を口にした……。


 まぁ、そんなことは機人種であるワ―レストはお見通しだ。



 だが、その言葉を聞いて少し表情を硬くして口を動かした。


 「今ハネ……モウ3000年モナルケド…レイム様ナラキットネ……」ドラコレはその言葉の意味を知らなかった…。




 現在はワ―レストが最強だが…元居た守護者は最初の7人、ワ―レスト、ベルーナ、ビー、ビリルと後の3人は3000年前の大戦後抜けた……理由に関しては4人は何も言わなかった…。



 抜けた3人のうち2人がいた頃は、ワ―レストと三大最強守護者と言われていた…。



 だが、今となっては……今も加護があるならば世界のどこかに……。



 そう思いながら、ワ―レストは第十一階層を後にした……。




 

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