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第53話:プロローグ-1
大昔のことだった……。
大きな大陸にとても栄えた国があり、そこは緑豊かで世界で幸せな国だった。
だが、その幸せは…続かなかった。
その国は突如として滅びの道へと進んだ。
そう…あの空から現れた、一本の剣によって…。
その剣は城のど真ん中にゆっくりと降りてきた。
屋根を崩し、城の中庭の中心に刺さった瞬間、この大陸が氷に覆われた。
水氷属性の中で最強の神器、氷結の剣…。
まるで、氷からできた大剣とは異なる剣の形だが、重さは大剣より氷結の剣の方が少し重い……。
その剣は長年にわたって主がいないまま、世界をさまよっていた。
そのため、一瞬にして大陸を氷に包んだ紅蓮の大剣の力以上を宿している。
あのフィナが持っている炎属性最強の神器、紅蓮の大剣と同等の強さを持っていて、氷結の剣に対抗できるのは紅蓮の大剣だ…。
その剣は今もあの氷の大地の中心に突き刺さっている…。
神器の望む、出会うために…。




