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第51話:大魔王復活



 キッッッ―――!


 そして二つの剣先はぶつかり合い、周りに衝撃波が流れた。

 

 二つの覇気はそれなりの強さのもので、その当人も傷を負ってしまうほどに……。


 だから剣を握る二人にも少しずつ切り傷を負っていき、そのため互いが着ている服が少しずつ切れていった。



 

 レイムはもう力は残っていなかった…。

 3人連続で相手にし、そして最後には魔王と……だからこの一撃に全てを懸けた。


 「はぁぁぁぁぁぁっ!」レイムは一歩一歩踏み込んだ。


 まだだ……私はぁぁぁっ……。


 魔王の素顔は影で全然分からなかった。



 「てぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」とレイムは両手で支え、破壊の剣を最後に思いっきり前に突き出した。


 グシャッ!……。

 

 その瞬間、赤黒い剣が砕け、そのまま魔王の心臓を貫いた…。


 「コッ……ガッ………」魔王は完全に心臓を貫かれていた……。


 そして、バタンとそこに倒れた……。


 

 「やった……」剣に重みを感じなくなったのか、その瞬間に体全体から力が入らなくなりレイムも後ろへと倒れた…。


 手には刺したときの感触があり、破壊の剣には血がついていた…。


 「本気っ…だった……。私は…勝った……」と呟き、静かに目を閉じた…。



 

 すると扉の音が聞こえ、誰かが自分の名を呼び足音が近づいてきた…。


 「レイム様!…」とロナはレイムの横へ座り、すぐに治癒魔法を唱えた…。


 傷はあんまりだったが、倒れた原因は魔力量が限界値から超えたからだ……。


 ロナはすぐに黒い液体がある小瓶をレイムに飲ませた。



 なっ…何……。今の感覚は口の中に何かを流し込まれている…。

 

 レイムは自然にそれを飲み込んでいった。

 

 なっ…何か……力が体の中に溜まっていく……。

 

 

 「かはっ……ゴホッゴホッ……」とロナが小瓶の中を全部流し込むとレイムは咳をし目覚めた。


 目を開けると、みんなの顔が視界に飛び込んだ…。

 「みんな……」とレイムはそう呟き、頭の中で状況を整理した。


 「レイム様……ご無事で何よりです……」ロナの声が聞こえた…。

 

 そしてゆっくりと起き上がり…周りを見渡し、状況を飲み込めた…。



 「私は勝ったのか……」

 「はい…レイム様の勝利です……」


 「凄いな、レイム…俺はお前ならできると思っていたぜ!」

 「私もレイムちゃんだったら、絶対に倒せると思ったよ!」

 「私も信じていたぞ…」と3人はレイムの勝利を褒め称えた…。


 「ありがとう…ちょっと無理したけど……結果良ければいいってことか!」たった今眠りから起きたかように背伸びをした。

 まぁ、寝ていたと言うより気絶に近いだろう…。



 「ロナ、世界の状況はどうなっている…」

 レイムは床に寝ている破壊の剣を拾い上げ、血を掃うために一振りし鞘に納めた。


 「全紅蓮の魔王軍が消滅しました。これは世界に衝撃が走りますね…」ロナが言いたいのは、その名の広がりと、魔王を倒したことだろう…。


 世界初ではないが…確実と言うべきか…このケースは初めてだ…。


 そしてレイム達は…魔王を一目見て、扉に進んだ…。


 「じゃあ我が領域に帰るよ……」レイム達は光に包まれた。



 破壊の神が紅蓮の魔王を倒したという噂は世界中に広まった。


 水晶を通してラウルに報告した。



 そしてレイム達は魔王を倒した英雄として歓迎された。




 そして数時間が経った。


 「んっんんんん…」フィナは玉座の前に寝ていた。


 ゆっくりと起きあがると幹部達と魔王様もそこへ寝ていた。


 「皆さん、魔王様起きてください…」

 「俺は遺跡の最深部で…」

 「俺は森で…」

 「私は紅蓮の庭園で…」


 「そして私は、玉座の前の階段で…」


 何で…私は……あの時………。


 だが、すぐには頭に出てこなかった…。

 確実に言えるのは、死んだということだ……。


 幹部達は起き上がり、自然と玉座を見た。




 そこに座っていたのはレイム達の前に現れた、あの赤髪の少女だった。


 「いや~見事にこの計画に反逆できたねぇ~」と少女はこの空間の空気を一気に変えるかのように明るく喋った。


 お前は誰だと言うのかと思ったら、幹部達はその少女の前に跪いた…。



 「まぁ~君達のことは攻めていないよ。全て私が裏で動いていたからだ……なぁ、デュラベル…」とそれと同時に魔王が起きた。


 あたりを見渡し、少女に気付きすぐさま跪いた。



 その頃、レイムは一つの疑問につまずいていた。


 あの少女は何者なんだろうと…。




 跪いた、魔王は衝撃的なことを言った。


 「魔王様…」と…。少女は笑った。


 「今の魔王は君だ…初代である私が君にどうこう言う資格はない…だがこの状況になったのなら指導者は私が勤めよう…」

 「わかりました…」


 この会話からして、この少女の正体が明らかとなった…。


 初代紅蓮の魔王は……神と戦った実力を持ち……魔王の中で最強の魔王と呼ばれているのは、実は少女のことだった…。



 そして初代魔王と名乗る少女は立ち上り宣言した。


 「初代紅蓮の魔王エマ・ラピリオンは最古の魔王と新世代の魔王を集め、同盟を結ぶことをここに宣言する……次はこちらのターンだ…奴らの思い通りにはさせるわけがない……」



 そして…死の一族を含め、最古の魔王達も彼女の力を恐れていた…。


 そして神達にも……もし、光と闇で分けられるとしたら……彼女は闇の世界で大きな柱となるだろう…。


 死の神によって、6人は生み出された……6人のうち5人が魔王となり、世界を征服しようを……。




 エマ・ラピリオン……その者は魔王の中でも最強であり、全ての種族の頂点に立つ者……神にも死にも恐れられ、この世界で互角に戦えるのは数人って所……。


 決して、死ぬことはない……。



 そんな人物を世界は……大魔王と呼んだ……。



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