第50話:紅蓮の世界
レイムは奥の扉を上げ、その部屋へと入った。
「ここは…玉座か…」
左右に柱が並び、この空間はとても暗かった。
空間全体には、邪悪な力が流れ…中に入っただけで身の毛がよだつような感じだ…。
そして、奥には玉座に座る大きな影があった。
「よくここまで来たな…やはり破壊の神には幹部達もかなわないらしい…」と低い声がこの玉座に響いた。
「それはどうゆうこと…」とレイムの口から予想外の言葉が出て、魔王は少し動揺した。
「私はあの少女と道化の話を聞いて思ったことがあった……」レイムは人が変わったように今までの情報を一つにまとめた。
「計画の部外者はあの道化だった……その道化はあの方の計画に紅蓮の魔王が従わないと言っていた…。ということは破壊の神を倒せということではないのかと考えた……」
何故、それが分かったかと言うと……。
「まず…何故、紅蓮の魔王が第四神暦になって動き始めたのか……。魔王は世界の支配ということは敵として神は絶対だ……だがその神々の中で最強の存在が生まれた…それが私…。今までの歴代は3代目と4代目は紅蓮の魔王に挑んでいる……。だが敗北はしたがそれでも魔王によっては脅威えしかない……」
「ほぅ……」声のトーンから間違ってはいないようだ…。
「まぁ、絶対の理由があの道化の言った言葉……紅蓮の魔王は裏切ると思った……これは、何故が最初に来る……その計画とは…だが道化の目には明らかに私に何か特別なものを感じていた…。もし、私達が関係ないんだったら何かしてくるはず……」
「ほう…だが……」
「何もやってこない…つまりそんな命令は道化はされていない……。それにつきあの方と言うのは紅蓮の魔王と同等の力と権力を持っていると予想される……。まぁ計画の内容は……」
「その計画に従わないということはわざと倒され、破壊の神…つまり私達にあの方という者を倒してほしいということ……」とレイムは真実に近いことを答えた。
だがこの答えがどうかはわからないが……明らかにこの話から未知の情報があった…。
「ほう…正直言えばそうだが……何故そこまで導き出した?……」
それには紅蓮の魔王もわかなかったようだ…。
「その日の夜に夢なのかわからないけど……なんだろう……」
その内容はうまく言えないらしい…。
未来と言うか…覚えているのは所々だ……。
「だが我を倒してのあの方という者の所に行けることはない…。さぁどうする、我と戦うか…」と魔王は玉座をたった。
「言っとくけど、私はその二つの計画には従わない……私が目指すのは…この最強を……」とレイムは剣を抜いた。
「いいだろう。さぁ、見せてやろう…我が世界…紅蓮の世界を……」と魔王は赤黒い剣を構えた。
その瞬間、この空間に熱が満ち…紅蓮の世界が展開された。
これが…紅蓮の世界……炎属性の効果は絶対だ…。
わかりやすいのが、燃えながら戦うかもしれない……。
「うぉぉぉぉぉっ!」レイムは魔王へ走った。
魔王はそこから動いていない。
「ふっ!」と魔王は手に持つ剣を大きく振り下ろすと、同時にレイムも魔王に剣を振った。
ギンッ!
「切り裂け、破壊の翼!」2人を幾千の破壊の羽が渦を巻き、切り刻んだ。
その流れに、天井からかけられているカーテンが揺れ出した。
もし、これで魔王に傷を与えられているのであれば……。本来だがこの攻撃に巻き込まれると切り刻まれる…。
レイムと剣を交わせてる魔王は微動だにしなかった…。
だが、確実に体中を切り刻まれていた。
すると、このままでは決着あ付かないと思ったのか…魔王も攻撃を仕掛けた。
「爆炎の翼!」
その瞬間、羽の渦の中から炎が噴き出した。
破壊の翼は消えなかったが、炎が噴き出したことによって周辺に散らばった。
レイムはその衝撃で吹き飛ばされた…。
「くそっ……」とレイムはすぐに立ち上がり、破壊の剣を天に掲げた。
すると炎が剣に吸収され、レイムの背後には幾千もの羽が集まり、翼になっていた。
そして目にはあの紋章があった。
その紋章を目にしても、魔王は何も言わずにいた。
「紅蓮の世界さえも、私の力となる……」その目に紋章が浮かび上がると、レイムは少し変わってしまっている…。
すると、みるみると剣から力が溢れ出していた。紅蓮の世界を変換しているためだ…。
恐らくこれで、決着をつけるみたいだ……。
それを見て、魔王も剣に力を注いだ。
この空間は既に破壊の力と紅蓮の力が混合するかのように流れは激しくなっていた。
そして、充填が完了したのか…お互いに剣を前に向けた。
「はぁぁぁぁぁっ!」「あぁぁぁぁぁっ!」二人とも同時に走り出し、剣先を向けた…。
後には黒く長い髪が靡き、破壊の力が周囲に広がった…。




