表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/212

第5話:再びの神



  地上ではラウルがあの男の攻撃を剣で受け止めえていた。

相手は力が強くラウルと互角だった。

 くそ、これほどの力を魔王軍が…もうだめだ…。とラウルが目を瞑り諦めかけたその時だった。


 地面から黒い光線が飛び出し、同時に凄まじい衝撃波が発生し周りの物は全て吹き飛び中心に大きな穴ができた。

 

 ラウルと男のその衝撃波に飛ばされてしまったが何とかラウルは無事だった。

 中心にできた穴から黒い煙が湧き出てきた。それは力が溢れている証拠でもだった。


 すると黒い影が穴から出てきた。

 「なっ…」ラウルは立ち上がりその影を見ると別人に変わっていたレイムの姿だった。

 その姿は神の姿そのものだった。

 「なんだあれは…」


 全身黒く染まり黒い翼と4つの輪がラウルには初めてみるものだった。余りの驚きにラウルはその場に固まってしまった。

 「さっきのお返しだ」とレイムはその男を睨みつけた。


 レイム…その目…。

ラウルが見たレイム目はある紋章が刻まれていた。


 その紋章は七千年前のものだった。

 ある時、6人の神々が4人と2人に分かれた。

 その2人の神がその目的のために仲間の種族達とともに戦った…その時に独立神ということでその紋章を作ったと言われていた。


 その戦いは歴史に刻まれ、古の大戦となった。

 その大戦の最後は4人の神が魔王と2人の神を倒し世界は平和になったと伝われていた。


 死んだ神の紋章が今目の前に現れラウルは絶句してしまった。


 まさか復讐…なのか。

 ラウルはそう悟った。


 すると「我の真の力を見せてやろう」とレイムは両手を上に、いや天に向けた。

すると力という力がその手の上に集まってきた。その力は目で捉えることができるほどでレイムの周りを魂みたいにうようよと進んでいた。


 「覚悟はよいか。魔王幹部のジン」

 「ジン?あいつの名前か」

なんで知っている。ラウルはその男をみたらその男はすごく驚いていた。


 「いや普通に驚いてる」

ラウルはつい声にしてしまった。

 

 何故か…やはりと言った方が…。


 だがやばいあの膨大な力をここで放たれたら…。ラウルは止めようと考えるがあの状態のレイムは止めることはできないと思いラウルはその場に立っていることしかできなかった。


 あたりは力が集まって大風がおき、上を見ると雲は黒くなりレイムの上へと集まり雷が鳴り始め、黒い力が黒い雲に吸い寄せられていた。

ラウルも飛ばされそうになり剣を地に突き刺した。


 「なんという強大な力なんだ…まさかここで真の力を見られるとは…」

 全ての力がその手に集まり黒く光り出した。


 レイムはその力を完全に手で操っていた。

 そして…。

「すべての力を破壊の力に…破壊(ディスラクシェント)

レイムはそう言い手を下へ振り下ろした。


 全ての力は男に向けて放たれた。ズドーンともの凄い音とともに衝撃波が周りにいた者達に襲い掛かり純白の光を出していてその光景を見ることすらできなかった。

 そして男は力と光に飲まれながら叫び声をあげて男は消滅していった。それは溶けていくかのようだった。


 力が出した純白の光は天に届くくらいだった。

 光と衝撃波が止みラウルは立ち上がり辺りを見渡すと目の前には大きなクレーターと力がまだ溢れていた。

 これがすべての力を破壊の力へと変えていく力…。

ラウルの目の奥には少し恐怖の色があった。


 神でも耐えられるかどうかわからない最強の一撃なのかもしれないとラウルは思い右手を握りしめ胸に当てた。

 国の方を見ると入り口にそびえ立つあの高い門と国を囲んでいる壁は半壊していた。

 そして再び力の跡を見ると普通の人間いや多種族も近寄れない危険な魔力をいや霊力を私は感じた。




 魔王軍はいつの間にか消え騎士達は喜びの歓声をあげてた。

 だがラウルはその跡から目を離さなかった。


 すると突然ラウルは一点を睨むように見た。

 そこには小さくなったレイムが倒れていた。

「レイムゥゥゥゥッ」ラウルは斜面を駆け下りレイムの元へ行くと膝をつき抱いた。

だがレイムは目を覚まさなかった。


 死んだのか、いやこれは…はぁ、なんだ力の使い過ぎたのか。


 その姿は少し幼い姿になっていた。

 いやもう力はほとんど残っていない…あの紋章は消えていた。

 ラウルは深いため息をついた。


 すると「ラウル様ー。レイム様は大丈夫でしたか…」と言いながらロナはこっちへと走ってきた。

「あぁなんとか大丈夫そうだ。ロナ…レイムを任せる」と言いラウルは聖騎士とともに光の国へと向かっていった。




 この件でウォーシンクの小さな町が3つほど消滅した。

その町の人々は一人も生存者が見つからなかった。

これにより人々と多の種族達に恐怖という呪いの傷跡を心に負った。


 あの一撃は世界へと知れ渡り同時に破壊の神という存在が新たに世界に知れ渡った。

一人の幹部を失ったためまた大きな襲撃がこの世界のどこかで起こると神々達は思った。




 そして神と魔王の遠い昔に止まっていた歯車が今この瞬間から時計のようにカチカチと回り出した。


 神と魔王しか知らない過去

 私しかわからない現在

 神でもわからない未来…この世界が何でできたのか、なぜ神というものを作ったのか世界にはいろいろな疑問が漂っている。


 自分は何者なのか。

 世界はここだけではないのか。

 なぜ永遠というのがあるのか。

 なぜ私達は人間と似ているのか。

 なぜ心というものが存在して気持ちというものがあるのか。


 これは神がふと思ったことでもあった。


 それは私の物語でもあり人生でもある。

 「世界には純白の神様はいるのかなぁ」と私が7つの時に空を見上げながら言ったらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ