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第49話:破壊神vs紅蓮の大剣



 そして「神器解放!」とフィナは口にした。

 

 そうだった…神器を使う者達には使うことができ、神器の全ての力を解放する術式…。


 それをすっかり忘れていた…。



 「みんな距離をとって!」とレイムが叫び、全員が後ろへ下がろうとした。


 だがもう巻き込まれるまでの距離があった。


 まずいっ…間に合わない…。




 そして紅蓮の大剣の神器解放術が始まった。


 まず、フィナの体の傷が回復し、鎧が消えた。


 そして4つの赤く輝く結晶が現れた。


 そうこの大剣の元となった資源だ……しかもあんなに大きい……あれを繰り出すのか…。



 フィナの周りには紅蓮の覇気が漂い、近づけない状況だった。


 

 「行くぞ!」

 フィナは大きく横に大剣を振った。


 その後に炎の斬撃が来たが、炎の中には紅蓮の結晶が無数に混じっていた。


 待って、あの時と比べものにっ……。


 「ぐはっ」4人は避けることができなく、当たってしまった。


 結晶に触れた途端、燃え上がった。

 レイムは大丈夫だが、3人は大火傷をおった。


 「みんな……」燃え盛るようすをレイムは見るだけしかできなかった。



 

 そうか……。

 レイムはその瞬間、フィナの言葉を思い出した。


 私が倒れた時の状況はお前一人だ……は…神器解放の術で絶対に3人は倒れると確信していたのか。

 ソージ達はその場に倒れた。



 「神器には神器だ。お前だったらわかるだろう。さぁお前一人で立ち向かって来い……」

 

 レイムは心の底から込み上げる怒りを抑えた。


 怒りでは負けてしまうからだ。


 レイムは心を落ち着かせ、立ち上がった…。



 

 恐らくだ…フィナの周りは高熱を保っているのだろう。


 じゃあ何故、床のカーペットが燃えないのかは疑問だが……。


 紅蓮の大剣の神器解放術は……まず主の傷を全て回復し、一振りにはマグマや炎を結晶化した細かい石が飛んでくる。


 近接も遠距離も可能なんて……まさに最強の神器…これはこれの出番だ。




 「出番だ、神器シルバーウォー…神器解放!」短剣を掲げ、神器解放術を唱えた。


 その紅蓮の力だけということが助けだ…炎の力を全て無効化して、破壊の剣でトドメを!

 レイムは態勢を低くし、いつもの突っ込む作戦で行くと決めた。



 その短剣が純白に光り出した。


 右手に破壊の剣、左手に短剣を持ち構えた。



 


 「行くぞ!フィナ!」レイムは破壊の翼を展開せず、自力で走り出した。


 「燃え尽きろ!」フィナは大剣をレイムに構えた。



 そしてフィナは大剣の大きく振り払った。


 これでっ…。

 「はぁぁぁっ!」

 レイムは短剣で炎の消し去ったが、あの赤い結晶は消えなかった。


 何っ…まさか消せない……。その光景に目線が固定された。


 レイムは赤い結晶に直撃し、ソージの元まで飛ばされてしまった。




 「全属性を消せる神器でもクラス差でこの神器のリソースでもある、赤い結晶は消せないようだな…」とフィナは次の攻撃の態勢をとった。


 まさか…無効化不能なんて……ずる過ぎる……。


 だがその通りだ、神器は本来破壊することができない……。あの短剣のように溶岩で溶かそうとしてもだ…。


 「だったら、破壊の翼!」

 レイムは短剣を納め、鞘ごとソージの横へと置いた。




 「さぁ、行くぞ!」レイムは周りに羽を漂わせながらフィナへ接近した。


 これで防御は完璧っ!


 「はぁぁぁぁぁっ!」フィナは下から大きく大剣を振り上げた。


 

 「てぁぁぁぁぁっ!」レイムはその振り上げを受け止めた。


 まだまだぁぁぁっ!

 

 そして互いに剣を振り、お互いの首を狙い剣を振った。


 キンッ!ジャキンッ!


 その都度、金属音が響き渡った。


 


 「てぁぁぁぁぁっ!」

 そしてレイムは剣に力を込め、最大の一突きをフィナに放った。


 フィナはその攻撃を大剣の剣先を向け、突き出した。


 まさか、剣先でっっ!




 2つの剣先はぶつかり合った。


 「てぁぁぁぁぁ!」レイムは足を踏み込み、進んでいった。


 剣先の間には紅蓮の覇気と破壊の覇気が響き渡っていた。


 お互い引かない力の争いだった……。


 「はぁぁぁぁぁっ!」とレイムは力を剣に全てを込めた。


 

 

 まっ…まさか……。

 その時、フィナは気付いた……無属性での紅蓮の結晶は無効化できなかったが…破壊の力は別だった…。


 お互いの剣先からあふれ出る覇気がだんだんと赤が黒に侵食し始めていた。


 まさに、破壊の力には勝てない……。




 これは絶対なものだとフィナは……。

 

 その瞬間、フィナは勝てないと察した。


 「魔王様……私は………」


 そして、フィナはゆっくりと目を瞑った。



 「てぁぁぁぁぁっ!」

 フィナはレイムの破壊の力と物凄い衝撃とともに吹き飛び、後ろの階段へと突っ込んだ。


 ズドーン!

 

 レイムは剣を突き出した態勢を戻し、剣をゆっくりと修めた。


 そして後ろを振り返り、ソージ達のもとへ駆け寄った。

 ソージ達は目を閉じ眠りに落ちているかのようなものだった。


 その姿を見て、レイムは何も言わず立ち上がり、振り返り前に進み出した。




 階段の方へは真ん中の階段が崩れ、フィナが階段に倒れていた。

 「フィナは強い…だが魔王を倒すのが私達の目的、行かせてもらうよ」とレイムはフィナに告げた。

 「ロナ…ソージ達は任せたよ………。私は魔王を倒してくる………」


 「はい…畏まりました……。レイム様、ご無事で…」ロナはその後ろ姿をじっくりと見守った。



 そして、扉は開き、暗き奥にレイムは消えていった。


 

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