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第41話:計画の部外者



 「いや~来てくれたんですか~。まぁ全て私の計算通りなんだけどなぁ~」とレイム達の後ろから、疳高い声が聞こえた。


 そこにいたのはピエロの格好をした高身長の道化だった。


 「道化、計算通りか…。私が思うに紅蓮の魔王の計画にはあなたは部外者なのでは…」レイムは少し進み立ち止まった。


 すると道化はニヤリと笑った。

 「紅蓮の魔王の計画は元はあの方のご命令なのよ~。だからこの私が監視していたんだけね~、この計画で紅蓮の魔王は裏切ると思ったため、私が自ら紅蓮の魔王の計画を狂わしにきたということです」道化は華麗に頭を下げた。


 つまり、紅蓮の魔王は命令をしたあの方を裏切ると想定したということになる。

 裏切るということは計画に従わないということ…。


 そして早くもご登場とは、私達に会っても大丈夫なのか…。


 「その計画はどんな計画なの?」レイムはその計画を知るために誘導を始めた。


 「その計画は…行ってもいいけどそれを言っちゃあ面白くない、いや言った方がいいかも~」道化は腕を組んだ。


 どっちなんだし…正直めんどくさい…。




 その瞬間、道化の上半身が地面にドサッっと落ちた。


 「なっ!」レイム達はその光景に絶句した。

 道化の後ろには、黒いフードを被った赤い髪の小さな者がいた。

 

 

 「なっなんで、あなた様がいる」道化はその少女を見るなり、びくびくと震えた。


 「まぁ、そんなことは、初めっからわかっていたからね。だから私が裏でこの計画を調整していたんだよ」その声は人間の少女みたいに明るい声だった。


 「くそっあなたを相手にするのはさすがの私もやばいです。ですので私はここらで撤退させていただきます」道化は体を再生し、指をパチンと鳴らし、姿を消した。


 あっけなかった……だが、裏から調整とは…この子も計画に関わっている…。



 

 そして仮面の少女はレイム達の方をじっと見つめた。

 「紅蓮の魔王の城は今も動いている。世界を漂っている…その城へ行くにはいくつか転移する場所がある。そのうちの一つが炎の要塞ファイテンラスク領域の遺跡の最深部にある。そこには紅蓮の魔王幹部のナンバー2がいる…ちなみに後ろの彼女は幹部のナンバー3のナリス・エレストレーベル、情報を流したのはあの道化だろう。まぁそんなことはどうでも、いいすぐにここから立ち去れ」

 少女は前に歩き出し、レイム達を過ぎていった。


 そしてレイム達の後ろで手を上にそして下げた瞬間、ダンジョン全体が揺れ崩壊し始めた。



 

 「まぁ、いい早くここから出よう」レイム達は階段へと走った。

 天井が落ちてきて柱も崩れ始めた。


 そして一瞬だけレイム達は後ろを振り返った。

 その目には少女がナリスという女性に近づいていった。


 あの少女は何者なのか、計画は何なのかという細かいことは今回は考えないようにした。

 こっちの目的は紅蓮の魔王を倒すことだけだ。


 4人は階段を上り、入り口までやってきた。

 「3人とも早くつぶれるぞ」ソージは遅いレイム達を入り口で待っていた。

 もう最深部は崩壊しているだろう。

 そしてこの入り口もあと少しで崩壊する。

 「はぁはぁ一気に全階層を登るなんて…」

 「もう無理動けない」

 「これはちょっとやばいな~」レイム達3人はこの状況を把握しているのかソージはいつも通り不安だった。


 

 その時だった。

 地面も揺れ始め、後ろからスドンという音と衝撃が聞こえた。


 疲れているレイムが前を向くと、ソージの後ろには魔法にかけられているナリスの姿があった。


 「ソージ!後ろ!」レイムはソージの方へ走り出した。

 そしてソージも後ろを向いた。


 「何で…ここに…」

 「魔法で操られているんだ」レイムは剣に手をおき、剣をゆっくり抜いた。


 「敵は排除…死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!」あれは操られているだけだ…操られている者には感情は存在しない。


 「どうやら、倒すしかない」レイムは剣を構えた。

 ナリスは赤いランスを構え、鋭く敵を睨んだ。


 


 その頃だった。

 黒く広い玉座には黒い大きな影が座っていた。

 「魔王様、ナリス・エレストレーベルが何者かの手により支配を受けました」玉座の前に構えているフィナがいた。


 「支配…支配魔法はその者の力を全て引き出すことができる。さすがに本気のナリスと互角に戦えるのはフィナ、お前でも…」

 ナリスには素早さがあり、その一突きはどんな防御も崩すことができる。


 対してフィナは大剣は素早さはないが、ナリスの一突きを弾くことは可能、そして神器だったら防御を崩すことはできない。


 「この情報はボスからです。あの方だったら、この計画の部外者がどこにいるのかもうわかっているのかもしれないです。しかしボスでも最強の支配魔法は解除不可能かと思われます」


 するとその影は考える体制をとった。

 「いや、あの方信じろ。我々はここで奴らが来るのを待つだけだ」

 「承知しております」フィナは深く頭を下げた。

 この計画の部外者は一体何者なのか…。


 それが、ワ―レストがいった大きな柱に隠れ、潜む、闇のことだ……。

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