第34話:領域の理
そして目の前には2人の騎士がいた。
その騎士を見て、剣を修めた。
「あれは…12人の光の騎士を束ねる大隊長と副隊長……」レイムはその二人の事を知っていた。
その2人を見たソージ達は唖然とし、その場に固まった。
「大隊長って親父!」ソージはそう叫んだ。
「親父?…お父さん!」レイムは咄嗟にソージの方に振り返った。
その時、俺達とレイムの間に嫌な空気が流れた。
「そうなんだ、まさかグアさんがソージ達のお父さんだなんて」
「そして、もう一人がサリアのお父さんなんです」とソージが付け加えた。
「へぇ~なんか運命だね。だから勇者なんだ。かつての勇者グアさんとトムさんの子供が勇者パーティーを結成するなんて…」
光の騎士大隊長のグア・ソシアルと副隊長のトム・ヒート、かつて魔王と戦った者…今は引退して、その子供が勇者なのはわかるけど何か裏がありそうだ。
2人の実力は史上最強級で2人同時に相手すると厄介だ。
グアは剣の達人で無属性の神器を操る。トムは弓使いで光属性の神器を操る。単体だったら何とかだ。
だが史上最強級の人間は中々いない。
だから伝説とも言われているほどだ…。
その前に神器を操る時点で史上最強級は当たり前だよね。
小さい頃に神器を手に入れた者は将来、史上最強級以上の強さを約束をしたほどだった。
この世界にはさまざまな種族にはいるが他の種族から、そして人間自身、自分よりより強い敵と戦った時そのことを強く思う。
人間は他の種族より魔法を使えるがほぼ全員が使えるわけがないし、全属性を使える者は一人としてこの世には存在せず個人の適正で属性が決まる。
そんな種族だから人間の国は昔から他の種族に襲撃を受け、シズゼリア領域、名無き大地しか人間はいなく人間の人口も大分減った。
このエレクシア領域は他の領域と違い、人間の一つの種族しかいないため、外から人間が移住し今では領域を広げている。
領域の中心は聖域で聖域には光の神が建てた、純白の城がそびえ立っている。
その城は光の神が住んでいると人間達には言われている。光の神の下には何千人、何万人もの聖騎士が光の神に仕えている。
その頂点に君臨するのが何万人のたった二人…そうあの二人である。
その二人と同じく聖騎士を束ねる者が他に10人ほどいるらしい。
さて話を戻そう。
まず私が真っ先に質問したいのは何でここに呼んだのかだ。
「グアさん、トムさん、何で私達をここに呼んだの」その二人は口を揃えてその答えを喋った。
「パーティー結成の祝いと昨日の紅蓮の魔王の幹部討伐の事について聞きたいとラウル様がお呼びでございます」
その答えに私達は唖然とした。
何で知っているの、あの幹部の一件は誰にも報告はしていない!
ってか、あの時は情報交換だけだから別に報告は必要ないと思ったのに、まさかあっちが追跡魔法など行っていたのか、いやそれか光の神自身か…何を考えているそうゆうことがあるからあんなろくでもない戦争が起きる。
それを止めた3代目破壊の神はとても偉大だ。
「ラウル様は何で幹部を討伐したと知っている…」とレイムは聞いたが、「私達は知りません」と即答だった。
あの2人が知らないとそんなこと…やっぱり単独か…。
まったく、ずる賢い手を使うなんて…。
「ひとまずラウル様に会わせてくれ」
「はい。最上階にてラウル様がお待ちです」私達は2人のあとに少し距離をとり、ついていった。
「レイムどう思う?」
「私は気付いていなかったのかもしれない。どこから見ていたのかもしれない」レイムの耳に顔を近づけているソージはものすごく悩んだ。
私だって内心ものすごく悩んでいた。
「ラウル様が見ていたのを、認めるんだったら構わないけど…」レイムはラウルと別の誰かがという線も考えていた。
「それか、他にも…例えば、フィナと戦った時、襲撃した仲間ではない者か…それはわからないまだ可能性がない」けどあんまり考えるのはやめよう。
私の頭がどうかしてしまうし、考え過ぎだ。今はラウル様が見ていたということだけでいよう。
そう考えるうちに階段を何段も登り最上階についた。
そして、大きな扉を開け、奥には一つのデスクにその椅子に座るラウルの姿があった。
何でこんな広いのに机一つだけなの、私の部屋は最上階だけどこんなに広いのは玉座と会議室だけだよ、うちの城は…こんなに居心地が悪い所はやっぱり正反対の場所だ。
はぁ~こんな所早く出たい。
そういえば、光の国だったら隣に海に沿って水の国があるからそこに行って見たいな~。とレイムは早速他の事を考え始めた。
ここで国々についてご説明しよう。
領域というのは簡単に言えば、神々の支配する範囲。
それぞれの領域には神聖な場所、聖域、首都があり、それが領域全体を守っていると言われている。
ドラゴン種・機人種・幻人種の国がある領域。
破壊の神が支配する・破壊独立国ディスラクシェント領域・首都…ディスラクシェント城
妖精種・エルフ種・獣人種の国がある領域。
風の神が支配する・翠色の大地シズゼリア領域・首都…巨大樹
人間種・天使種の国がある領域。
光の神が支配する・世界最大国家光の国エレクシア領域・首都…エレクシア城
人魚種の国がある領域。
水の神が支配する・水源の都市ソルレンテ領域・首都…海底神殿
ドワーフ種の国がある領域。
炎の神が支配する・炎の要塞ファイテンラスク領・首都…火山
悪魔種・魔族種・魔人種の国がある領域。
闇の神が支配する…常闇の夜空ネルトシネアス領域・首都…月の都
の6つの領域があり、種族の国がある。
現在はあらゆる国に色々な種族が暮らしている。
現在、レイムは自分の国と光の国しか言ったことがないため…他の領域に行って見たいと思っていた。
「よく来たね。レイムと勇者」
「久しぶりでもないけど、こんにちはラウル様…」2人の間に嫌な空気が流れたのが俺ははっきりわかった。
「さて早速だが、紅蓮の魔王軍の幹部討伐の件だがーー」と最初からはっきりとラウルはレイム達に問い掛けようとした。
「まずお答えしてください!何でその件をラウル様は知っているのですが?」とレイムがラウルに無理やり感があるが最初に問い掛けた。
すると、その口から驚くべき答えを発した。
「道化から聞いたのだ……」とラウルは確かにそう言った。




