第3話:戦いの幕開け
レイムは遠くを見つめた。
その瞬間、レイムの目の前には無数の黒い魔法陣が現れた。
その魔法陣は壁のように一つ一つ一面に現れすべてが魔王軍に向いた。
普通魔法陣の数はその個体の力で数が変わるが、神とその同等の力を持つ者達は無数に展開が可能だ。
それプラス破壊の力がその無数の魔法陣から放たれるとなるとどんな敵でも傷を負い、下位の存在は消滅するだろう。
その光景に当たり前に驚いた騎士達は「なっ、なんて力だ…」と騒めいていた。
だが魔王軍は何も反応を示さなかった。
何か作戦があるのか…とレイムは魔王軍の動きに疑問を覚えた。
だが、あの魔王軍はいつもと違うと言うか、何かが足りなかった。
それは、ラウルも目にした時思っていた。
あの魔王軍は何かがおかしい…。
そしてレイムは剣に力を込めた。
「破壊の力よ全てを貫け!」とレイムが叫ぶと、展開した全ての魔法陣が黒く光り出した。
そしてその瞬間黒い光線が魔王軍に向けて放たれた。
ズドーンという音も衝撃も凄かった。
そして魔王軍を射抜いた瞬間、大爆発が起こった。
その衝撃波はここまで届き凄い突風に襲われた。
「さずがだな。レイム」その光景を見た光の神ラウルはそう呟いた。
これが、破壊の神の力…あの光線に触れた者はほとんどが塵も残らない。
魔王軍を見ると跡形もなく前の数百人は消滅した。
まだまだ、戦闘経験が薄いレイムは魔王軍との距離を少し誤った。
だがこんなことで終わらないと思うが何か、いやな予感が2人の神に走った。
すると衝撃波がやみ、魔王軍の中から一人の男が現れた。
黒いローブを纏い、その男はひとさし指を下にむけた。
その瞬間、地面が盛り上がり魔王軍が見えないくらいの高さまで地形が変化した。
この力は史上最強級の力…。
この世界の強さは…一番下のランクB弱者級Lv.1~は一般人や騎士などや下位種族の領域…設定された種族は人間種、ドワーフ種、人魚種、獣人種だ。
ランクA強者級Lv.50~は腕のいい冒険者や魔法の使える者で大抵の魔法は使用できる中位種族の領域…設定された種族は妖精種、エルフ種、悪魔種、魔人種、精霊種、幻人種だ。
ランクS最強級Lv.100~は上位種族や勇者がたどり着ける領域…設定された種族は天使種、ドラゴン種、機人種だ。
ランクSS史上最強級Lv.500~は神や魔王の使いの領域で神や魔王の加護を受けた者がたどり着ける領域だ。設定された種族はなし。
ランクSSS天災級Lv.700~は全人類の中で数人しかいない者達で、死の神が創設した世界七神皇帝はほとんどが天災級の強さの持ち主でその世界七神皇帝に入る条件が生まれた時からこの地にいると言うことが条件だ…これは、神を入れてしまうと強さのバランスに支障をきたすからである。
そしてランクZ世界最強級Lv.999は今だ誰も到達することがない領域で、これにたどり着けた者は神や魔王など相手にはならず、この世界の唯一神となるだろう。
「うおっ!あっちにもすごい奴がいるようだな。多分そいつが幹部に違いない」ラウルは何気に楽しそうだった。
これが強者だけができる感覚なのだ。
あいつが魔王軍の複数いる幹部の中の一人だ。
見た目は普通の男…持っているのは一本の剣だけか…。
この時、レイムは相手を完全に舐めていた。
レイムは再び剣を前に向け無数の魔法陣を展開させた。
「破壊の力よ全てを貫け!」
あれが…魔王の幹部…。
レイムもその力が幹部の者だと思っていた。
魔法陣から放たれた黒い光線は変化した地形を砕いたが、砕いた地が不思議な力でもとに戻った。
砕いたが明らかに力が継続している。
「無理のようだな。この地形では騎士達は戦えない。私達でやるしかない」とラウルは言ったが、こう見えてのレイムは好戦的であきらめが悪い…。
だったらこの地形の利用して…。
いつの間にかレイムは変形した地形の上にいた。足を置く面積は限りなく少なかった。
魔王軍はまだ動きがない…今のうちにとレイムは3度目の無数の魔法陣を展開させた。
今のレイムは魔法陣を展開しているため動けなかった。
その時「レイムゥゥゥっ!避けろぉぉぉっ!」とラウルの声が響き渡った。
その声が耳に入った瞬間、レイムの目の前にはあの男がいた。
そして男の格好は驚くことに剣を抜き横斬りしたあとだった。
なっ…なんであの男が…早すぎる。
いくら何でも…そんなことって……。
その男が動く所を一度も見なかったが、もの凄い速さで動いたことによりあとから風が吹いた。
「がはっ…」レイムは口から血を吐いた。
これは痛み…血が出ている。
下を見るとお腹の辺りから血が出ている…。
私を斬った?。
自分の体をよく見ると下半身が切り離されていた。
そんな体を一振りで斬るなんて…。
神の体は個体によってだが、簡単に斬れるものではない…。
お前は一体…。
その男は剣を振り血を掃い鞘に剣を修めた。
そしてレイムは変化した地形の間へと落ちてゆく。
「お…ま…え…は……」
だんだんとレイムの視界が狭まっていった。