第28話:対抗策会議
「では魔王である貴様が何でここにいるの、ここは神のみが知っている…つまりここには神にとって重要な情報が詰まっている」とレイムはシュナを睨みつけた。
「ここのことは蘇ったあと、シゼルから聞いた。そして私がここにいるのはこの領域全体を守護しているから…そして紅蓮の魔王が襲撃するという情報を知っている…」とシュナは紅蓮の魔王のことについて知っていた。
「やっぱりそうだったの…紅蓮の魔王はまずこの領域を手に入れる気なのか…」とレイムは頭を抱え込んだ。
「ということは貴様もその計画に入っていると」レイムは剣に手をかけた。
そのレイムの行動にソージはその手を抑えた。
いやいや、いくら何でも疑い過ぎだ。
「いいや、私は魔王とは言ってもあっち側ではない。私は紅蓮の魔王に対抗策を考えるためにここに来た。それともう時間がない…紅蓮の魔王軍が襲撃するのはもうすぐだ…」と言った。
レイム達はシュナの目をじっくりと見た。
「う~ん…嘘はついていない」とレイムは腕を組んだ。
「じゃあその対抗策、私達も考える。そして私達も紅蓮の魔王軍と戦う」とレイムはガッツポーズをした。
破天荒過ぎる…。
それを見たソージとソピアとサリアは安心したように笑みを浮かべた。
「わかった。よろしくね」とシュナも受け入れてくれたようだ。
こうしてレイム達はもうすぐ紅蓮の魔王軍の襲撃に備えて対抗策を考えることにした。
対策の目的としては魔王軍を止めること……。
シュナは魔王軍の幹部らしき者がこの領域に立ち入り、何かをしていたことを確認していた。
少し前にレイムと戦った、あのフィナのかもしれない。
しかも紅蓮の魔王軍の幹部がフィナの他にもあと4人もいる。
この襲撃だけじゃあ終わらない。最低でもあと4回はここにそれが、私達を阻む。
最強だけあって遠くなる感じだ。
「シュナはどうやって紅蓮の魔王軍に対抗するの」とソピアは聞いた。
「領域全体に結界をもうすでに張っている、多分それで対抗できると…思う」と自信そう言った。
その結界は本当に……。
「結界だけでは対抗できるとは思えない」とサリアは言った。
当然、他のみんなもそう思っていた。
「それをカバーするのが私達…領域のどこから来て、どこを目指すのか」とレイムはこの領域全体の地図に指さした。
「それがわかれば、そこで戦えるが…」ソージはそう言ったが、レイムとシュナは納得していなかった。
「外から来るとは限らない…領域の中に現れることだってある…」とシュナは言い続けた。
「レイムは魔王軍と戦ったことがあるから魔王軍の力はわかっているよね」と5人に微妙な空気が流れた。
そうこの中で魔王軍と戦ったことのある者はレイムしかいなかった。
「あの時の魔王軍は20万の軍勢だった。私がそれを聞いたのはその大陸の半分の国々を滅ぼしたあとだった…だけど最終的に幹部を倒し、魔王軍は消えたんだけど…」とレイムは何か心残りがあった。
まぁ、あの状況で残っていない方がおかしいが…自分自身にとって印象に残りやすい力の変動だった。
「その幹部はどこの魔王の配下なのかな」とシュナは腕を組んだ。
「そんなことは今はどうでもいい…今は紅蓮の魔王軍の対抗策とあと紅蓮の魔王の城の場所を知りたい!」
レイムは早く、その場所を知りたかった。
「あっ、そうか。それもあったな」俺はそのことをすっかり忘れていた。
「ソー兄まさか忘れてたの」とソピアは言ってきたが、いやお前も忘れてたろと言いたいくらいに俺はそう思った。
「じゃあまず一つ聞くが紅蓮の魔王について何か知っていることはないの」とレイムはシュナにそう聞いた。
シュナは目を瞑り、しばらく考えていた。
「一言で言えば、魔王の中で最強と言われている魔王…たしか今は2代目と噂を聞いた。2000年前に初代が倒れ、2代目に力の全てを継承したと…そして2代目は初代と変わらず、最強の座を守り続けている」シュナは目を開き、4人を見渡すと全員が固まっていた。
戦力としては、死の一族側でも最強だろう…。
だがシュナの話は続いた。
「まあ、もし紅蓮の魔王を倒すことができたら、お前達は恐らく、最古の魔王達や新世代の魔王達に
目を付けられるかもね……なんて言ったって、紅蓮の魔王という存在は魔王達やその周囲の者にとって強大なものであり、死の血を受け継いでいる…その者達を死の一族と呼ぶ…それほどの者達が世界のあちこちにいる…もし紅蓮の魔王に手を出せば…世界の半分が君達に目を付けるだろう……それくらいの人物さ…」とさらに4人は固まった。
死の一族はそれは人口は少ないが一人一人が史上最強級Lv.500以上の強さを持つ…。
この世界のバランスは大きく分けて、神と魔王となる。その中で死の神が立案した世界七神皇帝の戦力はうまくいっているようだ。
「だけど勇者だから魔王を倒すのは当たり前か…じゃあ最低でもあっち側の魔王は全て倒してもらわないと」とシュナは恐ろしいお願いをしてきた。
まぁまぁ…それはそうかもしれないけど……。
現実を見れば、歴代の勇者の実績なんて…はっきり言ってよくわからん…。
「レイム…ちょっとレイム、聞いてるの」とシュナはレイムをゆすった。
すると「まあ、私はこう見えて神々の中で最強と言われているからね。紅蓮の魔王を倒すのも時間の問題かな~まずは紅蓮の魔王軍を撃退しないと」とレイムの状況は誰も分からなかった。
「そうだね。レイムならそう言うと思ったよ。もちろん私はレイム達と戦うから」とシュナは無理やりだがレイムも押し通した。
「じゃあ2つ目に聞きたいは、初めに、紅蓮の魔王の城の場所は知っているの」とレイムは聞いた。
「私は知らないけど、ここの本を調べてみれば何か情報が手に入るかも」とシュナは魔王に関する本棚を指さした。
最初の質問で知らないと出た…。
まったくシュナもシュナでいい加減過ぎるよ……。
仕方なく全員で紅蓮の魔王に関する本を探すことにした。
だが記してあるのは最古の魔王とその歴史しかなく、城は浮かんでいて今はどこに浮いているか当然わからなかった。
「浮遊する城なんて………聞いたことがない………。浮遊する島だったら聞いたことあるけど…雲と間違えたんじゃないのっ!」情報不足で更に城の場所が分からないとなると、やはり……。
「だったらこっちが招かれれば」とソピアは咄嗟の発言をした。
「そうか。紅蓮の魔王軍を撃退すれば、紅蓮の魔王はあっちから来るに違いない」とサリアはソピアは手を掴んだ。
いや…最初から手なんて組んでた。
「うん。その考えはいいかもしれないよ…」シュナも同意してくれた。
「じゃあそのためにもまず紅蓮の魔王軍の撃退しよう。なっ…レイム」と俺はそれしか方法はないと思い、レイムに同様を求めた。
「そうだね」とレイムはもう仕方ないと言う表情を浮かべ、グダグダだが意見は一致した。
まずレイムとロナとシュナは領域全体の結界を張りにいき、その間に俺達は大魔法の取得と魔王軍の見張りだった。
どこからやってくるか瞬時にロナの水晶で互いに連絡ができる…魔法の取得については魔法書で覚えた。
レイムの右腕でもあるロナは防御に関しては破壊の神の配下で最強クラスを誇る…。なので最終的に追い詰められたら、ロナが発動した結界入る予定だが…。
正直不安は残る…。
破壊力はこっちに神がいるからいいとして……こちらは接近戦や遠距離攻撃には耐性を持つことができた。
そして対抗策会議は終盤へと突入した。
「じゃあ、決めるよ。まず魔王軍がこの領域内か、もしくは外から現れた場合、現れた直前に結界により攻撃、入った瞬間に結界により攻撃される。そして結界が破られたら、まず、大魔法で魔王軍の半分を削る。そして襲ってくる者を剣で殺す。そして忘れてはいけないのは魔王軍をまとめ上げている幹部がいるということ。フィナだったらわかるけど他の幹部の場合もある。その幹部を倒せれば撃退は完了となる……何か質問のある人………」とロナは対抗策の全体を説明した。
質問は全員何もない賛成ということだ。
「じゃあこの作戦でいく、幹部はレイムに任せて!」
「あぁ頼りにしてるぞ。レイム」
「頑張ってね。レイムちゃん」
「絶対に倒してください。レイム」
シュナやソピア、サリアから応援の言葉をもらった。
「頑張れよ。神様」と最後にソージで4人はレイムのことをとても強く信じていることを改めてレイムは心に感じることができた。
これが、仲間ということ……。
この感情が芽生えたのは…少し早すぎるかな………。
そしていつの間にか夕日の光が差し込んできた。
レイム達は魔王軍の襲撃備えて、この図書館で寝ることにした。




