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第208話:雨露の少女



 もう下にいる皆の姿は見えなくなった。

 だが王宮に続く階段はまだまだ存在している。


 その瞬間、階段に座る水色の長い髪の少女がいた。

 「あッ――」

 「貴方は……」とレイムは言う前に、少女に問い掛けられた。

 「何で毎回そんなこと聞くの……イル……」

 「君が、本当にレイムなのか確認するため……」レイムとイルは一度出会ったことがあったのだ。


 それは、雨が降る日にスクランブル交差点だった。イルの周りの空間は時間がゆっくりになっていた。

 「破壊神……ようやく来た……」とイルは呟いた。イルはこの世界を巡り、見守る者であり、ある神のことを話してくれた。

 イルはその神のことをよく知っていた。

 ――この世界の神々は消え、ほぼ武神だけが残った。

 ――だがある日、邪神が現れ、姉はこの世界を守るために立ち向かったが、敗北し自分の命と引き換えにその瞬間から消えてしまった。


 「まさかッ――」階段に座り、何だか寂しそうな雰囲気のイルを見て、レイムは悟ったのだ。血の繋がっているからわかるのか……。

 「任せてッ……」とレイムは言い、再び階段を登った。


 また長い階段を登るレイムは、相手の存在について考えた。

 相手は神なのか、違う存在なのか……巨大な組織であることはわかるが、何が目的……世界をッ――。


 神がほとんど消えたということが今だに分からずにいる。殺されたのか、自発的に去ったのか、消滅したのか……。

 

 考えることは苦手なレイムは、そんなことより目の前の敵だけに集中することにした。前を見ると、だんだんと王宮に続いていた。

 

 そしてまたレイムは考えた。

 ここまでのことを……。

 ――紅蓮の魔王を倒し、その前にソージとソピア、サリアに出会ったことから始まった。

 ――だけど何で、二人は私の所に来たのか、明確でもなかった……。


 それが、運命と言うのはそれが答えになるのなら……その運命を台無しにしないためにも自分は足を動かし、前を見るのみ……。


 王宮の外壁はこの世界の歴史上の神が刻まれていた。だがその中には見たことのないものもあった。

 敵は全世界を統べているのか……。

 

 そしてレイムは王宮と思っていたが、階段の上はとても広く、周りには柱に囲まれ、天井も高く上には美しいステンドガラスがあった。

 室内というより、これは屋外だ。


 そして中央には銀色の長い髪によく見るとキラキラと光っている。

 「来たか……」


 自分と同い年の少女は振り返り、私の目を見つめた。

 

 これが、最初の戦いである……。

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