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第207話:ファースト・ラグナロク



 「その力がありながら、貴様はァァァァァッ!」瑠璃(るり)は叫んだ。破壊神は光にも闇にもなれると誰かが言った……その力があれば世界の再創生だなんて簡単なことだ。

 

 「破壊の神典【星を殺す者】……この名が私の姿であり、この力で光と闇にもなれる。あなたには何に見える?私の姿、力……そのすべてがッ!」

 するとレイムは《終焉(ソードオブ)(ザエンド)》を上へと受けた。

 「次はこっちの番だ……さぁ、終焉を齎そう……」


 その瞬間、全《破壊(ディスラクシェント)物体(オブジェクト)》で作成した兵器が瑠璃(るり)に向けて放たれた。

 ――なッ、何だッ!現在の兵器の数より多く、火力は元の兵器の二倍の名の通り破壊兵器が放たれたのだ 

 ――これはッ、避けきれない……。


 「あァァァァァッ!」もう自分の体が動かすことができないことを理解した瑠璃(るり)は叫びながら破壊兵器たちに飲み込まれ、消滅していった。



 爆発とともに地平線から日が出てきた。

 朝だ……。

 その日は勝利の日だった。

 「レイム……スカイツリー前の道へ来てくれ……」とレジナインの声が頭に響いた。

 「わかった……」と返し、レイムは神化の状態で目的地に向かった。


 現代の地球は死んでいる……ある意味世界の終わりである。

 この世界の人類は、もう既に消えていたのだ……戦いが開始した瞬間に敵の仕業だろう。

 

 そして【星を殺す者】は空中を漂い、《終焉(ソードオブ)(ザエンド)》を手にしその道へと降りた。

 これが神が地に舞い降りた。裸足のレイムが地に足をつけた瞬間、神化が解け、纏っていた服や剣たち、そして《終焉(ソードオブ)(ザエンド)》は《破壊(ディスラクシェント)(ソード)》へと戻っていた。

 

 ペタペタと裸体のレイムは戦争を終えた仲間達も元へと歩み始めた。

 

 日の光が照らす道には、無限の星メンバー全員がいた。

 ――皆、変わったな、この一戦で……。だが不自然なこともある……何故に、4代目神々がいるのか……。


 すると真っ先にレイムの胸に飛び込んできたのは、炎の神レイスより先にエマが来たのだ。

 「うぐッ――」突然の衝撃でよろけたが、レイムはすぐにレイムだと分かった。自分より体は小さく、小柄で細い腕に包まれ、背の高さは顎を引けば、すぐに頭に当たるほどに……。

 ありもしない胸だが、全体が柔らかく世界創生から生きた大魔王とは思えない。


 「何で裸なの……エマ……」

 「人のこと言えないでしょ……」と上目遣いで何かを知らせた。

 「まさかッ……エマが神化を……」


 だが安心するのも束の間だった。

 《計画が失敗に終わりました。幹部全滅したため【最終天使】を召喚開始します。》


 その声は皆に聞こえ、雲が一切ない空に様々な力が集中した。

 そして現れたのは、上空に浮かぶ真っ白な王宮にその中に天使はいた。

 「最終ボスというわけか……あれを倒さなければ、敵の思い通りに何かならない……」とエマの肩に両手を触れた。

 「この戦いは、まだ終わっていない……この先は後で考えよう……待ってて、行ってくるから……」

 「あぁ、すぐに戻ってきてね……」と子供のようにレイムにそう言った。

 

 するとレイムの前には、”最破”の者達や大魔王、神々が……。

 「言いたいことはわかる……だがそれは、私が戻ってくるまでだ……さぁ、未知へ進む、道を開けてくれ……」とレイムの目には覚悟と決意が溢れていた。

 そんなレイムに皆は言うことはなく、ただ笑顔を向けた。


 そしてレイムの体には黒い煙が溢れ、一瞬にして服が現れた。

 ――敵は、まだいる……深い闇の底に……この戦い、いやずっと前から自分が破壊神であることから……初代様がやりたかったこと、自分がやりたいこと、そして自身の使命と運命を辿り続けることをッ――」


 レイムは王宮に向かうための階段を一段ずつ重みを感じ、登っていた。


 これが、最初の戦いの最後である……。

 


 

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