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第206話:紅蓮の魔典煉獄紅蓮の大魔神・大魔王の剣エクスカリバー



 「そのようなもので、この俺が殺せるとはなぁッ――」地面を蹴り、細い剣を握り振りかぶった。

 「ふッ――」エマの体に合わない大きさの剣を思いっ切り横に振った。

 ガンッ!重く希章(きしょう)の剣は弾かれた。

 

 「くッ――、はァァァァァッ!」漆黒の聖典《斬・漆渦(しちうず)》を繰り出した。

 その瞬間、技を繰り出した希章(きしょう)が吹っ飛ばされた。

 そしてエマを見ると、その姿は変貌していた。周囲に靡く赤く燃え下がる帯に、真っ白な羽織一枚で腰に赤い帯を巻いている。

 周囲に漂うのは、燃え盛る炎と火花、金色に輝く柔らかな玉だった。


 その姿はまるでレイムの神化の姿だった。

 「紅蓮の魔典:神化《煉獄紅蓮の大魔神》……」と呟いた。瞳も更に赤く、手に持つ《大魔王の剣・エクスカリバー》の刀身は赤と金の炎を纏っていた。

 「まッ、まさかッ……神化は神が使える者、その神でさえ神化ができるのはほんの一部とされているのにッ――」希章(きしょう)は目の前の状況を理解できなかった。

 だがあることを思い出した。

 「魔王は神に近き存在……そんな近い存在であっても神には到底……」


 「いいや……そんな難しいことじゃない……」とエマは言った。

 「この力は私自身とレイムや他の仲間たちのおかげである……この力があれば、今の貴様とて十分だッ!」

 「くッ――、そんな小細工でこの俺がッ――」

 

 そして希章(きしょう)は体勢を立て直し、エマはエクスカリバーを希章(きしょう)に向けた。

 「さぁ、終わりにしよう……」

 「さぁ、終わりにしよう……」と同時に吐き捨て、希章(きしょう)は物凄い速さで迫った。


 「漆黒の聖典《斬・漆渦(しちうず)》ッ!!」加速し、渦も攻撃力も増している。

 エマはエクスカリバーを引き、狙いを定めた。

 「聖煉(せいれん)剣技《突・烈日の光》ッ!」

 その瞬間、刀身の先から光が溢れだした。


 あの構えは、突きッ!

 「はァァァァァッ!」漆黒の刀身に渦を巻き、剣を振った。

 「ふッ――」エマは希章(きしょう)の心臓を狙い剣を前に出した。


 「なッ――」だが希章(きしょう)は空中で体を捻り、交わし剣を振った。

 ザンッ!首を狙った。

 「くッ……一太刀じゃ無理か……」刀身はエマの首に当たったが、かすり傷だった。


 だったら……。

 「漆黒の聖典《奥義・漆黒連撃》ッ!」地面を蹴り、物凄いスピードでエマに迫った。奥義であるこの技は、刀身に漆黒を宿し、連撃でいかに相手の剣をさばき、剣を入れるか……。

 最速の連撃である。


 「聖煉(せいれん)剣技《斬・日刃(ひば)》ッ!」その技から繰り出すのは、日の刃である。

 

 「はァァァァァッ!」無数の漆黒の斬撃を希章(きしょう)は繰り出した。

 「てァァァァァッ!」


 未知の力には真の力で対抗するのみッ――この一太刀で決めるッ!!

 無数の斬撃はエマの腕や胴体を切り刻み、エマは剣を大きく振りかぶった。


 そして最後に希章(きしょう)は首を狙い両手で剣を掴んだ。

 キ――ンッ!!

 剣を振る前にエマの刀身が希章(きしょう)の首を絶ったのだ。


 「なッ――」エマには重い剣だが一瞬にして剣を振り、首を斬った。


 ――相手が神化を使い、あの伝説の神器であるエクスカリバーの使用者ならそりゃ負けるわ……。希章(きしょう)は今、勝ち目はなかったと気づいた。

 

 孤児院で育った希章(きしょう)……この孤児院はある程度の年齢と剣術の実力などで王国の騎士へと認定されるようになっていた。

 俺はそれを目指して、毎日剣を振り、俺は騎士になる所だった。


 だが俺はその時あの方と出会った。

 国を滅ぼし、あの方は孤児院も襲い、俺は生かされ力をくださったのだ。

 

 「アスギルス……さ……ま………」

 それが前者:睦月(むつき)希章(きしょう)の最後の言葉だった。

 

 「これで、ポイントは全て消滅し、無限の星メンバーの招集を開始する……」

 

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