第20話:喫茶店の女性
すると後ろのベットから「おっ、ソー兄…速いね」とソピアが起き「お~おはようソージ」とサリアも起きた。
「はぁ~」俺はため息をつきベットから降りようとしたその時、俺の袖を誰かが引っ張った。
見るとレイムが寝ぼけながら俺の袖を掴んでいた。
そっそうか…レイムはまだ起きていなかった。
それはまるで赤ちゃんのように見えた。
俺はこの状況をどうしたらいいのか。ソピアやサリアに見られる前に何とかしなくちゃ…。
ってか、意外と眠り深いな…。
だが、頭の中でこの後に起きることが浮かんだ。
俺は慌てて掴んでいるのを手で放そうとしたその時…。
「何やってるのソー兄」とソピアの声が聞こえ、後ろを見るとソピアの目が光っていた。
「いっいや動こうとしたらレイムが掴んで離さないから」と俺は慌ててこの状況のわけを話した。
てっきり嫉妬で殴られると思ったがソピアは目の色変えて言った。
「うわぁなんて可愛いの、どうせならソー兄のじゃあなく私を掴んでくれればいいのに」とレイムに顔を近づけて興奮しながら言った。
朝から暑苦しい…。
掴まれている俺にまで被害が及ぶ…。
「じゃあ今度からレイムの隣で寝ればいいじゃん」と俺は今の状況を解決するために、その答えを言った。
「うん。そうだね」と即答で納得した。
…はぁ。どうやら殴られずにすんだな~。
だがレイムの手はまだ俺の袖を掴んで離さなかった。
「そんなことよりこの手をどうにかしてくれ」と俺はソピアに助けを所望した。
「わかったわかった」とソピアはベットに上がりレイムに顔を近づけ、レイムの額の髪を上げ目を瞑り額にキスをした。
「…なっ、ソピア何をして…」俺は驚きのあまり心臓が止まりかけた。
「何って、目覚めのキスだよ」と何でという表情で俺の方を向いた。
なっ、なんでそれに違和感を感じないのか。
普通じゃあないことはわかっているのか…いや本当は天然なのか。と俺は一瞬にして固まった。
なんで最強パーティーの中はバカの集まりじゃないのか。
その先のことが目の前に浮かんできた。
すると「んっ…ん~」とレイムは袖を放し、目を擦った。
「おはよう。レイムちゃん」とソピアはレイムにまたがったまま言った。
「おはよう。お姉ちゃん」と目を擦りながら返した。
ねっ寝ぼけているのか…レイムちゃんと言われお姉ちゃんと返したぞ…。
さすがのロナも無表情だった。
違和感は感じないのか…。
「もっもももも、もっかい言ってみて」ソピアは顔を赤くして両手をベットに叩きつけて頼み込んだ。
「んっ、お姉ちゃん…」まだ視界がぼやけているのか目を細くした。
その瞬間、ソピアは目は白くなりレイムの上へ倒れた。
「あぁ~」俺はこのリアクションしかとれなかった。
まさか失神するとかやっぱりヤバい最強パーティーだな…ある意味。
これが最強パーティーの最初の朝とは俺には思えなかった。
だが心の底では賑やかでこれからどうなっていくんだという楽しみもあった。
だが…こんな妹…俺はどうしたらいいんだよ~…。
楽しみより不安の方が断然多かった。
俺はべっとから立ち上り窓を開けた。
太陽を見ると既に真上にあった。
「はぁ~もう昼か」俺は初日から昼まで寝ていたこの状況を後悔した。
すると「じゃあ眠気覚ましに喫茶店にでもいきませんか?」とサリア先輩はこの国に隠れのおいしい喫茶店があると言った…。
喫茶店と言うより、コーヒーだけを出す店らしい…。
コーヒーか…ソピアなんて2年前までは俺と違ってコーヒーなんか口にしなかったのに…卒業する年になった瞬間、コーヒーを飲み始めたんだよなぁ~…まぁ、ソピアの事だから何か事情があったと思うが…。
俺はそんなことを思いながら、身支度を整えた。
「じゃあそこに行くか…」とひとまず冒険の前にそこの喫茶店に向かうこととした。
今日も最高の天気だ…。
冒険者にとってはいい日だろう…。
冒険者とは…クエストを熟しお金を稼ぐ者達だ。その者達は戦闘力は勿論のことギルドという大きな集団もこの世界には存在し、有名な所だと難しい依頼が渡されるようだ…。
他にもこの世界には組織という軍団が沢山いる…世界最大国家光の国エレクシア領域の首都エレクシアに存在するギルド本部が確認している数だと800は超えているということだ…。
有名と名が知られるのはランキングで50位以内のギルドだろう…。
そこら辺になると、人数が多くなり本拠地など世界中の貴重なものを手に入れたギルドも存在する。
もし、レイム達がギルドという形で登録したら10位以内に入るだろう…。
だが…上位の噂は聞いている…。
上位の二つは初代世界七神皇帝に加入しているという噂だ…。
そんな上位に君臨する時はいつになるかなぁ…。
まぁ、始まったばかりだから…そんなことは遠く見えるけど、その地位に立ったらあっという間に感じるのはいつものことだ。
町の中にに入りそこの通りはとても綺麗だが、なぜかこの通りには人影がなかった。
その店は外観は普通の洋風の建物で、看板がぶら下がっているからすぐわかる。
そして中に入った…。
「いらっしゃいませ」と笑顔で接客をする女性がいた。
その女性はとても美人で首にかけている赤い石のネックレスが光に反射していた。
「じゃあブレンドコーヒー4つお願いします」と注文が入りコーヒーを作っているがその目にはさっきとは違う色があった。
だが、女性は何も違和感はなく、作業を進めていた。
「お待たせしまいました」それは感情が1つも入っていなかった。
「ありがとうございます」と言い4人は店を出ていった。
4人を見送った後、女性に確かな違和感があった。
するとその女性は店の奥へ行き電話でどこかへ掛けた。
「ボス、報告が…破壊の神レイムと思われる人物が光の勇者と弓の達人がシズゼリア領域に入りました。……はい………了解しました」と言い受話器を置いた。
そしてニヤリと不気味に笑った。
この女性は一体なんかのか…。
後で絶対に再び会うことになるだろう…。




