第185話:死と死
城の一番上の吹き抜けた展望台で黒く大きな影は戦いを見据えていた。
すると黒い影が背後に現れた。
「来たか……」と死の神はそいつに言った。
「はい。貴方と破壊神を殺すのが、私達の役目です……」と見た目は青年で黒いスーツに身を包み、そこに立っていた。
「それは、いいが破壊神は無理だと思うが……」
グサッ!、その瞬間、漆黒の剣が死の神の心臓を貫いた。
「もう話は終わりにしましょう。もう時間がないので……」と青年の慈悲は無に等しかった。
すると展望台を登ってきたエマがその光景を見た。
「キィィィッサァァァッマァァァッ!」エマの中に怒りが溢れた。
その瞬間、青年は突如放たれた黒い斬撃を避けた。
死の神を抱えるエマの前にレイムが立っていた。
「ここは貴様の世界じゃないだろう……」とレイムも怒りに満ちていた。
「自ら近くに来てくれたんだ。楽しませてくれよ……」と青年は余裕の口調でそう言った。
「スッ!――」とレイムは相手の首だけを狙って、剣を振った。
「くッ――」と青年は何か都合の悪いことがあったのか、床を蹴り大門の方へ飛んでいった。
「逃がすかッ――」とレイムはすぐさま後を追った。
戦場は少し落ち着きを取り戻したが、前線は最破を除いた騎士達は半分以上命を落とした。
そんな前線に青年は大門を目指して、戦場に降りた。
「ハァァッ!」レイムは青年に剣を振り下ろした。
「くッ――、ハァァッ!」と青年は拳でレイムに反撃した。
ジィィィィッ!、と剣と拳が触れ、火花が散っていた。
「貴様らは何者だッ!」とレイムは青年に問い掛けた。
「言うわけがないでしょう。ハァァッ!」と青年はもう片手でレイムに向けて振った。
その瞬間、真上から巨大な何かが来た。
二人は同時に避けた。
そこには、純白の巨大な剣が大地に刺さっていた。
「レイムッ、大丈夫ッ!」とそこには白いレイム、ミレルが立っていた。
人が変わったようだ。
すると青年がレイムとミレルを見た瞬間、目の色が変わった。
「まさか……、まさかこんな偶然がッ」と何かを呟いた。
その瞬間、青年はミレルに迫り、ヒョイとミレルの腹を殴り気絶させた。
「なッ、貴様ァァァッ、何をッ!」とレイムは青年に剣を振ろうとした瞬間、上空から攻撃を撃たれた。
「くッ――」
レイムは横に剣を振って、砂煙を晴らした。
すると青年は白い剣も持ち、上空へ飛んでいた。
「じゃあな、破壊神……。次会う時は、我々の世界で……」と男ともう2人は純白の光に包まれた。
「待てェェェッ!」とレイムは飛び立とうとした。
だが青年の左右の者がレイムの体に魔力玉を撃ち込んだ。
「くッ――」と足と腕を撃たれ、レイムは膝をついた。
「来たら、歓迎してやるよ……。我が”黒き幼獣の支配者”が……」と言い、青年たちは大門に消えていった。
すると大門が再び光、空間が歪み出した。
「させるかッ!完全空間支配ッ!」とレジナインはレイムの横に姿を現し、あの大門を囲んだ空間を支配で、歪みを落ち着かせた。
「くッ……糞ッ、糞ッ、糞ッ、アァァァァァァァァァァッ!」とレイムは敗北を感じ、大事なものを奪われた悔しさでいっぱいになった。
だが大門は保った。
この先に奴らの世界がある……。
「行くか……レイム………」とレジナインはもう覚悟はできていた。
向こう側には何があるのかはわからないが、我々は取り返し、奴らを殺すと決めた。
「反撃だ……。全ての兵を元に戻したら、無限の星メンバーで世界を渡る……」とレイムは呟いた。
戦いの結果、死の神は死亡……。
相手は強い、異様な力……別世界の力と言った方がいいだろう。
未来を見通す者は、これから何が起きるのかは全て知っていた。
死の神は分かっていたのだ。
自分の命が奪われるという真実を……そしてその先の無限の星が突き進む道も……。
レイム達は、奪われた新たな存在、ミレルと奴らを殺し、ボスを倒すこと……。
その先の世界……水の惑星と言われている。
ある国では、毎日の死体が転がり、ある国では技術が進化し、社会を築き上げている。
そんな世界、星を『地球』とその世界はそう言った。
【第一部:第七章】死の世界-World of Death-完結です。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
未知との戦いで敵がどれほどの力なのかを感じ、遂に世界と世界を渡ることになります。
ネタバレは控えますが、次回は最終章となります。
次回もお楽しみに!!




