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第181話:全てを跳ね返す



 レイムが指示した軍と最破の配置は進んでいる。

 皆はとっくに覚悟はできている。


 そしてレイムは天界へと向かった。

 そこで待っていたのは、叔父のジルフィスと母のレイスがいた。

 「レイム、来なさいと……」とレイスはいつもとは違った口調と雰囲気だったが、その原因はもうとっくにレイムは予想していた。

 

 母のレイスは恐れる者は一人しかいない。

 

 天界の中心に位置する王宮にレイムは遂に足を踏み入れた。

 


 そして小部屋の扉を開け、最後に入った。

 するとそこには予想通りの人物がいた。

 「レイム……座りなさい……」とレイスは扉を閉め、その前にジルフィスはレイムの反対側、妻の隣に座った。


 そうジルフィスの妻であり、レイスの母であり、レイムにとっては叔母だろう。


 カジラ……実は、炎の神の家系だ。

 そんな家系にレイム、破壊神が現れたことにより生まれた時からレイムのことを嫌っていた。


 そして話が始まった。

 「レイム!……自分が何故ここに呼ばれたかわかるかね……」

 「いいえ……」とレイムは自分の口からはなるべく言わないようにした。


 「はぁ~……」と呆れたと言っているようにため息を吐く。


 バンッ!、と自分とレイムの間にある机を叩いた。


 それにビクついたのは、ジルフィスとレイスだけだった。

 「お前は、何をしているッ……神でありながら世界七神皇帝に加入なんかし、そしえ魔王と同盟を組み、世界中で暴れまわって、挙句の果てには世界との繋がりでまた何かをしようとしているッ……。全く破壊神という神は何で毎回こうなのだ……。

 歴代から思っていたが、2代目、3代目、4代目、そしてあなたもッ……。

 全体を見れば、裏切りが二人で、役割放棄が二人だッ!そしてお前は裏切りの疑いもあり、役目の放棄、そして世界の理を崩そうとしている……どうなんだねッ!」と強くレイムを攻めたが、レイムには反応はなかった。


 「一つ当たりで、その他全てが間違ってる……。まず3代目様は裏切り者じゃない……」

 

 この時、全ての破壊の記憶が微かにレイムと繋がった。

 「2代目を止めようとしただけッ!4代目様だって同じだしッ自分の使命はそれだからやったまで――」

 「そんなものッ何の証拠にもならないッ!3代目は神々を滅ぼそうとした裏切り者よッ、まさかお前もなる気じゃないでしょうねッ!」とカジラの声のトーンはだんだん大きくなり、怒りが増していった。


 だがレイムも同様だった。

 「命を懸けて世界を守ろうとした人をッそんな言葉で汚すなァァァッ!お前は何もわかってないッ――いいやッわかるはずもないッ、他人のことなんか……わかろうとしていないッそんな奴が破壊神を侮辱するなッ!」

 

 パァァァンッ!とその瞬間、ジルフィスとレイスに見えた光景はカジラの右手は何かを払ったあとでレイムは右を向いていた。


 カジラがレイムの頬を叩いたのだ。


 「あッ――」それを理解した瞬間、レイスはあの頃の自分を思い出した。



 私の家系はそれは厳しいものだった。

 妹であった私はいつも姉のシルリアに庇ってもらってばかりだった。


 そんな私達にどちらかが炎の神を継ぐという話が……。

 すると母が姉を叩いたのだ。

 「お前はッ継ぐために今まで剣を振ってきたのか?なんのためにッ今まで何をやってきたのッ!」と母に殴られる姉の姿がこの目に飛び込んできた。


 いつも私が剣術だってダメダメだから。

 「私がッ、私がッこの子の二倍努力するからッ__妹をッレイスを殴らないでッ!」ついつも私の前に来て、母にそう言っていた。


 臆病だった私が悪かった。


 継ぐ話を聞いて私はあることを思い出した。

 ―あっ、そうだ。お姉ちゃんはそんなんじゃなく、教師になりたいって……。


 そう姉は王家の人間でありながら教師を目指していた。


 あの頃の私達には神の代を継ぐことが大変で苦しくてヤダったこと……。


 

 その時、私はッ私の意思で姉の前に立ちはだかった。

 「やめてッ!」と両手を広げ、投げ出すものがなかった私は……。

 「レイス……どきなさいッあなたには要はないのッ!」と母は私を殴った。


 だがそれでも私は動かなかった……いや、動きたくなかった。

 大好きなお姉ちゃんがもう自分の前で叩かれるのは……。

 


 そして……。

 「私がッ、私が継ぐッ!」とレイスは言った。

 「何を言っているのッ、あなたは継げる力もないのにッ勘違いも腹立たしいッ!」とまた殴った。


 豪華な床には血が滴り始めた。

 「お姉ちゃんはッ教師になるのッ――だから私がなるッ、これ以上お姉ちゃんをぶつのはやめてッ!私が炎の神の代を継ぐッ、これからお姉ちゃんの分まで努力してッ……だからッこれ以上お姉ちゃんに手を出したらッ私が許さないからァァァッ!」とレイスは無我夢中に言いたいこと、ぶつけたい気持ちを叫んだ。


 それを見て、何かを感じたのかカジラは、「ふんッ、じゃあそれを言ったからにはちゃんとやるんだよ……」とそう言い、部屋を出ていた。

 

 その瞬間、シルリアが後ろから抱きしめてきた。

 「あり……がとう………」と一言だが感謝を……。


 それを聞いた瞬間、栓が外れ目から涙がこぼれた。

 「私ッ……頑張るから………だからッお姉ちゃんは安心してェェェェェッ、アァァァァァッアァァァァァ……」二人の少女はそうやって支え合ってきた。


 

 今になっては、思い出すとはずかしく思うし、いい思い出ではないが……。


 じゃあレイムはどうやって支え合ってきたのか……。

 自分達より酷い扱いを受け、レイムが小さかった頃手放さなければいけない時、私はあの時と同じように大泣きした。

 私達を恨んでいるんじゃないか……もう私のことなんか忘れているのではないか……。


 でも、違った……。


 支えてくれたのは、歴代が残した仲間達だった。


 その中でレイムは私以上に成長していった。


 私だったらレイムの歳でもあんなに反論はできなかった。

 だから……。

 「母さん……もうやめてッ!もういいでしょッ!」と私はあの時以来、子供のために自分の大切な物のために再び……。

 「レイスッ――お前は黙ってなさいッ!」と再びカジラは振りかぶった。


 「いい加減にしてッ――」と私は叫んだ。

 「破壊神……レイム達は悪くないッ――悪いのは私達だよ……何で同じ神なのに扱いが酷すぎるのか強大な力を持つから、その存在だから……そうやって勘違いの偏見で生まれたのが今の状況じゃないッ!だった今ッ殴らないといけないのは母さんッ自分自身だッ……。レイム達は何も悪くないッ……」と言い、レイスはレイムの抱き、扉を開けた。


 「さぁ、行って!」とその姿は母、その者だった。

 「母さん……ありがとう……」とレイムは走り出し、その後はキラキラと涙で輝いて見えた。


 「レイスッ勝手なことはッ――」とまだカジラは迫ってくる。

 「母さんのバカッ、父さんも母さんと止められないなんて父さんもバカだよッ!」と言い捨て、レイスはレイムの後を追った。



 「ちょっと待ちなさいッ!」とカジラは扉を出ようとしたが、立ち止まった。


 そこには、ロナの姿があった。

 「あなた……」とカジラは見た瞬間理解した。


 いや、分かるようにしただけだった。

 「もういいんじゃない……お前もいい加減にしろや……」とロナではない声と口調がその者と言う証拠だった。

 

 ジルフィスはもう声も出なかった。

 「やる気……」とカジラはそう言い、炎に纏った赤い剣を掴んだ。


 「あぁ、もちろんだよ……」と廊下の窓から見える黒い巨大な何かが浮遊している。

 「はッ――」とカジラはそれが、巨大な黒い剣だと言うことが……。


 そしてその剣は破壊の力を宿っていた。

 


 その瞬間、黒い剣がまっすぐ動き王宮から物凄い音と衝撃が天界に広がった。

 

 そして王宮はその階から上はなくなっていた。

 

 

 レイムは天界に飛行船などが止まる停泊の所に二人はいた。

 「ごめんね……全ては私達のせい、レイムは悪くない……だから私達のことはいいかな自分の真実道を行って……」と今にも崩れ落ちそうな表情と声でレイムにそう言った。


 頬は赤く、目には涙が溜まっているレイムは頷いた。


 そしてレイスはレイムをギュッと抱きしめた。

 「愛してる……」とレイスは言った。

 「うゥゥゥゥ……」とレイスの胸の中でレイムは泣いていた。

 

 改めて、親の愛に触れたのだから……。


 「私も……愛してるよ……母さん………」とそう別れとの思いで呟き、レイムは黒い翼を広げ、天界を飛び立った。


 それを見守るレイスがだんだんと遠くなっていく……。


 そして小さい白い光が後に飛び立ち、レイムの後を追った。


 

 そんな愛を再び感じたレイムは戦場に降り立つのだった。

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